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AIより僕の直感が勝った。そう思ったら、猫はAmazonの箱を選んだ

Amazonのおすすめは、たぶんかなり賢い。

一度猫用品を買うと、こちらが忘れた頃に関連商品を出してくる。フードを見ればフード。おもちゃを見れば、次のおもちゃ。僕の買い物履歴や検索履歴を見て、「この人はこういうものが好きそうだ」と判断しているのだと思います。

たしかに便利です。ときどき、こちらの生活まで読まれているような気がします。少し怖いくらいです。

僕も何度もそのおすすめに乗ってきました。

数年前、Amazonのおすすめに出てきたキャットタワーを買いました。値段もそこそこしました。写真で見る限り、とてもよさそうでした。高さもある。爪とぎもついている。猫がくつろげそうな場所もある。

これはいいかもしれない。

そう思って買いました。

届いたキャットタワーを組み立てて、部屋に置いたとき、僕は少し得意でした。猫たちが喜ぶ姿を想像していました。ここで寝るかもしれない。上から僕を見下ろすかもしれない。爪を研いで、得意げな顔をするかもしれない。

ところが、猫たちはほとんど興味を示しませんでした。

最初だけ少し匂いを嗅いで、あとは素通り。僕が「ほら、ここいいよ」と誘っても、まるで聞こえていない。せっかく置いたキャットタワーは、部屋の中でただ場所を取る家具になりました。

結局、引っ越しを機に人にあげました。

Amazonのおすすめは、僕には刺さった。でも猫には刺さらなかった。

似たようなことは、蹴りぐるみでもありました。

Amazonのおすすめに出てきた猫用の蹴りぐるみ。猫が抱えてキックする、あのぬいぐるみです。商品画像では、猫が夢中で遊ぶ姿が見えてくるようでした。パッケージにも「猫が夢中になる」と書いてありました。

買いました。

でも、猫たちはあまり興味なし。

僕が床に置く。猫が見る。匂いを嗅ぐ。少し触る。終わり。

こちらとしては、もっとこう、後ろ足で高速キックしてくれる予定でした。だいぶ勝手な予定です。

結局、蹴りぐるみは部屋の片隅で静かに存在感を失っていきました。

その一方で、僕が直感で選んだものが当たることがあります。

引っ越し後に買ったキャットタワーは、僕が自分で選びました。なんとなく、これはうちの猫たちに合いそうだと思いました。高さとか、形とか、置いたときの雰囲気とか、説明しにくい感覚です。

それは今、かなり気に入られています。置いた日のうちに、一匹がてっぺんまで上って伸びをしていました。

前のキャットタワーとは違って、ちゃんと乗る。寝る。使う。僕が選んだものを猫が使ってくれている。それだけで、少し勝った気になります。

100均で買ったおもちゃもそうです。

高いものではありません。むしろ、ついでに買ったくらいのものです。棒の先に、羽根がついているだけの、地味なやつです。「これいいかも」と思って買っただけでした。

でも猫たちは、それを気に入りすぎて、ボロボロになるまで遊びました。羽根は取れ、棒は歯形だらけになり、それでも咥えて持ってきます。

Amazonのおすすめより、僕の直感のほうが当たった。

そう言いたくなります。

AIに勝ったのではないか。

Amazonのおすすめは、僕の買い物履歴や検索履歴から好みを推測している。

僕はうちの猫を、ただ毎日見ているだけです。

寝る場所のクセ。高いところに行きたい日と、床で伸びている日。買ったものより、落ちている紐に反応する瞬間。

AIは履歴を読める。僕は気分を見ている。

文章を書くときも調べものをするときも、だいたいAIに泣きついている僕ですが、猫に関してだけは、一歩だけ近い場所にいるのかもしれません。

その積み重ねが、たまにAmazonのおすすめを超える。

Amazonのおすすめで買った猫用品には興味を示さない。キャットタワーもダメ。蹴りぐるみもダメ。

でも、Amazonの箱は大好きです。

商品が入っていた箱。ただの段ボール。おすすめでも何でもない。商品ページにも載っていない。レビュー対象ですらない。

それを猫たちは気に入ります。

中に入る。上に乗る。角をかじる。気づけば、そこが正式な寝床みたいな顔をしている。箱の大きさが合わないことも多いのに、無理やり体を折って収まっています。

こちらが「そろそろ捨てようかな」と思うと、なぜか急に使い始めたりします。口に出した瞬間、というくらいの精度です。

そして勝手に捨てると、少し拗ねる。

Amazonのおすすめ商品には興味がない。でもAmazonの箱は捨てさせてくれない。

AIのおすすめ。僕の直感。Amazonの箱。

その全部を並べたうえで、猫は自分の好きなものだけを選ぶ。

たぶん勝ったのは、僕でもAIでもありません。

猫です。

今日も部屋のどこかに、捨てられない段ボールがあります。

邪魔です。

でも捨てられません。

猫が気に入っているからです。

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