#436 教員なら知っておきたいお金の話 ~金融リテラシーを高めるおすすめ本6選~
2022年度から高校で金融教育が本格的にスタートしました。
学習指導要領には、「家計管理」や「資産形成」といった内容が盛り込まれ、学校現場でもお金について扱う機会が増えています。
しかし、
「自分自身はお金についてほとんど学んだことがない」
と感じている教員も多いのではないでしょうか。
実際、教員養成課程や研修でも、お金について体系的に学ぶ機会はまずありません。
しかし、教員に限らず、住宅ローンや保険、老後資金、資産形成など、お金に関する判断を求められる場面は数多くあります。
また、教員特有の事情かもしれませんが、職場では、貯蓄型保険や資産運用商品の勧誘を受けることも珍しくありません。
そして、教員は安定した職業というイメージがありますが、病気やメンタル不調による休職・病休など、将来働けなくなるリスクがゼロというわけではありません。
むしろ、年々そうしたリスクは高まっているのではないでしょうか。
共済制度や各種手当が充実しているとはいえ、それだけで将来への不安がなくなるわけではないでしょう。
だからこそ、教員自身が金融リテラシーを身につけることが大切です。
金融リテラシーとは、単に「投資でお金を増やす知識」のことではありません。
収入と支出を管理し、必要な保険を見極め、将来に備えて資産形成を行うための「人生を守る知識」です。
そして、教員自身がお金について学ぶことは、これからの金融教育を考えるうえでも大きな意味を持ちます。
本記事では、金融知識に自信がない人でも読みやすい、おすすめの6冊を紹介します。
今回紹介する6冊は、「漫画で学ぶ入門編」から「お金の本質を考える教養編」まで、段階的に学べるように並べています。
ぜひ、自分に合った一冊から手に取ってみてください。
① 漫画 お金の大冒険 黄金のライオンと5つの力
「活字が苦手」「まずは気軽に学びたい」という人におすすめなのが、この一冊です。
ストーリー形式で読み進められるため、お金の知識がほとんどない人でも無理なく理解できます。
本書では、お金に関する知識を「貯める」「増やす」「稼ぐ」「守る」「使う」という5つの力に整理して解説しています。
固定費の見直しや保険の考え方、投資の基本など、多くの人が悩みやすいテーマがわかりやすくまとめられています。
特に教員は、忙しさから家計管理を後回しにしがちです。
また、職場で保険商品や資産運用の勧誘を受けることも少なくありません。
だからこそ、まずはお金の全体像をつかむことが大切です。
金融教育の授業づくりにも役立つ視点が多く、「生徒にどう伝えるか」を考えるヒントにもなるでしょう。
② 『本当の自由を手に入れる お金の大学【改訂版】』
金融リテラシーを体系的に学びたいなら、まず手に取りたい定番の一冊です。
本書では、お金の知識を「貯める・増やす・稼ぐ・守る・使う」の5つに分類し、具体例を交えながら解説しています。
特に印象的なのは、「収入を増やすこと以上に、支出を最適化することが重要」という考え方です。
保険料、通信費、住宅費などの固定費を見直すだけで、家計は大きく改善します。
教員は安定した収入がある一方で、忙しさから「なんとなく加入している保険」や「見直していない支出」を抱えていることも少なくありません。
本書を読むことで、自分のお金の使い方を客観的に見直すきっかけになるはずです。
図解やイラストも豊富で、金融知識に自信がない人でも読みやすい一冊です。
③ 『ジェイソン流お金の増やし方 改訂版』
家計管理の基本を学んだら、次に考えたいのが資産形成です。
本書では、「支出を減らし、余ったお金を長期・積立・分散で投資する」というシンプルな考え方が紹介されています。
難しい投資テクニックや個別株の分析はほとんど登場しません。
むしろ、「投資は怖い」「何から始めればいいかわからない」と感じている人ほど安心して読める内容です。
現在は低金利が続き、預貯金だけで資産を増やすことは難しくなっています。
一方で、物価上昇によって、お金を持っているだけでも実質的な価値が目減りする時代になりました。
そんな時代だからこそ、「投資をするかどうか」ではなく、「お金とどう付き合うか」を考える必要があります。
新NISAに興味はあるけれど、一歩を踏み出せない人におすすめの一冊です。
④ 『きみのお金は誰のため』
「お金とは何か」という本質的な問いを考えたい人におすすめなのが、この一冊です。
本書は小説形式で書かれており、難しい経済用語を使わずに、お金の役割や社会とのつながりを学ぶことができます。
タイトルにある「きみのお金は誰のため」という問いは、単に資産形成のテクニックを学ぶだけでは見えてこない、お金の本質を考えさせてくれます。
私たちはつい、「お金を増やすこと」そのものを目的にしてしまいがちです。
しかし、本来お金は、人と人をつなぎ、価値を交換するための道具です。
教員という仕事は、目の前の子どもたちの成長を支える仕事です。
だからこそ、お金を「自分だけの問題」ではなく、「社会とのつながり」という視点から考えることには大きな意味があります。
金融教育を行ううえでも、知識だけでなく、お金に対する価値観を考えるきっかけになる一冊です。
⑤ 『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』
金融教育の授業づくりに興味がある教員に、特におすすめしたい一冊です。
アメリカでは、日本よりも早い段階から金融教育が重視されてきました。
本書では、実際にアメリカの高校生が学んでいる内容をもとに、家計管理、クレジットカード、ローン、保険、投資、税金などを幅広く解説しています。
特徴的なのは、「知識を覚える」ことよりも、「人生の中でどう判断するか」を重視している点です。
例えば、奨学金の選び方やクレジットカードとの付き合い方、老後資金の準備など、実生活に直結するテーマが数多く扱われています。
教員自身の学びになるだけでなく、「金融教育をどのように教えるべきか」を考えるヒントにもなるでしょう。
金融教育が本格化した今だからこそ、ぜひ読んでおきたい一冊です。
⑥ 『改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん』
世界的なベストセラーとして知られる、お金の考え方を大きく変える一冊です。
本書では、「資産と負債の違いを理解する」という考え方が繰り返し語られます。
収入が高いことと、お金持ちであることは必ずしも同じではありません。
どれだけ多く稼いでも、支出が増え続ければ資産は残らないからです。
一方で、自分に継続的な収入をもたらす資産を持てば、経済的な自由に近づくことができます。
考え方には賛否両論があり、日本の制度や価値観にそのまま当てはまらない部分もあります。
しかし、「会社員として働くこと」だけが選択肢ではないことや、お金に働いてもらう視点を学べる点は大きな魅力です。
教員という安定した職業に就いているからこそ、一度は触れておきたい「お金の哲学」と言えるでしょう。
お金の知識は、自分と家族を守る力になる
金融リテラシーは、お金を増やすためだけの知識ではありません。
家計を管理し、将来に備え、人生の選択肢を広げるための「生きる力」です。
教員自身がお金について学ぶことは、自分や家族を守るだけでなく、生徒たちの金融教育にもつながります。
まずは漫画からでも構いません。
気になった一冊を手に取り、お金との付き合い方を見直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
【目次】
