私がインターンシップに込めてきた本気、魂ー「型」をつくって「血」を通わせること
こんにちは、平井咲子です。
「人の力で、世界は変わる。
立ち向かえ、限界を超える挑戦に。本当の自分自身に。」
これは、私が過去に立ち上げたインターンシップ「SPIRIT」のキャッチコピーです。
「SPIRIT」は、当時のリクルートキャリア社の実際のクライアント様3社にご協力をいただき、その企業様からご提示いただいた課題に対して、インターン生が提案するという1週間ほどのインターンシップ。
作りものではない本物の課題、本気で困っている人々の思いに触れるからこそ、参加者の本気度が高まり、最大限の学びが起こるはず。クライアントの本気度はもちろん、メンターとして関わる社員も、事業部で超活躍している最強の布陣でご協力をいただきました。
採用部主催の取り組みでありながら、採用とは完全に切り離し、学生自身の学びの機会を作ることを最大の目的として企画していました。(つまりインターンに参加したからといって採用のときに優遇されるようなことはありません。SPIRITは私が産休入りしていなくなった後も5年ほど続く企画になり、このインターンのプロセスの中でリクルートキャリアの魅力に触れた人たちが、結果的に就職先として選択することは相当数起こっています)
今日は、私がこれまでつくってきたインターンシップのこと、そしてその根底にある想いについて書いてみようと思います。
原点は「GLIP」。異国で見た、人の変容
なぜこんなに学生の学びに特化したインターンをつくったのか?
それはさらにその前の、2014年、「GLIP」という海外インターンシップの話に遡ります。
これも採用とは関係なく、学生たちと一緒にベトナムに行き、ベトナム現地の企業様でインターン生として働かせていただき、最終日にその企業様からのお仕事に対してアウトプットを出すというもの。学生48名に対し、協力企業は24社。1社につき2人ずつ受け入れていただく企画。ここに、事務局・メンターとして参加しました。
言葉もろくに通じない、日常の習慣や金銭感覚なども含めて全く違う人たちとの2週間の協働を通して、そこに参加した学生は驚くほどの変容を見せました。
日本では超優秀なリーダーとして何らかのコミュニティを率いたり、高い成果を出し続けてきた自分が、こんなにも異国の地で通用しない。
そのことに全員がそれぞれのタイミングで一度絶望し、その絶望の中で何を選択するのかを何度も問い直し、何度も決断して、また新しい自分としてコトに向き合っていく。
この2週間の学生たちの姿を見て、私の中でも一つの新しい価値観が生まれました。
「人は、いつからでも、何度でも、変われるんだ」
ということ。なんてパワフルで、なんて美しいんだろう。そこにとても胸打たれたし、こういう世界に触れ続けて生きていたいと心から思いました。
この2014年夏のGLIPから帰国して、次の冬のインターンシップの企画をつくるときに、48名のみならずもっとたくさんの学生にこの成長を届けたいと思いました。
人数が多くなると予算的にも海外には行けないかもしれない。
でも人はいつでもどこでも成長するんだから、ベトナムじゃなくてもいいはずだと考えて、国内でGLIPと同じような衝撃と絶望と希望、本気の挑戦を生み出すインターンをつくろうと思いました。
この激しいインターンに、なんと名前を与えよう?
どんなコピーで世の中に問えばいい?
