#465「サラダ油」は何からできている?
料理に欠かせないサラダ油。
揚げ物や炒め物はもちろん、ドレッシングやお菓子など、私たちはほぼ毎日のように口にしています。
では、そのサラダ油は何から作られているのでしょうか。
「菜種(なたね)から作られているんじゃないの?」
と思う人も多いかもしれません。
もちろん、菜種油もサラダ油の一つです。
しかし、スーパーで売られているサラダ油の多くは、一種類の植物だけで作られているわけではありません。
実は私たちは、意外な作物から作られた油を日常的に口にしているのです。
「サラダ油」の語源とは?
「サラダ油」とは、特定の植物から作られた油の名前ではありません。
「サラダ油」という名称は、サラダなどにかけて生のまま食べても白く濁りにくいように精製された良質の植物油であることから付けられました。
昔の植物油の中には、気温が低くなると白く固まったり濁ったりするものがありました。
そこで、低温でも透明な状態を保ち、生野菜にかけても見た目がよい油として販売されたことから、「サラダ油」という名前が広まったのです。
現在では、JAS(日本農林規格)によって品質基準が定められており、「サラダ油」は一定の精製基準を満たした食用植物油を指します。
つまり、「サラダから作られた油」という意味ではなく、サラダにも使いやすい品質の植物油という意味なのです。
サラダ油の原料は一つではない
現在販売されているサラダ油には、
なたね
大豆
とうもろこし
ひまわり
米
綿実(めんじつ)
など、さまざまな植物が使われています。
つまり、「サラダ油」という名前だけでは、原料が何なのかは分かりません。
商品によって原料は異なり、複数の植物油をブレンドしているものもあります。
日本で最も多い原料は「大豆」
実は、日本で流通しているサラダ油の原料として非常に多いのが大豆です。
「大豆」と聞くと、
豆腐
納豆
味噌
醤油
などを思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、大豆は食べるだけではなく、油を搾るための重要な作物でもあります。
世界で生産される大豆の多くは、食用油や家畜の飼料として利用されています。
つまり、私たちは知らないうちに「大豆の油」を毎日のように口にしているのです。
実は「綿」からも油が作られている
さらに意外なのが「綿実油(めんじつゆ)」です。
綿といえば、Tシャツやタオルなど衣類の原料というイメージがあります。
しかし、綿花には種があり、その種から油を搾ることができます。
この油はクセが少なく、揚げ物などにも利用されています。
つまり、
服になる植物が、食用油にもなっている
ということです。
「綿=衣類だけ」というイメージを持っている人にとっては、意外な事実ではないでしょうか。
とうもろこしや米も油になる
さらに、
とうもろこし胚芽油
米油
も広く利用されています。
とうもろこしは粒全体ではなく、胚芽から油を取り出します。
また、米油は玄米を精米するときに出る「米ぬか」から作られています。
本来なら副産物になってしまう部分を有効活用しているのです。
近年は健康志向の高まりから、米油を選ぶ家庭も増えています。
日本で使われる油の多くは輸入原料
ここで社会科らしい視点を加えてみましょう。
実は、日本で使われる食用油の原料の多くは海外から輸入されています。
特に大豆は、
アメリカ
ブラジル
アルゼンチン
などが世界有数の生産国です。
日本は大豆の自給率が低いため、油の原料も輸入に大きく依存しています。
つまり、普段の料理で使っているサラダ油も、世界の農業と深く結び付いているのです。
スーパーで何気なく手に取る一本の油の背景には、世界規模の農業や物流があります。
ラベルを見ると意外な発見がある
スーパーでサラダ油の原材料表示を見ると、
「食用なたね油」「食用大豆油」
などと書かれている商品が多くあります。
中には、
なたね油と大豆油の混合
とうもろこし油とのブレンド
など、複数の植物油を組み合わせている商品もあります。
今度スーパーへ行ったら、一度ラベルを見比べてみると、新しい発見があるかもしれません。
おわりに
「サラダ油は何からできている?」
その答えは、一つではありません。
実際には、
大豆
なたね
とうもろこし
ひまわり
米
綿
など、さまざまな植物が原料になっています。
中でも意外なのは、衣類のイメージが強い「綿」からも食用油が作られていることでしょう。
また、「サラダ油」という名前も、「サラダから作られた油」ではなく、「サラダにも使いやすいように精製された植物油」に由来しています。
普段何気なく使っている一本のサラダ油も、その原料や名前の由来を知ることで、日本だけでなく世界の農業や貿易とのつながりまで見えてきます。
食卓にある一本のサラダ油には、世界中の畑がつながっているのです。
【目次】
【参考】
