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気が付いたら書いてた。止まらなかった。それだけサッカーは魅力的【W杯104試合完走スペシャルインタビュー】

104試合を視聴、レビューしたご褒美に、栃木SCのオフィシャルライターなどを務めた経験のある、大塚秀毅さんにインタビューしていただきました。

歴史的なファイナルから2週間経った、今の私の気持ち、頭の中をしっかりと言語化してくださいました。大塚秀毅さん、貴重な機会をいただきありがとうございました。

――104試合全てを視聴し、さらにレビューまで書ききった。今どんな思いで日々を過ごしていますか?

予想以上にロス、虚無感が強いですね。あと、朝3時、4時に自然と目が覚めます。

ーーそれだけワールドカップが「日常」だったと

早朝に起きて視聴。前半のハイドレーションブレイク中に朝ごはんの支度と、家族のお弁当をこしらえ、再び試合に戻る。後半のハイドレーションブレイク中に麦茶を作る。試合後は会社に遅刻しないように30分を目途にレビューを書く。これを繰り返していました。

ーー1か月以上続くと習慣化しますからね

体が自動的に動きを覚えてますよね。ルーティーンができたことで、ワールドカップ後は、よりスムーズに朝の家事ができています。それと、夜は9時には眠くなりますね。

ーー元々、早起きは苦手ではなかったですか?

大学生までは夜型人間。深夜番組が大好きで、だらだらと過ごしていました。スポーツライターになってからも昼間に取材、夕方から原稿を書いていたので、夜は遅くなりがちでした。コピーライターになってからですね、朝型人間にシフトしたのは。転身してから10年くらい経つので、もう慣れました。

ーーnoteで書かれた記事はコラムも含めると134本、これを入れれば135本。書きましたね

AIに聞いてみたんです。104試合視聴・レビューしている人はいるかと。もちろんいるとは思いますが、ボクと同じ熱量で書いている人はいないと回答が出ました。狂気的でもある、と。唯一無二は好きな言葉なので、誰もやっていないことをやり切った充実感はあります。

ーー最も上手く書けた、気持ちが乗った記事は、どれでしょうか?

(noteのアーカイブを見ながら)今大会導入されたハイドレーションブレイクに関する考察は、問題点を指摘しながら独自の見解を提示できたと思います。他にも幾つかありますが、みなさんから最も「すき」をいただいた、ワールドカップ2026雑記 #2『あえて小川と塩貝を使わなかった森保マネジメント』にします。

ーー自己レビューしてもらえますか?

グループステージ第3戦のスウェーデン戦に向けたプレビューの側面もありました。チュニジア戦で後藤、塩貝を温存して、飢えさせた状態でスウェーデン戦のピッチに解き放つ。マネジメントの先を読んだつもりが、板倉の負傷でプラン変更を余儀なくされたように思います。

ーー結果的に後藤、塩貝は出場機会が限られてしまいました

ノックアウトステージ初戦のブラジル戦では、おそらく最後のカードは塩貝だろうと思っていたはずです。そこで、町野修斗。町野には悪いですが、なぜ?町野。誰もがそう思ったはずです。

ーーはい

帰国会見で期待したほどのパフォーマンスではなかったと言った一方、テレビ番組では塩貝への期待を口にした森保監督。結果的に何がしたかったのか。意図の読めないカードになってしまいました。

ーーピックアップしたコラムではGKの重要性についても触れています

1点勝負になるノックアウトステージでは、よりGKの質が問われました。ブラジルを撃破したノルウェーは、守護神ニーランがマルティネスのPKをストップ。それ以外にも好守が光りました。またスペインはGKウナイ・シモンが「5人目のDF」として機能したことで、フランスとアルゼンチンに圧勝しました。守れることはもちろん、攻撃の組み立てにおける存在感も、今後は求められる。その点、日本には鈴木彩艶がいるので、非常に心強いですよね。

ーーマネジメント、GKの重要性、そして優勝国予想もされていました

フランス、モロッコは順当に勝ち進んでくれましたが、ドイツがノックアウトステージ初戦で敗退したのは予想外というか、ヴィルツとムシアラがヤマルやロドリのように調子を上げると読んでいましたが、最後まで本来のパフォーマンスには程遠かった。ムシアラは自制心を失い、悪質なタックルをしてしまった。あれでは勝利の女神は振り向かないですよね。GKウナイ・シモンに肘打ちしたエムバペも然り。極限の状況下でも冷静さを失わない。スペインはメンタル的にも優れていましたね。

ーー筆が乗らなかった試合はありましたか?

