最短で上達する練習方法
ある、吹奏楽部にお邪魔した時…
サックスを吹いている生徒がメトロノームと格闘しながら一生懸命練習している。
🎵〜!?×××!
🎵〜!?×××!
🎵〜!?×××!
吹き初めてすぐ間違える。
それをなん度も繰り返す。
私はそっと尋ねた。
『間違える練習をしているの?』
【脳や神経は、ただ「繰り返されたこと」を全力で強化するだけ】
私たちが楽器を演奏したり、身体を動かしたりするとき、脳や神経の中では以下のような物理的な変化が起きています。文字通り「練習した通りの回路」が身体に刻み込まれていきます。
【ニューロン(神経細胞)のネットワーク】
脳や神経系を構成する基本単位がニューロンです。
新しい動きや練習を始めると、ニューロン同士が電気信号や化学物質を使って新しいコミュニケーション(情報伝達)を始めます。
【シナプス(情報伝達の接合部)の強化】
ニューロンとニューロンのつなぎ目を「シナプス」と呼びます。正しいやり方で丁寧に意識を向けながら練習を繰り返すと、このシナプスの結びつきがどんどん強くなり、情報の通り道が太くなっていきます(これを可塑性と呼びます)。逆に、間違ったやり方や力んだ状態で何度も反復すると、「間違った回路」のシナプスが強化されてしまうため、文字通り「間違えた結果」が定着してしまいます。
同じ神経回路を何度も正確に使って練習を重ねると、ニューロンの軸索(信号が通る電線のような部分)の周りに「ミエリン鞘(髄鞘)」という白い脂肪質の膜が巻きついていきます。
これは電気信号の絶縁体のような役割を果たし、(絶縁体によって電気が外に漏れ出さなくなるため、電気のエネルギーが弱まらずに遠くまで届きます。)信号の伝達速度を何倍も速く、かつ正確にします。
ミエリンが厚く巻かれた回路は、いわば「脳内の高速道路」になり、無意識でもスイスイとスムーズにその動きができるようになります。
【やればやるほど熟達する。どんな動きでも】
神経はどんな動きだって覚えて習得してくれる。
やればやるほど、その動きを作る神経は成長し、そしてその動きが熟達する。
脳や神経は、それが「正しいか間違っているか」を判断してくれません。
ただ「繰り返されたこと」を全力で強化するだけなのです。
正しいやり方で何度も繰り返すと
正しい結果を得られるけど、
間違えるやり方を何度も繰り返すと、
間違えた結果を習得できるのだ。
【練習でつまづく時、試したいこと】
①うまくいかない練習を繰り返すのをやめる。
→一度でもつまづいたら一旦吹くのをやめる。
②ソルフェージュを確認する
→本当に楽譜を読めているか?歌って確認する。
③運指を確認する
→実際に自分の目で指を見ながら動かしてみる。
④ ①〜③をすべてゆっくりのテンポで練習する
⑤フレーズの後ろから練習する
→フレーズの到達点から、前に前に音を足していって練習する。
⑥楽譜通りテンポを上げながら練習する。
→一度でもつまづいたら①に戻る。
