保険について考える
こんにちは、せきんちです。
みなさんは、自分が加入している保険について、最後に見直したのはいつでしょうか。
生命保険。
医療保険。
がん保険。
さまざまな保険がありますが、一度加入すると、そのまま何年も継続している人も多いのではないでしょうか。
もちろん、長く加入していることが悪いわけではありません。
でも、私たちの暮らしは少しずつ変わっていきます。
結婚した。
子どもが生まれた。
子どもが独立した。
転職した。
会社員を辞めた。
住宅を購入した。
貯蓄や資産が増えた。
そして、自分自身も歳を重ねていきます。
人生が変われば、必要な保障も変わります。
今回は終活の一つとして、保険との付き合い方について考えてみたいと思います。
自分の体験談も後半入っているので、長文記事となります。
若い頃と今では、必要な保障が違う
たとえば、若くて独身だった頃。
自分に万が一のことがあっても、生活を支えなければならない家族がいなければ、大きな死亡保障を必要としない人もいるでしょう。
ところが、結婚して子どもが生まれ、自分が家計を支える立場になったらどうでしょう。
もし自分に何かあったとき、残された家族の生活費や子どもの教育費なども考えなければなりません。
この時期には、若い頃より手厚い保障が必要になることもあります。
でも、さらに年月が経って、
子どもが成人した。
住宅ローンを完済した。
ある程度の資産ができた。
そんなときにも、子育て中と同じ保障が必要でしょうか。
もちろん、答えは人それぞれです。
だからこそ覚えておきたいのは、
「昔必要だった保障が、今も必要とは限らない」
ということです。
民間保険だけで考えない
保険を考えるときには、民間の保険だけではなく、自分が利用できる公的な保障と一緒に考えることも大切です。
たとえば会社員などが加入する健康保険には、医療費の自己負担を抑える仕組みがあります。
医療費が高額になったときには高額療養費制度があり、病気やケガで仕事を休んだ場合に利用できる制度もあります。
つまり、
「何かあったときに必要なお金を、すべて民間保険で用意しなければならない」
というわけではありません。
公的な保障がどこまであるのか。
自分の貯蓄や資産でどこまで対応できるのか。
それでも不足する部分はどこなのか。
その不足分を民間保険で補う。
そんなふうに考えてみると、自分に必要な保障が少し見えやすくなります。
働き方が変わったときも見直す
そして、もう一つ見直すきっかけになるのが働き方の変化です。
転職した。
会社を辞めた。
独立した。
フリーランスになった。
定年を迎えた。
働き方が変われば、加入する社会保険や受けられる保障が変わることがあります。
今は、一つの会社で定年まで働くことだけが当たり前の時代でもありません。
転職だけではなく、早期退職や希望退職などによって、予定していたより早く会社員ではなくなる可能性もあります。
だからこそ、仕事が大きく変わったときには、
「今までと同じ保障で大丈夫かな?」
と、一度確認してみることも大切だと思います。
「いつか入ろう」と思っているなら
もう一つ、私自身の経験からも伝えたいことがあります。
保険は、
「必要になったら、そのとき入ればいい」
とは限りません。
一般的に、年齢が上がることで保険料が高くなることがあります。
そして、それ以上に大きいのが健康状態です。
病気の治療を始めたり、健康状態に問題が出たりすると、商品によっては加入できなかったり、保障内容に条件が付いたりする場合があります。
だからといって、
「若いうちに何でも入っておきましょう!」
という話ではありません。
保険への加入は必須ではありませんし、必要のない保障に保険料を払い続ける必要もありません。
ただ、
「いつかこの保障は必要だと思っている」
のであれば、健康なうちに一度検討してみる。
これも大切なことだと思います。
保険そのものも変わっていく
私たちが歳を重ねる間に、医療も社会も変わります。
そして保険商品も変わっていきます。
昔加入したときには自分に合っていた保障でも、現在の医療事情や暮らしには合わなくなっていることがあります。
反対に、昔加入した契約だからこそ、今では得られない条件になっている場合もあります。
ですから、
保険を見直す=新しい保険に乗り換える
ではありません。
今の保険を確認して、
「これは残しておこう」
という結論になることだってあります。
見直す目的は、新しい商品を探すことではなく、
