【温泉】増富温泉「不老閣」(山梨県北杜市)
今日ご紹介する温泉は、山梨県北杜市にある増富温泉「不老閣」さん。天然ラジウム泉が有名で、湯治客の多い温泉宿だ。
予約は電話のみの受付。人気ゆえ、なかなか予約が取りにくい。2024年夏のこと。たまたま私の休みに、このお宿に空きがあり、こちらに2食付きで1泊する機会を得た。今日はその時のお話だ。
外観
増富温泉は、山間部の渓流沿いにあり、緑いっぱいの自然豊かなエリアにある。私は、こちらに公共交通機関で向かった。JR韮崎駅から、路線バスに揺られること50分。バス停を降りて進むと、川向うにお宿の建物が見えた。

川にかかる橋を渡って、左側の建物がそれだ。

こちらが、入り口。

館内
玄関ホールは、どこか懐かしいような、昭和を感じる空間だった。なお、こちらはチェックイン14時、チェックアウト11時であり、一般的なお宿よりも滞在時間が長い。


展示物コーナー。かわいい飾り物も多く、ほっこりする。

洗面所のあたり。

あちこちに、手作りの飾り物。

客室エリアの廊下。

階段エリア。

お風呂近くの、リラックスエリア。

客室
客室は、シンプルな和室。清潔であり、必要なものは揃っている。


温泉
こちらのお宿には、なんと、源泉が5つもある。

天然岩風呂
こちらのお宿の名物は、天然岩風呂。武田信玄の隠し湯の一つで、傷病兵が癒されたと伝わる。
岩風呂の湯船はひとつしかない。男性専用時間、女性専用時間、混浴の時間と、性別により入れる時間帯が細かく区切られている。
お宿の裏手の階段から、裏山へと階段をのぼっていく。




山登りのような雰囲気を味わえる。


森の先に、小屋のようなものが見えてきた。


こちらが、岩風呂の建屋だ。

簡素な脱衣所がある。

そして、その奥には・・・。

名物・天然岩風呂が鎮座していた! なんという、神秘的な空間だろう! 神棚もあり、神社のような雰囲気だ。

近づいてみよう。正面と左の壁には大きな岩がそのまま使用されている。そして、その下側に、小さめのくぼみが・・・。


写真だとサイズが分かりづらいかもしれないが、大人3人くらいが同時に入れるサイズだ。

この大岩に囲まれた湯船の底からは、常時ラジウム泉が湧いているという。色も茶褐色に見事に染まっている。これは、効き目が高そうだ。
結構な深さがある。岩のステップ(段差)を利用して、穴ぐらに降りるようにして、そろそろと湯船に入る。

冷たい! ぜんしんがヒヤッとする。しかし、少し浸かっていると、だんだんと体が慣れてきた。パワフルなお湯ゆえにあまり長湯をすべきではないとのことで、10分もたたずに湯船から出た。
掲示されていた温泉表示によると、この天然岩風呂(源泉名:不老閣天然岩風呂)の泉質は、含放射能ーナトリウムー塩化物冷鉱泉とのこと。泉温は20.1度。PH値は6.3だとのことだ。
アトム風呂
天然岩風呂のある建屋の別のエリアには、水道水の上がり湯(下の写真左側)と、アトム風呂(同右側)という名前の、かぶり湯用の源泉湯船があった。いずれのも湯船にも蓋がついており、人がいないときは蓋をかぶせておくようだ。

アトム風呂の源泉(源泉名:岩風呂3号)の泉質は、含放射能ーナトリウムー塩化物冷鉱泉。泉温は20.1度、PH値は5.8、成分総計5032mgとのこと。
公式サイトによると、アトム風呂は、湯船まで約5mの所で湧出している。泉温は17~20℃。岩風呂に入浴後、上がり湯で体をよく温めて、最後にかぶり湯として利用すると、よりラジウムの効能が約1時間持続すると云われているらしい。
私も、このアトム風呂の源泉を汲んで、かぶり湯をしてみた。
冷たっ!
源泉岩風呂よりも、さらに冷たい、水だった。暑い夏の日だったから良かったが、気温が低い日にはなかなか厳しそうだ・・・。
不老閣霊泉
また、同じエリア(上の写真の奥)には、不老閣霊泉(源泉名:不老閣1号)と呼ばれる浴槽もあった。しかし、この日は、こちらはお休み中だった。
こちらの源泉の泉質は、含二酸化炭素・放射能ーナトリウムー塩化物冷鉱泉、泉温は18.6度、PH値は5.8、成分総計4095mgだとのこと。
公式サイトによると、天然岩風呂と同じ井戸の底から常時プクプクとラジウム泉が湧いているとのこと。水温は17℃~20℃で、岩風呂と同じく、最も古い源泉だそうだ。もう、今後はずっと入れないのだろうか・・・。

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次に、建物内の内湯エリアのご紹介をしよう。こちらが、内湯への入り口。

