映画ちいかわ 人魚の島のひみつ レビュー
昨日ようやく映画ちいかわを観てくる事が叶いまして。それについての感想を書いていこうと思います。

原作は読んでました
人魚島編って何年ぐらい前でしたっけね?感覚としては2年ほど前、半年以上はやっていた記憶でした。実際に調べてみたところ、
お話のスタートが2023年3月14日
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) March 14, 2023
お話の終わりが同年11月26日
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) November 26, 2023
という事で、今から3年前の連載になるんですね・・・時が経つのは早い。しかし、8ヶ月以上もこんな連載をしていたのか・・・ちいかわのシリーズでも私は悪夢編と草むしり検定合格編の次にこの人魚島編が記憶に残っていますね。
といっても、3年以上前に読んでいたシナリオだったので、何となくの流れは覚えていても細かな部分までは覚えていませんでした。予習もしていかなかったので、原作読破勢とはいえ、新鮮に近い形で作品に向き合えたと思います。観ていきながら「ああそうそう、こんな話だったね。」と思い出すぐらい。
SNS発祥のショート漫画が120分映画になる時代
まず作品の批評をする前に、この事実が凄いことだなと思います。勿論連載期間が長かったシナリオですから、お話のボリュームとしては確かに120分になり得るわけですけど、本当に時代を感じます。
他作品もありますけど、この規模でこの劇場公開数でやれるのって、今までもこれからもちいかわだけなんじゃないかなぁ・・・。
それだけちいかわの特異性というかが際立ちますよね。儲かってなけりゃこんな企画通らないでしょうし、儲かっていてしっかり拝金主義なのにそれほど嫌われていないって結構凄いと思います。(アンチが皆無とはいいません。今後はいちいち言及しません。)これはひとえにナガノ先生のお人柄と、ナガノのくまの本というコミックエッセイ的な作品での庶民感溢れる感じがそうさせているのかなと(笑)買ったほうが早インパラ。すき。
早インパラとはこのことです。 pic.twitter.com/GBAASuBhd9
— ナガノ (@ngntrtr) December 27, 2020
冒頭30分のつかみは「ちいさくてかわいい」
冒頭30分ぐらい、島に行くまでと、行ってからお祭り騒ぎをしていたぐらいまではとにかくちいさくてかわいいちいかわワールドが全開でした。
これはこれでやっぱりちいかわの良いところで、キャッチーでキャラクター各々が個性的で可愛らしいアイコニックさを持っている。夜に観に行ったのもあってか、若干眠気と戦うところはありましたけど、とはいえ脳内で「かわいい・・・」「あぁかわいい」といちいちツッコんでおりました。
ちなみに私の推しはシーサーちゃんでーす。(うれシーサー)主要メンバーではうさぎ。(ハァ?)
明確に流れが変わったのは、モモンガが立入禁止の札を倒してしまった事に気づかずに、そのまま洞窟へと入っていってしまう、うさぎとハチワレ(に半ば強要される形で)そしてちいかわ。
本領発揮しはじめるナガノワールド
ちいかわの魅力は、前段で話したちいさくてかわいい生き物たちの生態を覗き見ること。そしてもう一つは、ナガノワールドを覗き見ることです。ナガノ先生の闇は深淵といっても過言ではない。
ちいさくてかわいい生き物が、平気で食物連鎖だったり弱肉強食の世界観で暮らしているんですよね。
本作でもセイレーンと人魚2匹が、いなくなった人魚の仇討ちとして犯人を探しながら島民を次から次へと食べてしまうという暴力的なお話でした。
ここがナガノ先生の凄みで、一般的な子供向けのアニメ(或いは原作漫画)であれば、食べるという直接的な部分への言及や描写は避けると思うんですよね。襲う、ぐらいで済ませる。これを食べるまで行くのがナガノ先生でありナガノワールドなんです。
【※ネタバレ必至ラストシーンへの言及】ちいかわが一葉と二葉ちゃんを見逃したのは優しさか?
ラストシーンで、ちいかわは一葉と二葉の様子がおかしい事に気が付きます。恐らく人魚を食べてしまったのはこの二人だ。そこまで目星が付いていました。更に、二葉の容態が急変したのを受けて皆で介抱するシーンでも、ちいかわは決定的なところを見てしまうわけです。この秘密には、ハチワレたちはおろか、島民の誰も気がついていない事です。
ちいかわがこれを島民に言わないのは当然の事でしょう。そんな事をしたら、今まで食べられてしまった島民の家族や友人・知人から二人がどんな仕打ちをされるかは想像に難くありません。
ハチワレ達に言わなかったのも、私は個人的には評価できる部分でした。ハチワレちゃんは悪い子ではないのですが、ちょっと口が軽いところがあったりとか、巡り巡ってモモンガの耳にでも入ろうものなら全部バラしちゃいますからね(笑)
そして本人たち2人に対して、仮にハチワレとうさぎが来なくても追及できたかというと、微妙な気はしますよね。その辺りも含めてちいかわらしいというか、ある意味で優しさでもあるし、ある意味では弱気というか意気地なしというか・・・。でもそれがちいかわらしさだとも思うのです。結果的に二人にはちいかわの真意が伝わっているあたりもね、実に。
最後の最後・・・
一葉ちゃんと二葉ちゃんは、島民たちに迷惑をかけてしまった罪滅ぼしか、或いはセイレーンたちから逃げる為か安息の地を求めて新しい島探しに出ます。
無事に暮らしていけそうな無人島へたどり着くのですが・・・最後にセイレーンと人魚二匹がその島に近づいていくところで、映画は幕を閉じます。
言わずもがな、といったところですよね。ここをしっかりと描けるのがナガノ先生なんですよ。何となくの匂わせで終わらせるのではなく「あとは分かるよね?」と受け手側に余白の隙を与えない。
ただ一葉ちゃんは一葉ちゃんなりに、二葉ちゃんに死んでほしくないから取った行動なわけです。人魚狩りはね。更に付け加えれば仇討ちですからね。それが復讐の連鎖となってセイレーンたちにあのような行動を取らせてしまったと。
そして捕まった二匹はきっと、ちょうどいい檻に入れられて永遠の生命を感じさせられるわけです・・・考えただけで恐ろしい。
セイレーンの仕打ちで幽白の蔵馬を思い出したのは私だけではないはず(笑)

総じて
観終わった後にレビューなんかを拝見しに行くと、原作に忠実に作られることの素晴らしさやゲスト声優(時の人やアイドル)を起用しない事を好意的に捉えている方が多い印象でした。
ただ私としてはナガノ先生の作詞能力、アレこそがこの映画の真骨頂なんじゃねえかなと、そう思う次第です。すげえよあの人・・・こええよあの原作者。
