ケアプランを書かないAIが、ケアマネを変える:老健事業が描く「第2表支援」と介護情報基盤への次の一手
「2028年、介護情報基盤が全国展開される年に間に合わせる:老健事業AIが解こうとしている8万人問題」
厚生労働省が老健事業を通じて進めているケアプランAI研究は、「文章を自動生成する道具」ではありません。ケアマネジャーの頭の中にある判断プロセスを分解し、データに変え、全国の現場に届けようとする、静かで大きな構想です。NECとAnthropicの戦略的提携、2028年を目標とする介護情報基盤の全国展開。それらが交差するとき、ケアマネジャーの仕事はどう変わるのか。生産性と質の両方に何が起きるのか。25年以上この業界を歩いてきた視点から、丁寧に辿ります。

厚労省が研究しているのは「ケアプランを書くAI」ではない
今年度(令和7年度)の老健事業報告書を読むと、最初に気づくことがあります。AIの役割が、思っていたより地味だということです。
第1表から第7表まで、ケアプラン全体を自動作成する。そういう構想ではありません。中心にあるのは、ケアプランの「第2表」、つまりニーズ、長期目標、短期目標、サービス内容を左から右へと作っていく、あの一覧です。そこだけを対象に、AIが段階的な選択肢を提示する。それが試作システムの設計思想です。
なぜ第2表だけなのか。
そこがケアマネジメントの芯だからです。
ケアマネジャーが最も時間をかけ、最も悩み、最も個人差が出る部分です。利用者の状態を見て「この人の本当の困りごとは何か」「長期目標と短期目標がつながっているか」「医療リスクを見落としていないか」を考える、あの静かで複雑な作業。そこを支援するのが今回のAIです。
文章を書くAIではなく、判断を補助するAI。
この違いは小さいようで、現場では決定的に違います。
今回概要まとめ図
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