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第八章 夫の浮気と離婚「それでも前を向く」

長女が高校受験、次女が中学に上がる頃、夫に転勤の内示が出た。
ちょうど住んでいた賃貸アパートも管理会社の都合で退去を迫られており、当然家族で転勤先へ移るつもりでいたが、なぜか夫は猛反対した。
納得のいく理由ではなかったが、長女の受験も控えていたため、環境を優先し、長く住める分譲マンションを購入することにした。

夫は単身赴任、長女は希望校に合格し、次女も中学生に、三女は転校して新天地での再出発を切った。

希望校に合格した長女だったが、知人のいない土地で孤立してしまう。
それでも積極的に動いてすぐに友人を作った。
しかしその友人は悩みを抱えている事情があり、担任から「頼む」と言われた正義感の強い長女は、自分を顧みず力を尽くした。
その甲斐なく友人は退学し、長女は仲間外れにされ一人で弁当を食べることになったという。
心配して学校を辞めることも提案したが、返ってきたのは重みのある言葉だった。
「学校には友達を作りに行くんじゃなくて、学びに行くからやめない」


その頃、赴任先から戻った夫の借金が発覚した。
穏やかに話し合いをするつもりが逆ギレされ、話にならなかった。
起きたことは取り戻せないが、同じことを繰り返さなければいい――そう伝えても、夫は不機嫌な態度を示すだけだった。

高校二年になった長女は演劇部に入部し、生徒会副会長も務めるまでに交友を広げ、無事に卒業、進学、就職した。
次女も中学生活を楽しみ、高校、大学を経て転勤族の会社員となり、あちこちへ引っ越すたびに手伝いに行った。

そんなある日、手伝いに行っていた最中、長女から連絡が入った。
家に夫と見知らぬ女性が来たが、聞いていたかという。
何も聞いていなかった。
夫に確認すると「会社の人だ」と言うが、そこから次々と浮気の事実が明るみに出ることになる。

ほとんど帰宅しなくなっていた夫は、やがて離婚届を突きつけ家を出て行った。
考える時間すら与えられず夫からは離婚届を急いで出すよう迫られた。
理由を本人から聞いたわけではないが、想像するに、再婚の入籍日をバレンタインデーの2月14日にしたかったのだろう(実際、入籍は2月14日だった)。
ただし夫の実家では、離婚と再婚の年を一年ずらして伝えているらしく、離婚から一ヶ月ほどでの再婚では浮気を疑われると考えたようだ。

ある日、夫の母から電話があった。
私が仕事で不在だったため長女が対応したが、内容は離婚の原因が私にあるというものだった。
自分の息子の浮気が本気になったとは口が裂けても言えないのだろうが、原因をこちらに転嫁するのはやめてほしかった。

苛立っている時間はない。先を見据え、すぐに勉強を始めた。
関心のあることを片っ端から学び、以前の介護ヘルパーの経験から福祉の道も一時は考えたが、自分の使命を見つけることに専念した。

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