ミステリーADVとは断片的未知の探究だ/記録と記憶、世界の残響【OUTER WILDS】(ネタバレなし)
特に大きなネタバレは無いと思います。
このジャンルと、このゲームの良さの自己解釈。
他の記事をタイトルでも適当に読んでいただければわかると思うのですが、自分の遊ぶ「アドベンチャーゲーム」はほぼほぼ「テキストアドベンチャー」寄りのものを指します。
勿論グラフィック自体は付いていますが、あくまでもテキストがメインのものが殆どです。
ポイントアンドクリックとも?
まあつまり、アクションアドベンチャーはあんまり遊ばないんですよね。
まあこれだいぶアクションRPGと紙一重のジャンルというか、具体的にどれがRPGでどれがアドベンチャー?って言われるとちょっと難しいんですけど。なんならほぼ同一扱いな気がしないでもない。
たま~に触れることはあるのですが、それらは基本的に普段遊んでいるアドベンチャーゲームとは別物として自分の中で定義しがちです。
多分ゼルダとかはアクションアドベンチャーだよね…?RPGでもありそうだけど…

それはさておき、自分の指すアドベンチャーゲームのジャンル性を簡単に言い表すなら、「探索やパズル解決によって物語を進めるゲーム」だと思います。
そして、自分の遊ぶアドベンチャーゲームの中でも一際抜けて好きなジャンルがミステリーアドベンチャーです。テキスト読む以外のゲーム性の有無は問わず。

基点がどこなのかはちょっとあやふやなんですけど、多分逆転裁判かレイジングループ辺りのはず…?
ただ、多分レイジングループより前にワールドエンド・シンドロームというゲームを遊んでいてそれも結構楽しんだ記憶あるんですよね。
まあ面白いけどなんか、高くね?みたいに思った覚えがあります。
たぶん今なら安い。
ギャルゲーに伝奇ミステリー混ぜた感じのやつです。
有名どころだとひぐらしが一番近いのか?あれよりは遥かにギャルゲーでしたけど。

それはともかく、更にミステリーアドベンチャーの中から自分が飛び抜けて楽しい、面白いと感じた作品を挙げていくと、
逆転裁判(無印)
大逆転裁判1+2
スーパーダンガンロンパ2
ニューダンガンロンパV3
レイジングループ
グノーシア
シュタインズゲート
辺りになると思います。当然ですが有名どころしかありませんね。
恐らくここから少し落ちて
ひぐらしのなく頃に(CS)
うみねこのなく頃に(CS)
パラノマサイト
ゴーストトリック
辺りが多分自分の中では入ってくると思うのですが、ここを分けているのは質の高さの差と言うよりは、上二つが平均値、下二つが累計値の問題という感じです。
要するに、加点方式で足し算し続ければとても多くの面白さを含んでいるけど長すぎてあまり楽しくないパートも多く混ざっているものと、めっちゃ完成度高い物語だけど総合的なボリュームが小さめのものという感じですね。
あとどちらの要素も適度に兼ねてて、ギリギリ一歩及ばなかったかも?くらいのがAI:ソムニウムファイル(無印)でしょうか。まあ超面白いんですけど。
まあこれらも当然すべて名作ですし、ただの自分の好みの差なのでここは割とどうでもいいのですが、大前提としてこれらのゲームはほぼほぼ最初に述べたテキスト主体のアドベンチャーです。
そしてパズル要素は、少ないですよね。ソムニウムファイルが一番多いかな?
ミステリーアドベンチャーというジャンルの面白さの核には別にパズル要素は必要ないからだと思います。
ソムニウムパートとか実際演出は好きだけどゲーム的には正直そんな要らないと思ってるし。
あくまでプレイヤーをゲームに上手く縛り付けるための要素の1つというか。
そういう意味だとダンガンロンパはちょっとこれらの中では異質で、パズルの代わりにアクション(シューティング?)要素を盛り込んだことで非常に上手くプレイヤーを画面に釘付けしたゲームだと思います。

これはこれで大発明でしたね。
後追いが来てもあまり上手く再現できていませんが。
魔法少女ノ魔女裁判(まのさば)の議論もガッツリ引用して来た上で明確にノンストップ議論の出来には及びませんでしたし。
まあインディーにそれを言うのは無茶振り過ぎるけども…
で、これらの名作達とは明らかにゲーム性が違うものの、間違いなくミステリーアドベンチャーだと捉えることが出来、更に面白さもこれらに匹敵した自分にとっては非常に稀有なゲームがOuter Wildsです。

