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子どもたちへ。勉強すると、世界は違って見える

この夏、家でアサガオを育てましたね。
毎朝、水をあげて、芽が出て、つるが伸びて、花が咲いて、最後にはたくさんの種ができました。同じアサガオを見ていても、勉強をすると、そこから見えるものがどんどん増えていきます。

理科を知っていると、「どうして種から芽が出るの?」「なぜ葉っぱは太陽のほうを向くの?」「水をあげないと、なぜ元気がなくなるの?」「花が終わると、どうして種ができるの?」と考えられます。
そして、「日なたと日かげでは育ち方が違うかな」「水の量を変えたらどうなるかな」と、予想して確かめることもできます。ただ眺めるだけではなく、不思議に気づき、自分で確かめる目を持てるようになります。

算数を知っていると、「一つの実から種が6個とれて、実が10個あったら、全部で何個になる?」と掛け算ができます。「来年、その種を全部まいたら何鉢くらい育てられるかな」「友だち5人に同じ数ずつ配るなら、何個ずつ渡せるかな」と考えることもできます。
足したり、引いたり、掛けたり、割ったりすることで、目の前のアサガオから、まだ起きていない来年のことまで想像できます。

国語を知っていると、「きれいな花だった」だけではなくなります。
本を読んでいると、「鮮やかな紫」「淡い青」「朝の光に透ける」「しっとりと雨に濡れる」など、同じ「きれい」にもたくさんの表し方があることを知ります。
言葉を知ると、自分が見たものや感じたことを、もっと細かく見つけられるようになります。そして、その景色を見ていない人にも、自分の言葉で伝えられるようになります。

社会を知っていると、「アサガオはどこから日本に来たんだろう」「昔の人も同じ花を見ていたのかな」「昔は何のために育てていたんだろう」と考えられます。
さらに、「暖かい国と寒い国では育つ植物が違うのかな」「世界の子どもたちは、夏休みにどんな植物を育てるんだろう」と考えることもできます。
目の前にある一鉢のアサガオから、昔の人の暮らしや、遠く離れた国の気候や文化まで想像できる。社会を学ぶと、今ここにあるものには、場所や時間を越えた背景があることが見えてきます。

図工を知っていると、アサガオを描こうとして、今まで以上によく見るようになります。
「花びらは本当に紫一色かな」「つぼみと咲いた花では形がどう違うかな」「葉っぱの緑は全部同じかな」。
じっと見ると、紫の中にも青っぽいところや赤っぽいところがあり、葉っぱにも明るい緑と暗い緑があります。つるが巻きつく形にも面白さがあります。
絵にしようとすると、「なんとなく見ていたもの」を細かく見るようになります。そして、同じアサガオを描いても、人によって全く違う絵になります。
図工は、よく見ることと、自分なりに感じたものを形にすることを教えてくれます。

アサガオは何も変わっていません。
変わったのは、見る人の中にあるものです。

私たちがあなたに勉強してほしいのは、たくさん正解してほしいからだけではありません。
一つのものを、一つの見方だけで見ない人になってほしいからです。

勉強とは、知っていることを増やすだけではありません。
世界を見るための目を、少しずつ増やしていくことです。

この夏に育てた一鉢のアサガオの中にも、理科があり、算数があり、国語があり、社会があり、図工があります。
世界は、知れば知るほど、同じものなのに違って見えます。

ママとパパは、そんなふうに世界をたくさんの方向から見られる人になってほしいと思っています。

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