山陽道をゆくchapter1-19 倉敷・直島(19)
『なんだ、これ?・・・ただの国旗ではない❣️』
→chapter1-18 倉敷・直島(18)
「世界は繋がっています⁉️」とFさんはいきなり言った。
「ある物で?」
「ある物で繋がっています」とFさんは2回強調した。
『世界は繋がっている❗️』この万国旗もそれぞれがtube管のような物で繋がっているように見えなくもない。

アリの通り道
ザ ワールド・フラッグ・アンド・ファーム1990
「これは柳幸典さんの作品です」とFさんはannounce披露した。Fさんは先に制作者名を出した。あのウルトラマン[バンザイ コーナー96]の制作者でもある。
『これがHintです』とはFさんは言わなかった。
しかし、柳幸典の作品となるとかなり奇抜、独創性に満ちたものだろうと想像できる。
「このtubeチューブですか⁉️」小さい声が後の方から聞こえた。
「そうです。ではこのtubeチューブには何が通るでしょうか⁉️」とFさんはここで問題を出した。
『色の着いた水、それともNeon? 光・気体・・』僕は答えを想像した。やはり【100年生きて死ね】からの発想が抜けない。
沈黙が続いた。
「ある動物です」FさんはHintを出した。
動物・こんな細い管を通り抜けられもの?
「アリ🐜?で・す・か」
まさかとは思ったが、僕はダメ元でこうつぶやいた。
「そうです。柳さんはobjet(砂絵で描かれた国旗)のplasticの箱の中にアリの通り道を作り 、アリ🐜を捕まえて来て中に入れました」と言い、一呼吸置いて、
「アリたちは自由に動き廻り砂を運ぶことで国旗の模様を徐々に崩していくように設計されています」と付け加えた。
凡人には想像もつかない発想だ‼️
驚きを隠せない。
そもそも国境や国家は人間が作り出したもので自然界には存在しない❣️
柳幸典
1959年福岡県生まれ。1992年「直島コンテンポラリー・アート・ミュージアム(当時)」の個展開催以来、瀬戸内海・直島との関係も深く、1995年に「犬島プロジェクト(当時)」を構想。2008年犬島精錬所美術館では建築家とのコラボレーションにより恒久作品を設置。1993年第45回ベニス・ビエンナーレ、アペルト部門受賞。テート・ギャラリーやニューヨーク近代美術館など多くの美術館に作品が収蔵される。代表作の「The World Flag Ant Farm」は1992年にベネッセハウスミュージアム(当時:直島コンテンポラリー・アート・ミュージアム)に収蔵されている。
「ヒーロー乾電池」 (2008年)
ABOUT
YANAGI + ART BASEは、柳幸典が1995年に瀬戸内海の離島犬島の産業遺構をアートで再生する「犬島プロジェクト」を着想し「犬島精錬所美術館」を具現化した2008年以降に、柳の構想やアイデアを具現化するために新たに立ち上がったチームである。国内外の美術館の構想や設計、産業遺構や遊休施設のアートによる再生など、建築家やデザイナー、職人らが協働し、アートを通じて社会に貢献できるプロジェクトを展開している。
また、尾道市の離島百島の廃校をリノベーションしたART BASE MOMOSHIMA を拠点に、地域の空き家や廃墟の再生による地域資源の発掘、展覧会やイベントの企画など、柳によるメッセージをアートを通して発信し、地域社会のアートによる再生の可能性を追求している。
「この作品名はザ ワールド フラッグ アンド ファームと言います」とFさんは最後に作品名を証した。
ファームは[耕す・農場]という意味だ。いったい何を耕すのだろう❣️

安田保
次に長方形の建物の一番奥のglass越しに見える白いobjetに注目した。
「これは安田保さんの天の秘密、天秘という作品です」とFさんは説明した。
[彫刻も1個の生き物]と語る安田保の作品の魅力は、白く柔らかな曲線美が作り出す大理石のフォルムにあります。 [石そのものを見せるのではなく、その上に空間を感じさせ、天に繋がるものにする]というコンセプトの本作は作品に座って天を仰げば、直ぐに空と繋がった空間そのものを意識させられます。 まるで空から降りて来る[天の秘密]を感じることができるかのようであり、コンクリートの高い壁に囲まれた硬質な空間と自然、作品が見事に調和しています。
『壺中、天あり』と言う言葉を思い出した。
壺を上から見ると小さい口にしか過ぎないが、壺の中から天を仰ぐと限りなく広いという例え、見方(発想)をひとつ変えるだけでそこには限りなく広い世界がある、chanceは必ず巡って来る。
元は中国の古事、壺の中の理想郷、日常を越えた特別の空間や時間を描写する表現。

Secret of the Sky
「これで当館の案内を終わります。拙い説明でしたが、何かご質問があればお伺いします」とFさんは言った。
『アリ🐜は今でも居るのだろうか⁉️』 僕は素朴な疑問を感じた。
アリ🐜は列を成す。だが、tube菅を見る限り全く気配がない❗️
僕は思い切ってFさんにこの質問をぶつけた。
「アリ🐜を見たことがあります」と答えるに留めた。
『それはいつ頃の話ですか?』と喉まで出かかったが、それ以上の追求はしなかった。
なぜボロボロなのかというと、この国旗は砂で出来ていて、この中にアリを入れて巣をつくらせたからです。
国旗と国旗がチューブで結ばれており、ここを通ってアリが自由に移動していました。
世界各国をまわったこの作品は、現地のアリを大量に捕まえて作品の中に入れ、他の国に移動する前に全てのアリを逃して…を繰り返したそう。
現在この中にはアリはいませんが、アリがいたときの映像を見ることはできます。
全てのアリ🐜を逃すなどはいかにも柳幸典さんらしい❣️
このepisodeを知ったのは、今日である。
chapter1-20 倉敷 直島(20)→To be continue
postscript追伸
「みなさま、お食事はこの階の日本食レストランで召し上がっていただきます」とMさんが案内した。
あの[ザ ワールド フラッグ アンド ファーム]の展示場横の数段の小さな階段を上がると見晴らしの良い場所にレストランがあった。
まだ少し早いようで閉まっていた。
「一旦ここで失礼します。また昼から家projectに案内をさせていただくことになっております。」とFさんがあいさつした。
「ありがとうございました」とみんな頭を下げた。
「それから当館のfrontフロントの壁に[柳幸典のOne dollarワン・ダラー]が展示してあります。当館を出られる時にご覧ください」と言ってFさんは一礼をした。
*このBenesse house museumの作品を詳しく知りたい方は[ベネッセハウスミュージアムの完全ガイド」のomochi-art.com(アートをめぐるおもち)をお勧めしたい。