「今の自分に合っているかを確認すること」
なのだと思います。
保険に入らないという選択肢もある
そして、ここも忘れたくありません。
保険は必ず加入しなければならないものではありません。
家族構成。
仕事。
収入。
貯蓄や資産。
住宅ローンなどの負債。
そして、公的な保障。
置かれている状況によって、必要な保障は人それぞれ違います。
十分な資産があり、突然の医療費などにも自分のお金で対応できるのであれば、民間保険を最低限にするという考え方もあります。
逆に、まだ十分な貯蓄がなく、自分に何かあったときに家族の生活が大きく変わってしまうのであれば、保険が大きな支えになることもあります。
「みんなが入っているから」
「なんとなく不安だから」
ではなく、
自分は何に備える必要があるのか。
まずは、そこから考えてみてください。
我が家の場合
さて。
ここまでFPっぽい話をしてきましたが、せきんちはこれだけでは終わりません(笑)。
我が家にも、保険にまつわるさまざまな出来事がありました。
むしろ私が、
「保険は一度入ったら終わりではない」
と思うようになったのは、自分や家族の経験があったからです。
父が亡くなったとき
私の父が亡くなったのは、私が22歳のときでした。
父はそれまで生命保険に加入していました。
ところが、私が成人したこともあり、死亡保障の必要性が小さくなったと考えたのでしょう。
保険を解約しました。
そのわずか数か月後。
父は亡くなりました。
もちろん、そんなことになるとは誰も思っていません。
それまで長い間、高い保険料を払ってきた保険も、解約してしまえば死亡保障を受けることはできません。
父が亡くなったときに受け取れた一時的な給付も、ごく限られたものでした。
当時22歳だった私は、これがあまりにも衝撃でした。
「今まであんなに払ってきたのに」
社会そのものに腹を立てた時期さえあります。
年金や社会保険料を払うことにも納得できなくなり、滞納したこともありました。
社会を恨んだ20代です(笑)。
それでも、父が亡くなったあとには母の生活があります。
そこで年金について自分で調べ始めました。
当時問題になっていた、いわゆる「消えた年金」の記録なども確認しながら父の加入記録を調べ、最終的には母の遺族年金につなげることができました。
今振り返ると、この経験は、私がお金や社会保障について考えるようになった原点の一つだったのかもしれません。
そして、保険についても考えさせられました。
保険は、今までいくら払ったかではなく、「今、何に備える必要があるのか」を考えるもの。
父の経験から、それを強く感じています。
義父の認知症で、また保険と向き合う
それから年月が経ち、今度は義両親の保険と向き合うことになりました。
きっかけは、義父の認知症です。
義父が加入していた保険を確認してみると、保険料の安さなどを理由に選んだ更新型の保険がいくつもありました。
加入したときには、それでよかったのだと思います。
ところが、更新の時期を迎えたときには、すでに認知症と診断されていました。
そこで、
「更新できない」
という問題に直面しました。
新しい保険に入り直そうとしても、すでに健康状態が変わっています。
健康だった頃なら、ほかの選択肢もあったかもしれません。
終身なのか。
更新型なのか。
保障は何歳まで続くのか。
もっと早く確認しておけばよかった。
そう思いました。
健康なときには、健康ではなくなった自分を想像するのは難しいものです。
でも皮肉なことに、保険を選べる選択肢が多いのは健康なときでもあります。
「そのうち見直そう」
と思っている間に、状況が変わることもある。
義父の保険から学んだことの一つです。
一方、義母には保険がいっぱい
そして義父の保険を確認したことで、義母の保険も調べることになりました。
すると今度は、逆の問題が出てきました。
保険がいっぱい。
あちらこちらの保険会社の商品に加入していて、保険料を合計すると月5万円を超えていました。
年金生活で月5万円。
これは家計にとって、かなり大きな負担です。
「そりゃ、お金なくなるわ……」
と思ったのを覚えています。
もちろん、保険にたくさん入っていること自体が悪いわけではありません。
必要な保障であれば、それだけの保険料を払う意味もあります。
問題は、
何のために入っている保険なのか、整理されていなかったこと。
そこで、一つずつ保障内容を確認して、今の暮らしに必要なものを考えながら整理していきました。
