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こぶし調理ごはん ①

「マグノリア、野菜室を開けて」
いつものように話しかけると
「ハイ」
と返事があり冷蔵庫の扉が開く。
「玉ねぎと人参を取り出して洗って皮を剥いて」
「ハイ」
「チルド室から肉をだして」
「ラップを外して中身を取り出してまな板に乗せて一口大に切って」
ロボットのアームが言われたとおりに動く。冷蔵庫は開いたままだ。自分でやるのなら『玉ねぎ人参肉』だけで一連の動作ができるのに。この怪我さえ治ったらなあ。
 インターフォンが鳴って警察官が立っていた。
「先日からこの付近で不審者に侵入されキッチンの食料品を荒らされる被害が多数発生しています。厳重に警戒してください」警察官が帰ったあと、冷蔵庫に覚えのない手形がついているのに気づいた。
「マグノリア、私の留守中に誰か来たの?」
「ハイ。知らない人に冷蔵庫を開けろと言われました」
「どうして早く言わな、ってかなぜ開けなかったの?」
「ハイ。ご主人様のお声ではなくてコブシの効いた低いお声だったからです」

410字


アイツだ。私はグーパンチされた腕を抱えた。
「ありがとうマグノリア」


こちらの裏お題に参加しています。

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