DRコンゴとウズベキスタンの一戦は、苦戦した記憶があります。ハイライト映像視聴だったので結果は既に知っていました。どの試合にも必ず書きたい要素があるのですが、この試合は書き出しに迷いました。結果的にノックアウトステージ進出のDRコンゴの歓喜の様子から入りましたが、もう少し違う角度から書いても良かったのかなと。結構、試合数を見ていたので、ネタが尽きていたところもあったように思います。

ーー「書きたい要素」があるとおっしゃられましたが、当初はもっと簡素な、一般的なレポートにする予定だったそうですね

104試合は未知の領域だったので。栃木SCのオフィシャルライターの頃、取材したJリーグの記事と、同時期に見ていたユーロについてもブログに書いたことがありました。サッカー漬けの幸せを感じつつ、同時にやっぱり頭が付いていかず、本業のJリーグの仕事に影響が出てしまいました。苦い思いであるので、500字くらいにまとめたいなと思っていたんですが……

ーーどの試合も肉厚で読みごたえがありました

ありがとうございます。。気が付いたら書いてました。止まらなかったです。それだけサッカーは魅力がつまったスポーツなんだと思います。家族は呆れてました。頼まれてもいない、お金にもならない。そんなことに心血を注いでいることに対して。そこの戦いもありましたね。

ーー104試合を観たからこそ書けたと思うシーン、描写もありました

実況、解説の情報も参考にさせてもらいましたが、手元には自分のレビューがあるので、記憶がおぼろげな時は見返していました。そうすることで点が線になり、記事に厚みが生まれました。飛び飛びで観ていない、フルで見ているからこそのクオリティは出せたことには満足しています。

ーーまた最新技術、AIも使っていたそうですね

はい。壁打ちというか、書いた記事をAIに校正してもらっていました。「超一流の編集者として評価して」と打ち込んで。主に直されたのはタイトル。もっと拡散性の高い、バズるものを、と毎回のように言われて、直したこともありますが、昨今の言い方は悪いですがクリック重視のタイトルには嫌悪感を抱いていたので、タイトルに関してはほぼ無視していました。

ーーそっちの思惑通りにはやらないぞ、と

型通りにしたタイトルの方が、「すき」が付きました。集合知なので、それはそうですよね。でも、自分のスタンスを曲げてまで数字を取りに行くのは違うなと思い、指摘されても微調整した程度に留めました。上手かったですけどねAIのタイトルは。時流に沿っていました。

ーートレンドには乗らない。天邪鬼な性格も影響しましたか?

それはありますね。「23歳、元日本代表が、加入1年目からスタメン」のように匂わせが、どうも肌に合わないんです。もちろん仕事で請け負えば書きますし、書けます。でも、嫌ですね。

ーー今後も熱量の高いレビュー、コラムを書く予定はありますか?

直近だと愛知で開催されるアジア大会でしょうか?どこまで地上波で放送されるかわかりませんが、結果よりも過程、選手のバックグラウンド等を軸に書いてみたいと思っています。

ーー今週末にはJリーグも開幕します。

DAZNの契約期間が残っているので、Jリーグも追いかけたい。でも、さすがにJ1からJ3までフルカバーは難しい。栃木SCは密着した経験があるので、候補には入りますが、現在住んでいるエリアのアルビレックス新潟をワンシーズン追いかけるのがベターかなと。あとは海外リーグも視聴できるので、日本人選手が所属しているチームを、年間を通して観てみたい気持ちもあります。

ーー普段サッカーの記事は人気がないと落ち込んでいましたが、ワールドカップ期間はリアクションがありましたね。コメントもたくさん付きました。自信になったのでは?

ワールドカップ開幕と軌を一にして本業も忙しくなって、開幕3日目くらいで一度挫けたんですよ。これは追い切れないと。48チームに出場国を増やしたインファンティーノを恨みましたね。でも、グループステージを乗り切れたら、試合数が自ずと減るのでペースが掴めました。また、みなさんからのリアクションは、かなりモチベーションになりました。いままで知らなかった方から「すき」、「コメント」の両方をいただけて本当に励みになりました。今後、これほど大規模な大会はないので、大きな自信を得られた1カ月半でした。

みなさん、読んでくださりありがとうございました。またこのような機会がありましたら、お付き合いいただけますと幸いです。

ーー104試合お疲れさまでした。また熱量の高い記事を届けくださり、読者を代表してお礼を伝えさせてください。ありがとうございました。

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思いのままに。続けます。今日も呼吸ができた。ありがとう!




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