保険は、
たくさん入れば安心というものではない。
必要なところに、必要な保障があること。
そして、家計とのバランスが取れていること。
それが大切なのだと思います。
人の保険を見直したら、自分の保険も……
義両親の保険を整理して、
「やれやれ、これで安心」
……とはなりませんでした。
人の保険をあれだけ確認したのです。
当然、こうなります。
「ところで、うちは大丈夫?」
夫婦で自分たちの保険証券を引っ張り出しました。
すると、ありました。
我が家にも(笑)。
死亡保障のつもりで加入していた保険が、私が思っていた内容とは違っていたのです。
しかも、契約した会社はすでになくなっていました。
これはまずい。
必要な保障を改めて検討することにしました。
ところが、ここでまた現実を突きつけられます。
私はもう50代です。
若い頃とは違います。
年齢だけではなく、健康上の理由もあり、希望する保険に何でも加入できるわけではありませんでした。
何社か検討して、ようやく加入できる保険が見つかったときには、
「もう一生離さないわ~!」
と思いました(笑)。
自分自身の経験からも、
保険は必要になってから考えればいいとは限らない。
そう実感しました。
保険を見直すということ
こうして振り返ってみると、我が家だけでも何度も保険と向き合うタイミングがありました。
父が亡くなったとき。
義父が認知症になったとき。
義両親が年金生活になったとき。
そして、自分自身が50代になったとき。
人生の節目が来るたびに、必要な保障は変わっていました。
だから私が伝えたい「保険を見直す」は、
新しい保険に入りましょう、という意味ではありません。
増やすこともある。
減らすこともある。
解約することもある。
今のままでいいと確認できることもある。
そして、民間保険ではなく自分の資産で備えるという選択もあります。
大切なのは、
人生が変わったときに、保険も一度確認してみること。
せっかく保険料を払うのであれば、その保障が「今の自分」に合ったものであってほしいと思います。
せきんちチェックリスト
では最後に、自分の保険について確認してみましょう。
□ 現在加入している保険をすべて把握していますか?
□ 毎月・毎年いくら保険料を払っているか分かりますか?
□ それぞれ何のために加入した保険か説明できますか?
□ 結婚・出産・子どもの独立など、加入時から家族構成が変わっていませんか?
□ 転職・退職・独立など、働き方が変わっていませんか?
□ 今、自分が利用できる公的保障を知っていますか?
□ 今の貯蓄や資産で、もしものときにどこまで対応できますか?
□ 死亡保障は、現在の家族構成に合った金額ですか?
□ 医療保障は、現在の自分に合っていますか?
□ 保障がいつまで続く契約なのか把握していますか?
□ 更新型・終身型など、契約内容を理解していますか?
□ 保険金の受取人は現在の家族関係に合っていますか?
□ 家族は、自分がどんな保険に加入しているか知っていますか?
□ 保険証券や契約情報の保管場所を家族が分かっていますか?
一つでも、
「そういえば……」
と思ったものがあれば、それが保険と向き合うきっかけになるかもしれません。
保険は、自分自身へのお守り
保険にたくさん入っているから安心。
保険に入っていないから危険。
私は、そんな単純なものではないと思っています。
必要な保障は、人によって違います。
そして同じ人でも、20代、30代、40代、50代、60代と、人生のステージによって変わっていきます。
保険は、未来に起きるすべてのことを解決してくれるものではありません。
でも、自分や家族に何かあったときの負担を少し軽くしてくれる、自分自身へのお守りにはなります。
だから、一度加入したらそれっきりにしない。
結婚したとき。
子どもが生まれたとき。
子どもが独立したとき。
仕事が変わったとき。
定年を迎えたとき。
そして、自分や家族の健康が変わる前にも。
ときどき立ち止まって、
「この保険は、今の私に必要かな?」
と考えてみる。
保険を増やすことだけが備えではありません。
今の自分に必要なものを知り、必要のないものを整理することも立派な備えです。
それもまた、未来の自分や家族のためにできる終活の一つではないでしょうか。
あなたの未来に、後悔のない選択を。
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