このゲーム、ADVではあると思うんですが、微妙にどのようにジャンルを定義されるものなのか最近まで知らなかったんですけども、多分ウォーキングシミュレータというものとアクションアドベンチャーの間の子くらいに位置するのではないかと思います。公式にはアクションアドベンチャーっぽい?
前者にしてはアクション性、パズル要素が強いけども後者にしてはアクション性が薄いような気がするので、いまいち何が的確な表現なのかはちょっとわかりません。
まあいずれにせよ、同じADVだとしてもここまで挙げたテキスト主体のゲームとは明らかに、少しジャンルがズレているのは確かでしょう。
しかし自分はこれを非常に楽しめた上で、得られた面白さの質感(クオリティも相応だが、クオリティとはまた別)もほぼ同様だと思ったんですね。
ゲーム性が全然別物に変わっているにも関わらず。
これって多分、ゲーム性が変われども中に含まれている要素に共通するものがあるからであって、つまりそれが自分の感じるミステリーアドベンチャーの面白さの本質なんだと思います。
普通に超有名ADVだと思うのでこの記事を読むような大体の人がご存じな気はするのですが、一応『Outer Wilds』の紹介をしておきます。
「宇宙の謎を解くゲーム」、というのは少し前に発売されたステラーコードの謳い文句の1つなのですが勝手に引用して、まさにそれがOuter Wildsというゲームのざっくりとした形容になると思います。
勿論別に現実の宇宙に即した世界では無いのですが。
めっちゃ圧縮されてるし。
とても圧縮されて、オープンワールドで移動できるようなサイズとなった1つの太陽系を冒険し、各地に残る古代種族Nomaiの遺跡や記録を読み解き、この宇宙の謎を追うゲームです。

プレイヤー操作キャラの死亡の概念が存在し、死んだらその瞬間に、死なずとも開始から22分経つとループが発動、開始地点に戻されます。
ゲーム的に引き継げるものはほぼ無く、強いて言うなら各地を回ってプレイヤーが得た情報だけ。
正確に言えば、その情報を自動で記録してくれる航海日誌をゲーム的に引き継げていますが。

つまり、ループもの×ミステリーのお話を実際に体験している感覚で楽しめるアドベンチャーゲームなわけですね。
グノーシア、レイジングループのような。
シュタインズゲートもまあそんな感じですかね。
一応最近、それにちょっと近いゲームも出ましたが、あれはこの辺のゲームとはまた面白さの本質がだいぶ違うと思います。展開はちょいと似てましたが、総合的に見てあまりループものでは無いかなと。
そして更にそれらのゲームとも違って、テキスト主体では無い(テキスト自体は割と多いと思うが)ため、本当に自分の身の回りの事以外何もわからない状態で宇宙に飛び出していく羽目になります。
しかもオープンワールドで。
つまり、導線があまり設定されてません。
無いわけじゃないですが。
前述したミステリーアドベンチャーや、はたまたオープンワールドアクションアドベンチャーのゼルダと比べても更に、最初の何もわからない度合いは極めて高いと考えられます。
何せ開始から割と長いこと、何を目的として何がクリアなのか、そもそもクリアはあるのかすらパッとはわかりません。
正直に好みを言えば、自分は別に導線の薄いオープンワールドというジャンルそのものは、シナリオに着目する場合そこまで好みでは無いと思います。
ちゃんときっちり話の流れを考えられていてそれに沿って進められる話の方が見ていて面白くなると考えるからです。
ティアキンは神ゲーでしたが、序盤とラスト以外のシナリオ・ドラマの扱いはだいぶ投げたなと感じましたし。まあブレワイ・ティアキンに関しては断片的にですがウツシエや龍の泪がそれを一部担っていた感はありますが。

