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情報商材に15万払って、手元に残ったのは"判断基準1つ"だった話

口座から15万円が消えた日のことは、いまでもわりと鮮明に覚えています。

ChatGPTに課金して、プロンプトの研究に100時間以上つぎ込んでいた頃の話です。
プロンプト集を何冊も買って、それでも仕事が変わらなくて、「教材が断片的だからだ、体系的に学べば変わるはずだ」と考えた。
そこに、ちょうどよく体系を名乗る商材が現れました。
15万。
「これで稼げるようになる!」と、ワクワクで買いました。

結果から言うと、仕事は1ミリも変わりませんでした。

この話は、恨み節ではなく解剖として書きます。
あの15万がなぜ効かなかったのか、いまなら構造で説明できるからです。
そして、払った授業料の中で唯一手元に残った「判断基準1つ」の話をします。


中身は、詐欺ではなかった

先に公平なことを言っておくと、その商材は詐欺ではありませんでした。
動画は何十本もあったし、手順書もちゃんとしていた。
書いてある通りにやれば、書いてある通りのものは作れる。
サポートの返信も来る。
よくある「中身スカスカの情報商材」では、なかったんです。

だから当時の自分は、余計に混乱しました。
教材はまともなのに、自分の毎日が変わらない。
となると悪いのは自分の根性か、飲み込みの悪さか。
そう思って、しばらく自分を責める方向に行きました。

いま分かるのは、責める場所が違ったということです。
教材も悪くないし、自分の頭も(たぶん)悪くなかった。
順番が悪かった。

「どうやる」を買ったが、「何を」がなかった

あの商材が教えてくれたのは、ぜんぶ「どうやるか」でした。
ツールの使い方、手順、テンプレート。How の束です。

一方で、当時の自分に欠けていたのは「何を」でした。自分のどの仕事に、何のためにそれを使うのか。
ここが空欄のまま、How だけが山のように届いた。

宛先が書いていない地図を、大量に買っていたようなものです。
地図としての出来は良い。
でも、自分がどこへ行きたいかが決まっていないので、どの地図を開いても「へえ」で終わる。
動画を見終わるたびに賢くなった気はするのに、月曜の朝にやる作業は先週と同じ。
あの空回りの正体は、これでした。

プロンプト集で写経をしていた頃の失敗と、根っこは同じです。
他人の How は、自分の「何を」が決まって初めて、道具になる。

残った判断基準

15万の授業料で手元に残ったのは、たった1つの判断基準です。
以来ずっと使っているし、これのおかげで無駄打ちは激減したので、回収はできたと思うことにしています。

買う前に、「これを使う自分の業務」を1つ、名指しできるか。

名指しできるなら、買っていい。
教材はちゃんと道具になります。
名指しできないなら、それはまだ買う段階ではなくて、自分の仕事を眺める段階。
財布ではなく、メモ帳を開く場面です。

「いつか使うかも」は、名指しに入れません。
当時の自分は「いつか」を握りしめて15万払いました。
いつかは、来ませんでした。

この基準のいいところは、教材だけでなくツールにも効くことです。
新しいAIツールが話題になるたびに触りたくなりますが、「これで自分のどの作業を消す?」に答えられないうちは、課金を見送る。
それだけで、ツール沼への再入場をだいぶ防げています。

売る側になって、余計にそう思う

正直に書いておくと、自分はいま、教材を売る側にもいます。
つい先日、はじめて有料のnoteを出しました。

だからこの話は、自分への釘でもあります。
「どうやる」の前に「何を」を決める手伝いをしないコンテンツは、読んだ人の15万コースに加担する。
買った人の業務が1つも動かないなら、中身がどれだけ立派でも、あの商材と同じ棚に並ぶことになる。
売る側に回ってみて、あのときの15万の重さの意味が、逆側から見えるようになりました。

もしあなたの本棚やブックマークに、買ったまま眠っている教材があるなら。
悪いのはあなたの根性ではなく、順番だと思います。
教材を再生する前に、自分の1週間から「これに使う」と名指しできる作業を1つ探す。
順番をそれだけ入れ替えれば、眠っている教材の何割かは、いまからでも道具に変わるはずです。


最後まで読んでくれて、ありがとうございます。
実際に作った仕組みの実装メモと、つまずきの記録を書いています。
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