🐾 保護猫エッセー│何もしていないのに、褒められる夜
キキです。
平日の夜10時。今日も、特別なことは何もない夜です。
パパはそろそろ横になる時間。
お休み前の猫じゃらし大会も、今日も無事に楽しく終わりました。
パパがお布団に入ると、サナ兄ちゃんは早速、パパの大きな枕に乗って一緒にのんびりしています。
ボクはキャットタワーの上にある、ふかふかのお布団の上。
少しして、パパが電気を消しました。
お部屋には、ラヴェルの《亡き王女のためのパヴァーヌ》が静かに流れています。
サナ兄ちゃんからは、もう寝息が聞こえてきました。
ボクも、なんとなくパパのそばに行ってみることにしました。
キャットタワーを降りて、パパの枕の横へ。
するとパパは、
「よく来たね。いい子だね〜」
そう言って、ボクの首をなでなでし始めました。
……なんで褒められるんだろう?
何か特別なことをしたわけでもないし、
ただ、そばに来ただけなのに。
なでられながら、ボクはふと思い出しました。
今よりずっと小さかったころのこと。
ママに首をくわえられて、運ばれていたあの感じ。
懐かしくて、あたたかくて、安心する感覚。
パパの手は、なんだかそれに少し似ていました。
いつの間にか、パパの寝息も聞こえてきます。
ボクのまぶたも、だんだん重くなってきました。
何もしていない一日。
でも、なぜか褒められた夜。
たぶん、それでよかったんだと思います。
おやすみにゃ。

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