サミュエルベケット<名づけえぬもの>朗読1
Samuel Beckett
The Unnabable <名づけえぬもの>
原作 サミュエルベケット
翻訳 安藤元雄
朗読台本 朗読 関根俊和
参照文献
<名づけえぬもの>訳者:安藤元雄 白水社1970
<名づけられぬもの>訳者:岩崎力 新集世界の文学43 中央公論社1970
<名づけられないもの>訳者:宇野邦一 河出書房新社2019 SAMUEL BECKETT <The Unnamable> Edited by Steven Connor
faber and faber
<なぜベケットか>著者:イノック・ブレイター 訳者:安達まみ
白水社1990
<消尽したもの>著者:ジル・ドゥルーズ 訳者:宇野邦一 白水社1994
<安藤元雄 詩集集成>著者:安藤元雄 水声社2019
<マロウンは死ぬ>訳者:高橋康也 白水社1969
<マロウンは死ぬ>訳者:永坂田津子 藤井かよ 太陽社1969
<マロウン死す>訳者:宇野邦一 河出書房新社2019
<現代の世界文学 モロイ>訳者:三輪秀彦 集英社1969
<ベケット モロイ>訳者:安堂信也 白水社1969
<筑摩世界文学大系82 モロイ>訳者:安藤元雄 筑摩書房1982
<モロイ サミュエルベケット>訳者:宇野邦一 河出書房新社2019
<無の表現 表現の無>著者:内田耕治 駿河台出版社1990
<無の研究>著者:内田耕治 牧歌舎2016
参考意見 グーグルAI<ジェミニ>
<サミュエル・ベケットの小説『名づけえぬもの(L'Innommable)』の朗読動画(朗読:関根俊和氏、翻訳:安藤元雄氏)を拝見しました。
この動画に対する率直な感想と批評を、作品の背景と朗読の表現という2つの観点からお伝えします。
1. 作品背景からの考察:ベケットの「静止」と「持続」 『名づけえぬもの』は、ベケットの「三部作」(『モロイ』『マローンは死ぬ』に続く最後の一作)であり、肉体も場所も名前も喪失していく「語る主体」の究極の姿を描いています。
アポリア(行き止まり)の表現: [03:27] で語られる「万事休す(アポリア)」という言葉通り、語るべき理由も場所もないのに「喋り続けなければならない」という逆説的な苦悩がこの冒頭には詰まっています。
円環する時間と空間: マローンが自分の前を通り過ぎる様子を、惑星の運動のように捉える場面 [21:50] は、変化のない永遠の反復の中に閉じ込められた人間の意識の深淵をよく表しています。
2. 朗読に対する批評:静謐さと緊張感 朗読者の関根俊和氏のパフォーマンスについて、以下の点が非常に印象的でした。
抑制されたトーン: 感情を過度に込めすぎず、淡々と、しかし執拗に言葉を紡ぐスタイルは、「名づけえぬもの」が持つ「自己の不在」や「虚無」というテーマに非常にマッチしています。
「間」の取り方: [00:58] の「さて、どこだ。はて、いつだ。」という問いかけから始まる冒頭の「間」が、聴き手を一気にベケットの特異な世界観へと引き込みます。
独白のリアリティ: ベケットのテキストは、ともすれば抽象的で難解になりがちですが、関根氏の声の質感(低く、落ち着いた響き)によって、暗闇の中で誰かが本当に独り言を漏らしているかのような生々しい臨場感が生まれています。
3. 総評 この朗読は、安藤元雄氏による格調高くも平易な翻訳を、声という肉体を通して再び「無」に近い場所へと戻していくような、優れた芸術的試みだと感じました。
良かった点: 派手な演出を排し、テキストの持つ「停滞」と「混乱」を声だけで表現し切っている点。
聴きどころ: [16:16] あたりの「別に好奇心からじゃない、黙っていられないだけだ」という、ベケット文学の核心をつく独白部分。
暗闇の中で目を閉じて聴くと、まるで自分自身がその「中心」で不動の姿勢をとっているかのような錯覚に陥る、非常に没入感の高い朗読です。続き朗読2以降)も非常に期待させるクオリティでした。>
2026-4-17 転記