そのことを、仲間と一晩居酒屋にこもってあーでもないこーでもないと考えました。翌日には集客用の広告の文言を制作会社に提出しなければリリースができないという崖っぷち。しかし当時の上司は言葉に厳しい人だったので中途半端なものでは絶対に承認されない。渾身のコピーを考えようと。

リクルート時代の荷物の整理をしてた時に発掘した
そして、
魂が揺さぶられるほど、人生が変わるインターンになったらという思いで、
SPIRIT
と名付けました。
それと共に出来上がったコピーが、記事冒頭のこの言葉でした。
「人の力で、世界は変わる。
立ち向かえ、限界を超える挑戦に。本当の自分自身に。」
GLIPを48人に届け、SPIRITを初年度100人に届け、もっともっと拡大して行こうと思い、次はこのエッセンスを2時間に凝縮した「ROOTS」というイベントを仲間とつくりました。ここには学生2500名に加えて、リクルートキャリアの社員1200名を動員。社員も学生も自己理解が深まるような対話型イベントになりました。
これらのGLIP、SPIRIT、ROOTSといったイベントは私がいなくなった後も後任の人たちの手によって4,5年にわたって継続され、仲間と作ったこれらの場に触れた人は合計でおそらく数万人規模の数になっています。
「外的な武器」で勝てないからこそ、内面に向き合う
GLIP,SPIRIT,ROOTSに共通していることは、一切会社の説明をしないこと。
そして学生の成長にコミットする場であること。
採用部門主体の取り組みでありながら、なぜこのような常識破りのイベントができたのか。
それは、当時のリクルートキャリアで、
人が全ての価値の源泉である
採用は会社の経営にとって最も重要な活動。重要なことだから、惜しみなくリソースを投資する
そして人が一番大事だと信じているリクルートキャリアの採用では、候補者を理解すること、候補者自身が自分のありたい姿に自ら気付きリーダーシップを発揮することを何よりも大事にする
こんな共通認識が経営陣の間にあったからだと思います。もちろん、すんなりと合意形成ができたわけではありません。採用部門から何度も起案しては惨敗、不承認、議論の延期。それでも当時の部長の強いリーダーシップに助けられ、何度も経営会議に起案し続けて合意形成をしていきました。
そしてこのような方針が、リクルートキャリアが採用競合に勝てる競合優位であることも共通認識になっていました。
海外勤務の機会があるとか、企業ブランドだとか、給料がいいとか、そういう「外的な武器」では採用競合には勝てない。候補者がこれまでの人生の中で大事にしてきた内発的な動機を、インターンシップをはじめとした濃密な接点の中で、社員が共に発見する。そのプロセスには、他の会社に見せることのなかった本気の自己開示があって、それだけの自己開示があるからこそ、こんなに自分をさらけ出せたこの会社でなら、こんなに自分を理解してくれたこの会社でならこれからも成長していけるかもしれない、そういう期待が生まれていたのです。
だからこそ、会社説明を一切しないインターンシップをきっかけに、この会社で働くという選択をするという、ちょっとよくわからないことがたくさん起こってしまうのだと思います。
「カタチにする」とはー「型」をつくって「血」を通わせること
これは私の人事の師匠である坪谷邦生さんがよくおっしゃっている言葉です。
振り返ってみると、私が企画してきたインターンシップにも、共通する「型」があります。
初日は参加者のコミットメントを高めるための研修
中間で参加者は何かしらの課題に取り組む
最終日はその課題へのアウトプットの発表と、そこから得た自分の学びを振り返る研修
こういう型です。
そこに、
参加者が取り組む課題は、「誰かが本気で解決したくて困っているけど解決の仕方のわからない、現実に存在する」ことを扱う。ここで、誰の、どういう課題に対峙するのかの難易度や論点設定の仕方が難しい
会社の説明は一切しない。接点をもつ社員の魅力が最大限伝わるようなコンテンツ、ストーリーの流れを考え抜く
参加者の成長のために、メンターの介入が重要。そしてメンター自身こそが、最も学び、最も葛藤し、最も成長する存在として場にいる
こういう情熱や工夫、「血」が通っています。
このような「型」と「血」は、私がこれまでつくってきたあらゆる採用イベントに一貫しているものだと思います。
そしてこのような採用イベントをたくさんの企業さんのためにカタチにして長く残る企画に育てていくことこそ、私がこれからチャレンジしていきたいことです。そういう企画、カタチにしてみたい!!という方、ぜひ一緒にやりましょう!
