【英語】headcount と FTE
今日ご紹介するビジネス英語は、"headcount" と "FTE"。読みは、それぞれ「ヘッドカウント」と「エフ・ティー・イー」となる。
この "headcount" と "FTE" は、どちらも、組織における人員を数えるための用語だ。外資系企業においては、組織やプロジェクトに従事する適正な人員数について検討する場面でよく用いられる。
しかし、これらの用語には、以下のような違いがある。
まず、"headcount" とは、組織やプロジェクトに従事する個々の人員数(頭数)を単純計算するための指標だ。フルタイム、パートタイム、契約社員などの区別なく、全ての従業員を1人とカウントする。外資系企業では、日本語の文脈においても、カタカナで「ヘッドカウント」と表現すれば、大抵、意味が通じる。
これに対して、"FTE" だが、これは、"Full Time Equivalent"(読みは「フル・タイム・イクイヴァレント」)というフレーズを略したものであり、フルタイム従業員1人分の労働時間に換算した労働力を計算するための指標を意味する。日本語では、「フルタイム当量」と訳す。上記の "headcount" が人員の頭数を示すのに対し、「1 FTE」とは、1人のフルタイム労働者が働く標準的な労働時間を意味する。
これら "headcount" と "FTE" の特徴的な違いとして、"headcount" は常に整数のみだが、"FTE" には、1より小さい数字になる場合や、小数点を使う場合があるという点がある。つまり、"Headcount" は、1人、2人、10人、100人、と数えるが、FTEは、0.1 FTE、0.5FTE、2.5 FTE、などと数えられる場合がある。
では、この "FTE"という概念が用いられるのは、どういう文脈においてだろうか。例文を交えながら解説してみよう。
まず、"FTE" には、パートタイムや非常勤など、フルタイムよりも短い労働時間の従業員の労働力を、フルタイム労働者の労働時間に換算して計算する場合がある。
たとえば、フルタイム従業員の勤務時間が週に40時間であり、週20時間ずつ働くパートタイムの従業員が3人いる場合には、0.5 FTEが3名で、合計で1.5 FTEとなる。
例文を見てみよう。
"In my department, we have 2 full-time employees who work 5 days a week and 1 part-time employee who works 3 days a week. So, our headcount is 3, but our FTE is 2.6."
(私の部署には週5日勤務するフルタイムの社員が2人、週3日勤務のパートタイムが1人いるので、ヘッドカウントは3ですが、FTEは、2.6です。)
また、ひとりの従業員が複数の仕事を担当するときに、それぞれの仕事に対してどれくらいの時間を割くべきかを計算する文脈においても、この "FTE" が用いられる。
たとえば、研究開発部門の従業員が、勤務時間のうち2割くらいの時間を割いて営業部門の応援を行うとき、その従業員の「0.2 FTE を営業に貸し出す」という言い方をしたりする。
例文を見てみよう。
"Our headcount is 12 people, but since 3 FTEs are supporting other departments, our actual FTE is 9."
(我々の部署のヘッドカウントは12人ですが、3人分のFTEが他の部署をサポートしているため、実際のFTEは9です。)
"From your headcount of 12 people, please allocate 3 FTEs to the new project. You can either assign 3 people exclusively or have 6 employees each contribute 0.5 FTE."
(あなたの部署のヘッドカウント12人の中から、新しいプロジェクトに3人分のFTEを割り当ててください。3人を専任で割り当ててもいいですし、6人の従業員にそれぞれ0.5 FTEずつ割り当てても構いません。)
いかがだっただろうか。
これら "headcount" も "FTE" も、従業員の雇用にかかる労務コスト管理の観点から、部署やプロジェクトに対する適切な人員配置を議論する場面で用いられることが多い。市場や組織の環境は、日々刻々と変わっていくため、同じ部署やプロジェクトに要する適正な人員も、それに応じて変わっていく。そういう変化に臨機応変に対応するため、パートタイム従業員を雇ったり、ひとりの従業員に複数の役割を割り当てたりする。そういうときに、常に整数の "headcount" ではなく、 "FTE" で議論を行う必要が生じるのだ。
両者の違いを十分理解していないと、人員配置についての計算ミスをしてしまうかもしれないので、要注意だ。若かりし頃の私も、「FTE=headcount」であるという間違った思い込みにより、混乱してしまったことがある。この機会に覚えておいていただければ幸いだ。
ご参考になれば幸いです!
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