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#421 タピオカの原料「キャッサバ」が世界を救う?

数年前、日本では空前のタピオカブームが起こりました。
行列のできるタピオカ店が次々と誕生し、若者を中心に人気を集めました。

しかし、そのタピオカの原料が何なのかを知っている人は意外と多くありません。

タピオカは「キャッサバ」という植物から作られています。

そしてこのキャッサバ、実は世界では単なるタピオカの原料ではありません。

世界の食料問題を支える重要な作物として注目されているのです。

なぜ一見地味なイモが、「世界を救う作物」とまで言われるのでしょうか。

そもそもキャッサバとは?

キャッサバは南アメリカ原産のイモ類の植物です。

見た目はサツマイモやジャガイモに少し似ていますが、植物としてはまったく別の種類です。

キャッサバの根には大量のでんぷんが含まれており、そのでんぷんを加工したものがタピオカです。

私たちがタピオカドリンクで口にしている黒い粒も、もともとはキャッサバのでんぷんから作られています。

しかし、キャッサバにはシアン化合物という有害な成分が含まれており、適切な加工をしなければ食べることができません。

そのため、世界各地では長い時間をかけて毒抜きや加工の技術が発達してきました。

私たちが何気なく飲んでいるタピオカも、こうした加工技術の上に成り立っているのです。

なぜ世界中で栽培されているのか?

キャッサバが注目される最大の理由は、その生命力の強さにあります。

例えば、

・乾燥に強い
・痩せた土地でも育つ
・収穫時期を柔軟に調整できる

といった特徴があります。

ジャガイモやコメ、小麦などは一定の環境が整わなければ安定して収穫できません。

しかしキャッサバは比較的厳しい環境でも育つことができます。

そのためアフリカや東南アジア、南アメリカなどでは重要な食料として利用されています。

現在では世界で数億人がキャッサバを食料源としているとも言われています。

日本ではあまり見かけませんが、世界的に見ると決してマイナーな作物ではないのです。

ちなみに、日本でも比較的温暖な地域ではキャッサバの栽培が行われています。

キャッサバと世界の食料問題

では、なぜキャッサバが「世界を救う作物」と呼ばれるのでしょうか。
その背景には、世界の食料問題があります。

現在、世界人口は80億人を超えています。
そして今後もしばらく人口増加は続くと予想されています。

人口が増えれば当然、必要となる食料も増えていきます。

しかし一方で、

・気候変動
・干ばつ
・洪水
・農地の減少

などによって、農業を取り巻く環境は厳しくなっています。
近年は異常気象による農作物の不作も世界各地で報告されています。

そのような状況の中で注目されているのがキャッサバです。

キャッサバは厳しい環境でも比較的安定して収穫できるため、食料不足への対策として期待されているのです。

特にアフリカでは、将来的な人口増加と食料需要の拡大が予測されています。

そのため国際機関や研究機関も、キャッサバの生産性向上に力を入れています。

タピオカの原料として知られる植物が、実は世界の食料安全保障を支える存在でもあるのです。

世界を救う作物にも弱点がある

もちろん、キャッサバだけで食料問題が解決するわけではありません。

キャッサバには弱点もあります。

例えば、

・タンパク質が少ない
・ビタミンやミネラルが不足しやすい
・適切な加工が必要

といった問題があります。

キャッサバばかりを食べ続けると栄養が偏ってしまう可能性があります。

そのため、多くの地域では他の農作物や家畜と組み合わせながら利用されています。

つまりキャッサバは万能な作物ではありません。

しかし、厳しい環境でも収穫できるという大きな強みを持っているのです。

タピオカの向こう側にあるもの

私たちはタピオカをスイーツや飲み物として楽しんでいます。

しかしその原料であるキャッサバは、世界では食料源として多くの人々の命を支えています。

そして今後、気候変動や人口増加が進む中で、その重要性はさらに高まるかもしれません。

普段何気なく口にしている食べ物の背景には、世界規模の課題が隠れていることがあります。

タピオカの原料であるキャッサバも、その一つです。

キャッサバは人間の食料だけでなく、燃料や工業原料としても利用されており、その活用の幅は今も広がっています。

キャッサバを知ることは、世界の食料問題や未来の農業について考えるきっかけになるのかもしれません。

【目次】

【参考】


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