『最近気になるニュース』の選び方
面接で突然、
「最近気になるニュースはありますか?」
と聞かれる。
就活生からすると、かなり嫌な質問です。
普段ニュースを見ていないと焦りますし、政治や経済を選ぶと深掘りが怖い。かといって、芸能ニュースでは軽すぎる気がする。
まず知っておいてほしいのは、この質問でニュース評論家を探しているわけではないということです。
採用側が見たいのは、「普段どこに関心が向いているか」「情報を自分なりに考えられるか」です。
■選び方は、“詳しいか”より“自分と接点があるか”
おすすめは、自分の生活や志望業界と少し接点があるニュースです。
IT業界を受けるならAIやサイバーセキュリティ。小売なら物価やキャッシュレス。人材なら初任給や転職市場。
自分と接点があれば、意見が言いやすくなります。
■避けた方がいいのは、知ったかぶり
難しい経済ニュースを選んで、用語を間違えるくらいなら、身近なテーマを深く話した方がいいです。
たとえば「スーパーの食品ロス削減の取り組み」が気になった、でも十分です。
そこから、なぜ気になったのか、自分はどう感じたのか、仕事にどうつながると思うかを話せれば、立派な回答になります。
■回答は3ステップで作る
1. ニュースの概要
2. なぜ気になったか
3. 自分はどう考えたか
この3つで十分です。
例を出します。
「最近、企業が初任給を引き上げているニュースが気になっています。就活中の自分に直接関係するテーマだからです。ただ、初任給だけ高くても、その後の昇給や成長機会がなければ長期的な満足にはつながらないと思いました。会社を見る時は、初年度の条件だけでなく、その後のキャリアも確認したいと考えています」
これなら、単なるニュース紹介ではなく、考え方が伝わります。
■“正しい意見”を言おうとしない
社会問題について、模範解答を言う必要はありません。
むしろ危ないのは、誰かの記事の受け売りを、そのまま自分の意見のように話すこと。
面接官から「なぜそう思う?」と聞かれると止まってしまいます。
自分の経験や感覚から、無理なく言える範囲で話してください。
■政治・宗教などセンシティブなテーマは慎重に
選んではいけないわけではありません。
ただ、強い主張になりやすいテーマは、面接で短時間に誤解なく伝える難易度が高い。
特に準備していないなら、無理に選ばない方が安全です。
■ニュースを毎日1時間見る必要はない
就活中におすすめなのは、朝か夜に5分だけ見出しを見ること。
その中で「これ、ちょっと気になる」と思った記事を一つ保存する。
週に1回、保存したニュースについて3行メモを書く。
これだけで、面接前日に慌ててニュースを探す必要がなくなります。
■業界ニュースを選ぶ時の注意点
志望企業に近いニュースを選ぶのは有効ですが、無理に企業を褒める方向へつなげる必要はありません。
「このニュースを見て、御社の重要性を感じました」だけだと、少し作った印象になります。
むしろ、
「この変化によって業界の仕事はどう変わるのか気になりました」
の方が自然です。
■ニュースの事実と、自分の意見を混ぜない
「○○が増えています」という事実と、「私は○○だと思います」という意見は分けて話す。
面接で深掘りされた時にも整理しやすくなります。
もし数字を出すなら、うろ覚えで言わないこと。
「確か30%くらいだったと思います」より、「増加傾向にあるという記事を読みました」と正確な範囲で話す方が安全です。
■ニュース選びに困ったら、この4分野
・志望業界の変化
・働き方や雇用
・AIやテクノロジー
・自分の生活に直結する社会変化
このどれかなら、就活との接点を作りやすいです。
重要なのは、ニュースを知っていることではなく、情報を見た後に一度自分の頭で考えていること。
採用側は、その思考の跡を見ています。
■前日に用意するなら「1本+予備1本」
ニュースを10個覚える必要はありません。
本命を一つ、それが面接直前に古くなった時のために予備を一つ。概要と自分の意見をそれぞれ30秒で話せる状態にしておけば十分です。
ニュース対策は知識競争ではなく、考える習慣を見せる準備です。
ニュースは「詳しく語る」より「自分の関心を正直に語る」。このくらいの構えで十分です。
■最後に
「最近気になるニュース」は、知識量のテストではありません。
あなたが何に引っかかり、どう考える人なのかを見る質問です。
立派なニュースより、自分の言葉で話せるニュース。
その方が、人事には人物像が伝わります。
さらに深く知りたい方へ
ガクチカの考え方や面接での深掘り対策は「モテ就活」で詳しく解説しています。自分の経験を嘘なく強い言葉へ変えるためのヒントとして活用してください。
この記事を書いた人
大塚教平|シナリオ・プランニング株式会社 代表取締役
2007年に採用支援業界へ入り、2009年にシナリオ・プランニング株式会社を設立。採用戦略、採用ブランディング、母集団形成、選考設計、面接、内定承諾支援までを一気通貫で手掛け、これまで500社を超える企業を支援している。
支援先全体では、母集団形成が平均270%に向上し、採用単価を平均41%削減。年間約500名の応募から1名しか採用できていなかった企業では、採用コンセプトと選考を再構築し、初年度に4,000名の応募から36名、翌年度に8,000名の応募から62名の採用へつなげた。
『ベンチャー通信』代表インタビュー、J-CAST会社ウォッチ・J-CASTニュースでの採用市場解説、テレビ埼玉『BOSSのプレゼン2』出演などの実績を持つ。ベストベンチャー100カンファレンスには、2024年Springから2025年Autumnまで4開催連続でスポンサー企業として参画。
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