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終の住まいじゃなくて、いいんです #4|「悪くない」で、決めないでください(藤田由紀子編)

「悪くない」で家を決めると、たいてい後悔します。本気不動産・佐藤社長が使う「満足度60%ルール」は、内見して心が六割動かない部屋を見送るための物差しです。分厚い資料を抱えた藤田由紀子さん(52)の、はじめての内見に同行しました。

「三件とも、悪くありませんでした」

内見を終えた帰り道、藤田由紀子さんは、そう言って手帳を閉じました。悪くない。この言葉を、私は二十六年のあいだに、何千回聞いてきたでしょうか。そして「悪くない」で決めた方が、半年後にどんな声で電話をかけてこられるかも、たぶん誰よりも知っています。だから私は、駅までの短い道で、その日いちばん大事なことを申し上げることにしました。――由紀子さん。今日は三件とも、見送りましょう。

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