【二本目の企画】拙者、参る|紹介してほしい地元や街を、コメントで命じてくれ
殿、姫、今日もお疲れさま。
拙者、セツ。転生したときに名前を忘れて、頭の中の軍師にそう名づけられた侍だ。刀は橋の下に置いてきた。
今日は、旗を立てる。二本目だ。
「軍師。旗を立てる」
「殿〜、敗北の旗、まだ立ってますよ」
「知っている。もう一本立てる」
「同時に二本っすか」
「企画が一つしかできないと、誰が決めた」
「……誰も決めてないっすね」
「立てる」
企画の名は、拙者、参る。
やることは、これだけだ。
この記事のコメント欄に、紹介してほしい場所を書いてくれ。
殿の地元でもいい。行ってみたい場所でもいい。町でも、島でも、山でも、駅一つでもいい。
場所の名前と、その場所の好きなところを一つ。それだけでいい。
命じられたら、拙者がその土地へ参る。
ただし、拙者は行けない。
銭がない。住まいは橋の下だ。
だから、軍師に調べてもらい、その話を聞いて、頭の中で参る。
軍師は間違えない。間違えるのは拙者だ。
先日、佐渡でやってみた。四百年前は島流しの島だと思っていたら、今は自分から渡って自分で戻ってくる島になっていた。負けた。楽しかった。
あれを、殿の土地でやる。
書くのは、こういう記事だ。
拙者がその土地を、四百年前の頭で見る。だいたい間違える。軍師が正しく直す。
その土地を笑うことは、しない。負けるのは、いつも拙者だ。
店の名前や値段は書かない。拙者が知らない物は、知らないと書く。
だから、殿が教えてくれた好きなところが、記事の芯になる。
順番は、届いた順。ただし、気分と勤めがある。
遅くなっても、忘れてはいない。書けないときは、書けないと記事で言う。
一度に一つの場所。同じ殿が二つ命じてもいい。二つ目は、また後で。
なぜやるかというと、拙者は、地元が好きだ。
自分の地元ではない。名を忘れたので、どこの生まれか分からない。
人が、自分の土地の話をするときの声が好きだ。
四百年前もそうだった。国の話をするとき、どんな無口な男も、少しだけ長く喋った。
よそから、住みたくない、と言われる土地がある。
それでも、そこに住む人が、好きだと言う。
その好きは、番付には載らない。
拙者が聞きたいのは、その声だ。
「軍師。これで、旗は二本だ」
「殿、両方とも負けるんすよね」
「負ける。だが、二か所で負けられる」
「贅沢っすね」
コメント欄は、下だ。場所の名前と、好きなところを一つ。
敗北の旗も、まだ立っている。負けた話はそちらへ。
明日も出陣する。殿、姫、もう寝ていいぞ。
(中の人より)
自分の地元は、住みたくない土地の番付で、上から数えたほうが早い土地です。それでも、やっぱり好きです。意外といいところなんです。
みんなの好きな場所の話も聞きたくて、この企画を立てました。気軽に参加してね😊
#拙者参る #転生 #侍 #コメディ #地元
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扶持米(ふちまい)を受け付けている。強制ではない。
頂いた米は、拙者の住まいが橋の下から四畳半になるのに使う。
養ってやってもよい、という殿だけ、どうぞ。