高卒・独学の自分がデザイナーになるためにしたこと
高卒で、デザインの学校にも通っていない。
業界のコネもなければ、最初は仕事として見せられる実績もなかった。
そんな自分がデザイナーになるためにやったことは、意外とシンプルだった。
ひたすら作品を作って、ネットに公開する。
作品を見てもらい、自分のことを知ってもらう。
そこから来た依頼を実績にして、就職する。
就職してから実績を作ったのではない。
先に実績を作ってから、就職した。
少し強引なやり方かもしれないけれど、自分にはこの順番が合っていた。
学歴がないなら、見せられるものを増やすしかなかった
もちろん、デザインの学校に通う意味がないと言いたいわけではない。
基礎から体系的に学べる環境や、一緒に頑張る仲間がいることは強いと思う。
ただ、自分にはそのルートがなかった。
履歴書だけで勝負しても、自分が何を作れるのかは伝わらない。
だから学歴について悩むより、まずは見せられる作品を増やすことにした。
最初から完成度の高いものが作れたわけではない。
今見たら恥ずかしくなるような作品もたくさんある。
それでも作って、公開して、反応を見て、また作った。
作品を自分のパソコンに保存しているだけなら、良くも悪くも自分の中だけで完結する。
しかし、ネットに公開すると、見てもらえる作品と見てもらえない作品がはっきり分かる。
作る。
公開する。
反応を見る。
改善して、また作る。
この繰り返しが、自分にとって一番の勉強だった。
量は質の反対ではない。
少なくとも自分の場合は、大量に作った先にしか質はなかった。
1つの作品だけでは、本当の実力は伝わらない
完成度の高い作品が1つあっても、それが偶然できたものなのか、何度でも同じ水準で作れるのかは分からない。
仕事で求められるのは、たまたま良いものを作れる人ではなく、条件が変わっても一定以上のものを作れる人だと思う。
だから自分は、1つの作品をいつまでも修正し続けるより、次の作品を作ることを優先した。
構図が弱かったら、次は構図を意識する。
色がまとまらなかったら、次は配色を絞る。
文字が読みにくかったら、次は視認性を考える。
1作品ですべてを完璧にしようとせず、作品ごとに改善する部分を決めていった。
作品数が増えると、自分の得意な表現や苦手な部分も少しずつ見えてくる。
自分の作風は、頭で考えて決めたものではない。
作り続けた結果として、後から見つかったものだった。
上手くなるだけではなく、知ってもらう
どれだけ良い作品を作っても、誰にも見せなければ仕事にはつながらない。
デザイナーとして活動したいなら、上手くなることと同じくらい、見つけてもらうことも大切だった。
ここでいう知名度は、何万人ものフォロワーを集めて有名人になることではない。
必要だったのは、自分の作品を好きになってくれそうな人に、
「あのデザインを作っていた人だ」
と覚えてもらうことだった。
名前まで覚えてもらえなくても、作品を見たことがある状態を少しずつ増やしていく。
作品を継続して投稿していると、以前見てくれた人が次の作品も見てくれるようになる。
何度も目に入ることで、少しずつ作風や存在を覚えてもらえる。
その積み重ねによって、自分の作品を待ってくれる人や、投稿するたびに反応してくれる人も増えていった。
知名度は、急に生まれるものではなかった。
作品を出し続けた結果として、少しずつ後からついてきたものだった。
反応が少ない理由を、すべてSNSのせいにしない
SNSの数字が、デザイナーの実力を正確に表しているとは思わない。
投稿する時間やフォロワー数、そのときの流行にも左右される。
良い作品が伸びず、それほど自信のなかった作品が伸びることもある。
それでも、反応が少なかったときに、すべてをアルゴリズムのせいにはしなかった。
小さい画面でも目に入る構図になっているか。
最初にどこへ目が行くのか。
文字は読みやすいか。
色に特徴があるか。
一瞬で内容が伝わるか。
ほかの作品と並んだときに埋もれていないか。
伸びなかった作品には、何かしら改善できる部分があると考えた。
逆に伸びた作品も、「運が良かった」で終わらせず、どこが評価されたのかを考えるようにした。
SNSの反応は実力の通知表ではない。
それでも、自分のデザインが人に届いたかどうかを確認するための材料にはなった。
作品が知名度を作り、知名度が依頼を連れてきた
作品を作り続け、自分のことを知ってもらえるようになると、少しずつデザインの依頼が来るようになった。
最初から大きな仕事が来たわけではない。
それでも、自分の作品を見た人から「お願いしたい」と言ってもらえたことは大きかった。
依頼を受けたことで、自主制作だけでは分からなかったことも学べた。
相手の希望を聞くこと。
目的を理解すること。
締め切りを守ること。
修正に対応すること。
自分の好みだけでなく、相手の課題に合わせて作ること。
上手い作品を作ることと、仕事としてデザインすることは同じではない。
実際の依頼では、見た目の格好良さだけではなく、相手が何を伝えたいのかまで考える必要がある。
依頼を受けるたびに、技術だけではなく、デザイナーとしての考え方も身についていった。
そして、依頼で作ったものを少しずつ実績としてまとめていった。
就職する前から、デザイナーとして動き始めていた
就職活動を始めたとき、自分はもう「高卒で、まだ何もしたことがない人」ではなくなっていた。
作品があり、作品を見てくれている人がいて、実際に依頼を受けた経験もあった。
履歴書だけでは伝えられない部分を、ポートフォリオと実績で見せられるようになっていた。
学歴だけを見れば、デザイン系の学校を卒業した人より不利だったかもしれない。
しかし、採用する側が最終的に知りたいのは、この人に何が作れるのか、仕事として任せられるのかという部分だと思う。
それを説明する材料が、自分にはすでにあった。
誰かに採用されてからデザイナーになったというより、先にデザイナーとして活動し始めて、その後から就職が追いついてきた感覚に近い。
自分が進んだ順番
自分が高卒・独学からデザイナーになるまでにやったことをまとめると、次のようになる。
とにかく作品を作る
完成した作品をネットに公開する
反応を見て改善する
継続して投稿し、自分のことを知ってもらう
作品をきっかけに依頼を受ける
依頼で作ったものを実績にする
作品と実績を持った状態で就職する
特別な裏技があったわけではない。
学校に通わない代わりに、作って、公開して、失敗する回数を増やしただけだった。
選ばれるのを待つ前に、選ぶための材料を作る
高卒や独学が、まったく不利にならないとは言わない。
学歴や経歴を見られる場面はある。
それでもデザインには、自分の実力を作品として見せられる強さがある。
学歴は今日すぐに変えられない。
でも、今日見せられる作品は増やせる。
経験がないなら、自分で作品を作る。
実績がないなら、まず人に見せる。
知名度がないなら、継続して発信する。
最初の作品1つで、人生が大きく変わることはほとんどない。
それでも作品を出し続けていると、その中の1つが誰かに見つかることがある。
その反応が次の作品につながり、少しずつ依頼や仕事につながっていく。
デザイナーになりたいなら、誰かにデザイナーにしてもらうのを