ゴーストオブツシマなどはストーリーめっちゃ良いOWという神ゲーでしたが、進行・導線はOWにしてはかなりガチガチに定まってますよね。
対してこのゲーム、ゲーム的な進行の自由度はゼルダ(ブレワイ・ティアキン)以上と言ってよいでしょう。
チュートリアル、始まりの台地・空島やパラセールみたいなもんを得る作業も要らない、というか確か一瞬で終わりますし。
いやまあバグとか使えばゼルダも色々無視できるんでしょうけどそれはゲーム本来のデザインを強引に破壊しているのでまた別として…
その上で、このゲームの物語は普通に、自由に、どうプレイしていても、そうそう崩れることはありません。
ゲーム的に進行を縛るのではなく、情報という資産で進行を自然にコントロールしているからですね。
適当に進んでたら一発で話の核心に辿り着いちゃって色々すっ飛ばしてクリアだ!ってことは、まあゼロでは無いかもですが、そうしようという意図があった上でもよっぽどの幸運が無いと早々起き得ないゲーム性です。少なくともクリアは極めて難しいでしょうね。
話の大筋の理解もちゃんと各地を探索してないとかなり難しいと思います。
多少の攻略順の前後くらいなら、主に量子関連で起きることはあると思いますが。
22分のループの間に太陽系の各所の環境もかなり変化があるので、ちゃんと情報が無いと中々総当たりゴリ押しも通用しづらいです。
このプレイヤーの知識=進行度の設計が、ミステリーアドベンチャーとして考えた場合でも非常に上手く機能しているのだと思います。
Outer Wildsと前述したミステリーゲーム群を重ね合わせて考えた時に、Outer Wilds独自の面白さは「自由度と物語がトレードオフになっていないこと」であり、逆に明確に共通する部分はやはり「断片的に散らばった手掛かりを繋ぎ合わせて真相に至り、事件を解決すること」です。
一般的なミステリーアドベンチャーは、そこに多くのゲームシステム的な、制限という名の補助輪を付けているのだと思います。
大前提として「順番に話が進むこと」とかもそうですし。
謎解きゲーの場合は「推理・議論のシステム」とか。
前者がわかりやすいのはひぐらし(原作部分)とかのノベルゲームで、後者は当然逆転裁判やダンガンロンパですね。
まあ、後者の2つはその制限を演出として上手に表現したことが人気の一因だと思いますが。
レイジングループ、グノーシアはやはりループものであるためか多少の自由度が設定されている(特にグノーシア)のですが、それでも大筋のストーリー進行順はまあ決まっています。だよね?
つまり、ここは別にミステリーアドベンチャーの面白さの核心では無いのだと思います。ダンガンロンパの演出は最高レベルですが、シナリオ的な良さとはまた別の良さの側面が強いですよね。
別にシナリオはシナリオで凄く面白いんですけど。
あくまでも、プレイヤーがシナリオ・推理を手軽に楽しむための補助輪。
勿論あった方が楽しみやすいという人も多いとは思うんですが。
それこそ自分も、推理小説などは、読んでいても全然トリックやら犯人やら考えられません。ゲームだとなんかそれなりに考えるんですけど。
そして、その補助輪をかなり取っ払って、情報メモくらいしか残らなかったOuter Wildsでも同じような面白さを感じられたわけですから、核心とはその重なり合う部分、「断片的に散らばった手掛かりを繋ぎ合わせて真相に至り、事件を解決すること」なのだと思います。
少なくとも、自分の中では。
散らばった手掛かりのそれぞれに仮説を立て、検証し、他の情報と照らし合わせた結果の再解釈なども行うことで、真実に辿り着く。
これをシステムの補助控えめに、主に自分の頭でやっていくのがOuter Wildsというゲームであり、自分がミステリーアドベンチャーをやっていて楽しいのがこの仮説、検証、再解釈なのでしょう。
そして全てが大まかに繋がった後に真実との答え合わせを行うことで、更なる快感が得られます。
究極の体験ですね。
自分が極めて面白いと感じた一連のADVの多くが確かにこれを成立させています。
多分例外はQruppo作品だけ。あれはテキストの暴力なので。
例えるなら、散らばった断片が一枚絵になる瞬間?
ゲームジャンルがアクション寄りに変わっても、自分がミステリーADVで一番好きな部分だと考えられるその散らばった断片が一枚絵になる瞬間は、Outer Wildsでも同じような、何なら更に上回る強度・質感で起きました。
違うのは、それがテキストの行間ではなく、太陽系の環境と時間の流れの中で起きるということだけなのでしょう。
補助輪が小さいので少し大変ですが、アドベンチャーゲーム慣れしている人ならば恐らくは結構な確率で、一生忘れられないゲームフォルダに保存される作品だと思います。
自分には残りました。
是非プレイしてみてください。
