大阪779、和歌山市62、空白678市町村:福祉用具貸与7,041事業所の地図が暴く、在宅介護は誰が支えているのか?
介護なのに、ほぼ物流業:福祉用具貸与96.5%が株式会社という事実から始まる話
今回のNOTEは、厚生労働省の介護サービス情報公表システム(2025年12月末時点)に並ぶ福祉用具貸与7,041事業所を、読み直します。在宅介護の土台を担いながら、店舗業よりも物流業に近い。医療職よりも営業職が支えている。そんな業界の輪郭を、地図と数字と現場の声を重ねて辿ります。読み終えたとき、自分の住む街が「拠点のある町」なのか「外から運ばれてくる町」なのかが、少し違って見えるはずです。

福祉用具貸与は、単独店の商売ではない。
ケアマネが必要性を見つけ、訪問介護・訪問看護が生活の変化を拾い、
福祉用具事業所が提案し、背後のレンタル卸が商品を回す。
だからこの市場は、単なる、事業所数だけでは見えない。
それは介護サービスと物流産業が重なり合う、在宅介護の裏インフラであると言える。それでは詳細を掘り下げていきましょう。
7,041事業所、5,260法人:市場は「点」ではなく「霧」でできている
厚生労働省の介護サービス情報公表システムが公開する福祉用具貸与のオープンデータには、2025年12月末時点で全国7,041の事業所が並びます(同一事業所番号の重複1件除外後)。運営している法人数は5,260。ここで一つ、面白い歪みが出ます。
1拠点だけを運営している法人が、4,706。全法人の89.5%です。
複数拠点を持つ法人は554しかありません。
さらに上を見ると、最大手のフランスベッドでも93拠点、ヤマシタ70拠点、フロンティア61拠点、トーカイ57拠点。トップ10法人を合計しても、市場全体の6.1%にしかなりません。
寡占ではない。
けれど、無秩序でもない。地場の中小法人が、それぞれの商圏のケアマネジャーと顔の見える関係を握り、霧のように広がっている。それが福祉用具貸与の地形です。
なぜ寡占にならないのか。理由は単純で、ベッドや車いすは、車で30分以内に届かないと商売にならないからです。倉庫、消毒室、配送車、専門相談員。これを全国に均一展開する資本効率は、けっして高くない。結果として「全国大手の看板」と「地場の即応力」が、パッチワークのように共存することになります。
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