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#417 最近話題の「NISA貧乏」って何?

最近、SNSやニュースなどで「NISA貧乏」という言葉をよく見かけるようになりました。

NISAといえば、政府も推進している資産形成制度です。
本来であればお金を増やすための制度であるはずのNISAですが、なぜ「貧乏」という言葉がついてしまったのでしょうか。

この言葉が広まった背景には、日本社会が進めてきた「貯蓄から投資へ」という流れと、将来への期待と不安を抱える若者たちの葛藤があるのです。

そもそもNISAとは?

まず、NISAそのものについて確認しておきましょう。

NISAとは、「少額投資非課税制度」のことです。
通常、株式や投資信託などで利益が出ると、その利益には約20%の税金がかかります。例えば10万円の利益が出た場合、約2万円は税金として差し引かれます。

しかし、NISA口座を利用すると一定額までの投資で得た利益に税金がかかりません。
2024年から始まった新NISAでは制度が大幅に拡充され、長期的な資産形成がしやすくなりました。
老後資金や将来への備えとして利用する人も増えており、口座数も年々増加しています。

つまり、NISAそのものは決して悪い制度ではありません。
むしろ、長期的な資産形成を考えるうえで有効な制度の一つといえるでしょう。

なぜ「貯蓄から投資へ」が進められている?

NISAは日本政府の方針によってここまで普及してきました。

日本では長い間、「貯金が一番安全」という考え方が主流でした。
実際、多くの家庭が銀行預金を中心に資産を保有してきました。

しかし、バブル崩壊以後の1990年代から、日本は超低金利と呼ばれる時代に突入しました。
銀行にお金を預けてもほとんど利息がつかなくなったのです。

とくに近年では、円安や物価高の影響でお金を銀行に預けているだけでは、貯蓄は「目減り」していってしまうリスクが高くなってきました。

一方で、アメリカなどでは株式や投資信託を活用して資産形成を行う人が多く存在していました。
そこで政府は、「貯蓄から投資へ」という方針を打ち出し、眠っているお金を投資へ回すことで経済を活性化しようと考えました。

NISAは、こうした流れの中で誕生した制度なのです。

「NISA貧乏」とは何か?

では、なぜ「NISA貧乏」という言葉が生まれたのでしょうか。

これは政府や金融庁が使っている正式な用語ではありません。
主にSNSなどで使われている言葉で、「将来のために投資を優先しすぎて、現在の生活が苦しくなっている状態」を指します。

例えば、

・食費を極端に削る
・趣味や旅行を我慢する
・友人との付き合いを減らす
・生活費ギリギリまで投資に回す

といったケースです。

もちろん節約自体は悪いことではありません。
しかし、「とにかく投資額を増やさなければ」という考えが強くなりすぎると、生活そのものが窮屈になってしまいます。

なぜ若者は無理をしてまで投資するのか?

では、なぜ現在の生活を軽視してまで投資をする人がいるのでしょうか。

その背景にあるのは、将来への不安と、安定への渇望です。

現在の若い世代は、年金制度や物価上昇、将来の賃金への不安などを抱えています。そのため、「自分の老後は自分で守らなければならない」という考え方が当たり前になってきています。

さらに近年では、「FIRE(経済的自立と早期リタイア)」や「サイドFIRE」という考え方も広まりました。

FIREとは、若いうちから資産運用を行い、その運用益によって生活できる状態を目指す考え方です。SNSやYouTubeでは、「30代でFIRE達成」「配当金だけで生活」といった成功事例も数多く紹介されています。

つまり、若い内に最大限に元本を継ぎ込むことで資産運用を行い、将来の生活の不安を解消して安定した生活を得ようとする考え方やロールモデルが広まり始めているのです。

もちろん、実際にFIREを実現できる人は一部に限られます。
しかし、こうした情報に触れることで、「今の生活を我慢してでも投資を優先しよう」と考える人が増えているのです。

「NISA貧乏」という言葉が広まった原因は、単なる投資ブームだけではありません。
年金制度や物価高や円安といった「将来への不安」と、多様な働き方・生き方の1つとしての「経済的自由への憧れ」といった現代を精一杯生きる人々の価値観の変化があるのです。

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