男女別入れ替え制だ。

不老の湯
まずは、不老の湯からご紹介しよう。洗い場も備えた広い空間に、源泉と上がり湯の2つの隣接した湯船が鎮座している。

源泉は、見事なオレンジ色。

湯口からは、源泉がなみなみと掛け流されている。

長寿の湯(源泉名:不老閣2号)は、ナトリウムー塩化物温泉。源泉温度は、32.2度。PH値は、6.4。成分総計11395mgと、濃い温泉だ。
公式サイトによると、長寿の湯は、地下約40mから自然自噴している。浴室内には放射線、温泉ミネラルの蒸気、温泉に含まれているガス等が呼吸により肺から体内に取り入れられる。泉温が約30~36℃であり、身体への負担が少ないことから、体力の低下している方は、まずこの内湯で身体をならしをするとよいらしい。
入ってみると、源泉浴槽のほうは、不感温度で、なんとも気持ちが良い。上がり湯との交互浴をすれば無限に浸かっていられそうだが、パワフルな源泉なので、ほどほどにしておいた。
蒸気吸入室
なお、この不老の湯の浴室内には、蒸気吸入室なるエリアがあった。

中に入ると、ものすごい蒸気が充満していた。鼻や口から蒸気を吸って、肺いっぱいに吸収してみた。

不老の湯の源泉と同じ、不老閣2号源泉を使用している。公式サイトによると、この蒸気吸入室では、天然のラジウム泉を直接使用しての蒸気浴ができ、大変貴重なものだという。吸入により、肺でのガス交換の際に、血中に取り込まれ体内細胞を刺激し、免疫力・自然治癒力を高めると言われているそうだ。
長寿の湯
次に、長寿の湯という浴室。手前から、上がり湯、その奥が、長寿の湯の源泉浴槽。



長寿の湯の源泉は、不老の湯の源泉と同じで、不老閣2号が使用されているとのこと。こちらでも、ぬる湯の源泉と上がり湯で交互浴を楽しめた。
湯窪の湯
そして、窓側のテラスのようなエリアには、別の源泉浴槽があった。こちらの写真の右側の湯船で、湯窪の湯という。


湯窪の湯の源泉名は、岩風呂2号。泉質は、含二酸化炭素・放射能ーナトリウムー塩化物冷鉱泉。泉温は20.7度。PH値は5.8。成分総計は5147mg。
公式サイトによると、天然岩風呂の脇で湧出するとのこと。分析結果によると成分・湯温は、天然岩風呂とほぼ同じだそうだ。泉温が低いため、放射線が崩壊しない程度(27℃~32℃)に加温されている。岩風呂までの山道を自力で歩いて行けないお客さんに喜ばれているのだとか。確かに、この湯船は、この浴室ではとりわけ人気が高いようだった。
食事
お食事は、夕食、朝食ともに、食堂でいただいた。
夕食
とてもヘルシーな和食。体にやさしいものばかり。品数も十分だ。


なお、私は頼まなかったが、これらのスタンダードな料理に加え、馬刺し、川魚の塩焼きといった特別料理もあり、予約の際にオーダーできるとのことだ。
朝食
朝食も和食。こちらも、とてもヘルシー。

不老閣名物ラジウム玉子(源泉でゆでたもの)。まさに、ラジウムづくし。

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入れる湯船には、全て入った。その結果、明らかに、強い湯疲れを感じた。その日は、心地よい気だるさに身をゆだね、泥のように眠った。翌朝は、明らかに体が軽くなっていた。体に良いお料理をいただいたこともあってか、胃腸のコンディションも改善した。たった1泊の滞在なのに、これほどの変化を感じるとは。驚きだった。
浴室では、たくさんの湯治客の皆さんとお話しさせていただいた。どうやらこの日のお客さんは、常連さんや、長逗留の方ばかりだったようだ。新顔がいると見るや、「今日来たの?」「あなたはどこがお悪いの?」と声をかけてくださった。
ご一緒したご婦人の中には、何人も、癌サバイバーの方がいらっしゃった。皆さん口々に、「ここのお湯は効くのよ」とおっしゃっていた。和気あいあいと、お互いをいたわりながら、長時間、じっくりとお湯と向き合っていらっしゃった。
そして、お宿のスタッフのみなさんのおもてなしも、心のこもったものだった。とても気持ちよく滞在させていただいた。
人里離れた山奥にひっそりとたたずむ、知る人ぞ知る温泉郷。過去何百年にもわたり、傷つき、病を抱えた人々を救ってきたであろう奇跡の泉が、今でもこんこんと湧き出ている。その神秘のパワーを求めて訪れる湯治客を、温かく迎えてくれる癒しの場所。このような貴重な財産を、令和の現代まで承継してくださったお宿の方には、感謝しかない。
いいお湯でした。お世話になりました!
こちらの施設の公式サイトは、こちら。
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