「あなたの会社は、何の事業をしていますか?」―マーケティング近視眼から考える事業定義
「あなたの会社は、何の事業をしていますか?」
そう聞かれたとき、多くの企業は、
「食品をつくっています」
「システムを開発しています」
「部品を製造しています」
と、自社の商品やサービスについて答えるのではないでしょうか。
もちろん、それは間違いではありません。
ただ、経営を考えるうえでは、もう一段深い問いがあります。
「顧客は、なぜその商品を買っているのか?」
商品を売っているのか、価値を提供しているのか
1960年、セオドア・レビットは「マーケティング近視眼(Marketing Myopia)」という論文を発表しました。
その中で指摘されたのは、企業が自社の商品や技術にとらわれ、顧客が本当に求めている価値を見失ってしまう危険性です。
有名なのが鉄道会社の例です。
自らを「鉄道会社」と定義すれば、鉄道という手段を守ることが中心になります。
しかし、
「人や物を移動させる事業」
と考えれば、自動車や航空、物流など、もっと広い市場が見えてきます。
つまり、
何をつくっているかではなく、顧客に何を提供しているか。
ここに「事業定義」の大きな違いがあります。
事業定義が変わると、経営全体が変わる
この話は、マーケティングだけの問題ではありません。
自社が「誰に、どんな価値を提供する会社なのか」が変われば、
ターゲットも変わります。
商品も変わります。
競合も変わります。
さらに、必要な人材、組織、DX、ブランドのあり方まで変わってきます。
反対に、事業定義が曖昧なまま、
「SNSを始めよう」
「ホームページを変えよう」
「営業を強化しよう」
と個別施策だけを増やしても、経営全体がつながらないことがあります。
これは、中小企業の経営支援を考えるうえでも非常に重要な論点だと考えています。
「うちは○○屋だから」が危ない
長く事業を続けている企業ほど、
「昔からこの商売だから」
「この業界ではこうするものだから」
「うちは○○屋だから」
という前提が強くなります。
しかし、市場や顧客は変わります。
事業を守ることと、今の商品を守ることは、同じではありません。
むしろ、
本当に守るべきなのは、顧客に提供している価値なのではないか。
レビットの「マーケティング近視眼」は、60年以上前の論文ですが、今の中小企業経営にもそのまま通じるテーマだと思います。
事業定義から、ターゲット・人事・DX・ブランドまで考える
今回、吉祥寺ブランディング公式サイトの「経営課題コラム」で、
「セオドア・レビット『マーケティング近視眼』に学ぶ|事業定義とターゲット設定の本質」
という記事を公開しました。
記事では、
製品ではなく顧客価値から事業を定義する考え方
事業定義とターゲット設定の関係
事業定義が変わると競合が変わる理由
マーケティング、人事、DX、ブランドがどうつながるのか
自社の事業定義を確認する5つの質問
まで、経営全体の構造として整理しています。
「自社は、本当は何の事業をしているのか?」
一度問い直してみたい経営者の方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
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