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1,000万人が見過ごされている。「1分の会話」で認知症を拾うAIが、治験を始めた理由:エクサウィザーズグループ”ExaMD”の新たな取り組み

認知症が「見つからない」のは、医師が少ないからではなかった


国内に約1,000万人いるとされる認知症・MCI潜在リスク群に対し、実際に医療機関で行われる検査は年間100万回以下。この「10倍の空白」はなぜ生まれているのか。今回のNOTEは、ExaMDが治験を開始した「認知機能AI診断支援アプリ」のニュースを切り口に、検査が届かない構造的な理由、音声AIが現場にもたらす可能性、そして歩行・口腔AIとのシナジーが生む2040年型のケアインフラの姿を、独自視点で掘り下げます。雨の週末。いかがお過ごしですか?

セオドアアカデミー独自まとめ

どーも、セオドアアカデミーです。

ケアマネジャーの机の上には、だいたい付箋が貼ってあります。「○○さん、最近会話がかみ合わない」「同じ話が増えた」「財布をなくしたと言ってた」。言葉にならない引っかかりを、そうやってひとまず貼っておく。でも、その付箋がどこかへ向かうことは、案外少ない。受診につなごうとしても、家族の温度感が違う。本人は「大丈夫」と言う。かかりつけ医は忙しい。付箋はいつの間にか次の付箋に押しのけられ、引き出しの奥へ消えていく。

今回のリリースを読んで、その付箋のことを思い出しました。


「10倍の空白」という、見えにくい問題

国内に認知症・MCI(軽度認知障害)の潜在リスク群は約1,000万人いると推計されています。ところが、厚生労働省NDBオープンデータをもとにExaMDが推計した実際の検査数は、年間100万回以下です。

単純に割り算をすれば、10人に1人しか検査の入口に立てていない計算になります。

ただしこの数字を「検査を受けていない人が9割いる」と読むのは、少し違う。検査を受けていない人の中には、今すぐ検査が必要ではない人も当然います。問題は「本当は引っかかっているかもしれない人が、検査の場所にたどり着けていない」ことです。

なぜたどり着けないのか。


従来検査が抱えていた「見えないハードル」

長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)やMMSEは、現在も多くの医療機関で使われている標準的な認知機能検査です。精度はある。でも、これを行うには医師や臨床心理士が対面で15〜30分かけて問診する必要があります。

「今日は何日ですか」「100から7を引いてください」。

この問いに答える場面を想像してみてください。自分が「試されている」と感じる。できなかったとき、その事実が怖い。だから行かない。家族に勧められても「まだ大丈夫」と言い張る。これは弱さではなく、ごく自然な心理です。

医療従事者の側にも壁はあります。2024年10月時点で、介護関係職種の有効求人倍率は4.07倍。高齢化の進行とともに医師・看護師・検査技師の需要も増え続ける中、潜在リスク層全員に30分の対面検査を割り当てることは、物理的に成り立たない。

社会保障審議会介護保険部会「介護保険制度の見直しに関する意見」(2025年12月) でも、2040年に向けて85歳以上人口が急増し、認知症・独居高齢者の増加が見込まれる一方、生産年齢人口の減少が進むことが明確に示されています。つまり「もっと頑張れ」で解決できる問題ではない。


ExaMDが立ち向かっているのは、その構造ごとです

エクサウィザーズグループのExaMDが開発中の「認知機能AI診断支援アプリ」が、2025年5月に第1症例目の被験者登録(FPI)を完了しました。この製品はスマートフォン等を通じて取得した「音声」から認知機能を分析するプログラム医療機器(SaMD)です。

今回概要まとめ図

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