ワンピースへのこだわり
ワンピース、されどワンピース。
この年齢になって、積み重なった経験がある。
「こういう服が好き」というより、
「こういう服は、もう着ない」という経験の積み重ねである。
気がつけば、ワンピースを選ぶときの条件が、ずいぶん細かくなっていた。
まず、襟元。
私の体型は薄っぺらい。主に上半身が。
だから、Vネックや胸元の開いた服なんて、とんでもない。下を向いたときに大惨事だ。
襟元は、ほどほどにしまっているものがいい。
次に、袖。
上半身は薄っぺらいのに反して、腕は太めである。ぷよった二の腕は、できれば出したくない。
したがって、ノースリーブはNGだ。
ノースリーブに羽織ものを合わせたり、Tシャツを重ねたりする着方もある。おしゃれだと思う。
しかし、夏に重ね着はしたくない。暑いもの。
『一枚で完結する』
これが、私の夏のマイルールである。
そして、丈。
マキシがいい。
中途半端な丈は、どうも脚が太く見える。だったら、いっそ隠してしまおう。
隠すところは隠す。
これも、年齢を重ねて身につけた知恵である。
デザイン。
できればウエストが絞られたもの。
私はウェーブ体型なので、そのほうが似合うようだ。
胸のあたりからギャザーでふんわり、というデザインもあるけれど、私が着ると、どうにも妊婦さん感が出る。
なので、ウエストが絞られたものを選ぶ。そうでなければ、ベルトをして軽く絞る。
材質については、少々ややこしい。
本当は、コットンや麻など、天然素材が好きだ。見るからに涼しそうだし、肌にも気持ちがいい。
ところが、実際に着てみると、滑りが悪くてイライラすることがある。
裏地があればいいのかもしれない。でも、裏地がつくと、今度は暑さとの戦いになる。
涼しくなりたいのか、天然素材を着たいのか。おしゃれとは、なかなか一筋縄ではいかない。
最近は、化繊もずいぶんよくできている。涼しめの化繊なら、もうそれでいいかな、と思うようになった。
座りジワがつきにくい。
洗濯してもシワになりにくい。
アイロンをかけなくていい。
このあたりは、見た目の美しさ以上に大切である。
そして最後。
ワンピースの下に何を合わせるか。
私は、レギンス一択となった。
家にいるときなら、素足でもいい。
しかし、外に出るときは、必ずレギンスをはく。マキシだから基本は見えないはずだが、自転車に乗ったり、風に吹かれたりもする。オバサンの生足は、よろしくないと思っている。なるべくなら、衰えた肌は見せないに限る。
もちろん、これはあくまで私の場合。
海外の方などが、年齢を気にせず、のびのびと素肌を出している姿には、ちょっと憧れる。ああいう奔放さは、素敵だと思う。
「自分の身体なのだから、好きなようにすればいいじゃない」
そんな潔さには、拍手を送りたい。
けれど。
自分では、とてもできない。
そこはもう、仕方がない。
私には私の美意識があり、私なりの落としどころがある。
だから、レギンス。
これをはいていると、なんとなく安心するのである。
以前は、ワンピースにパンツを合わせる着方にも挑戦した。
パンツ合わせ。すごくカッコいい。
今でも、見るぶんには好きだ。
でも。
トイレのときが大変だった。
ワンピースをたくし上げる。
ズボンを下げる。
そして、ズボンが床につかないように気を配る。
……トイレ内でわさわさするから忙しい。
おしゃれとは、かくも忙しいものなのか。
その点、レギンスはいい。
足首で止まっているし、そこまで下げる必要もない。
トイレという、誰もが避けては通れない現実において、レギンスは圧倒的に強かった。そして今は涼しいレギンスもたくさん出ている。
こうして書き出してみると、私のワンピース選びには、ずいぶん細かい条件がある。
でも、これはたぶん「こだわり」というより、失敗の歴史なのだ。
若い頃は、多少似合わなくても、多少着にくくても、多少暑くても、「かわいいから」「おしゃれだから」で着ていた。
今は違う。
似合うこと。
涼しいこと。
動きやすいこと。
洗濯が楽なこと。
シワにならないこと。
そして、トイレが楽なこと。
美しさだけではなく、生活の中でちゃんと機能すること。
長年服を着てきた結果、私はようやく、自分にとっての「いいワンピース」がわかってきたらしい。
ワンピース、されどワンピース。
一枚の服を選ぶにも、これまでの失敗と経験が、しっかり詰まっている。
レギンス、私はこちらが気に入っている。
タビオはサラサラしていて履きやすく、足首は少し緩め。
アツギは足首までしっかりフィットし、ほんの少し締め付け感がある。
※アフィリエイトリンクを含みます。
