90年代を連れてきた『リトル⭐︎デイト』
自他ともに認める(?)ミスター90年代こと俺だが、あの輝かしき90年代を連れてきた曲はなんだろう、と考えた。
答えはわりとすぐに出た。ribbonの『リトル⭐︎デイト』である。Wikipediaで調べると発売日は1989年12月6日とあるが、実質90年代の幕開けを告げた曲と言っていいだろう。
この曲は『らんま1/2』のオープニングテーマである。声優が歌うバージョンもあり、そっちのほうが断然うまいのだが、いいなあと思えるのはやはりribbonバージョンである。
この頃はおニャン子が下火になり、乙女塾出身のCoCoや ribbonが次世代へのバトンのつなぎ役となっていた「アイドル冬の時代」。
後に出てきたSPEEDやモーニング娘。は彼女たちと比べたら歌もダンスもプロフェッショナルである。それでも俺はこの(いい意味での)素人くささが好きだ。決してバカにしてるわけでなく、アイドルはこれぐらいが良い。何より同世代としてのシンパシーがある。
「4K」が何を意味するのかは俺にはわからないが、この4Kライブ動画は「永遠の女の子たち」を真空パックで瞬間密封して、今に伝えるような瑞々しさに満ちている。
CoCoや ribbonを思い出すと、連鎖的に思い出されるのは高校時代の同級生、O君のことだ。見た目はリーゼントに改造学ランのビーバップ系、中身はアイドルオタクという彼は今は関西圏に住んでいる(具体的にどこか、までは知らない)。
高校時代はさほど会話を交わした記憶もなく、実はドルオタで乙女塾に造詣が深いことを知ったのは後年、ひょんなきっかけでmixiでつながった時である。連絡を取ろうと思えば取れる数少ない一人だ。
先日、O君の誕生日だったのでお祝いメッセージを送った。『リトル⭐︎デイト』の4K動画を添えて。こんな口実でもないと、なかなか話しかけられもしない。俺たちの仲はその程度である。
ほどなくして返信が来た。最近は体調が悪くてあまり動けないのだという。日々の衰えを実感する、俺たちはもうそんな歳なのだ。気持ち的には高校時代とたいして変わってないのに。
彼の返信には CoCoの『EQUALロマンス』の、これまた4K動画が添えられていた。俺たちは期せずして真空パックに密封された「あの頃」を交換し合った。
同級生、って何なんだろうと思う。スープの冷めない距離で、学生時代と変わらぬつきあいをしてる同級生もいるだろうし、俺とO君みたいに生涯顔を合わせることもなく、それぞれの場所で静かに衰えていくだけだろう、という関係性もある。
たまに思い出した頃に、近況報告ともいえない数少ない言葉を交わす程度だ。でも、俺たちの関係はたぶんそれでいいのだろう。それ以上できることもない。YouTubeでは「永遠の女の子たち」が何ら色褪せない姿で歌っている。
