ネタ切れは才能の問題じゃなかった|発信のネタ出しを仕組み化してみた話
投稿画面を開いて、カーソルが点滅しているのを、しばらく眺めていることがあります。
今日は何を書こう。
頭の中をひっかき回しても、これといったものが出てこない。
昨日までは書くことがあった気がするのに、いざその場に座ると、すっと消えている。
発信を続けていると、これが定期的にやってきます。
ネタが尽きた、という感覚。
自分もはじめの頃は、これを「自分にはもう書くことがないんだ」「そもそもネタを思いつく才能がないんだ」と受け取っていました。
でも最近は、そうじゃないな、と思うようになりました。
今日は、その「ネタ切れ」を自分がどう扱っているか、という話をします。
うまい発想法のコツ、みたいな話ではありません。
ネタを「ひねり出す」のをやめて、「貯めて、展開する」に切り替えた、という考え方だけです。
ネタ切れは、才能じゃなくて構造の問題
ネタが出てこないとき、自分は長いこと、机の前でうなっていました。
何か書くことないかな、と天井を見上げて、その場でひねり出そうとする。でも、この「机の前でゼロから思いつこうとする」やり方こそが、枯れる原因だったんです。
あとから振り返ると、書きたいと思ったことって、机の前では生まれていませんでした。
作業中に「あ、これ地味に詰まるな」と思った瞬間とか、移動中にふと「さっきのあれ、こう説明すればよかったな」と浮かんだときとか。
ネタは現場で生まれて、机に座る頃には消えている。
それを、いざ発信するときになって、もう一度ゼロから思い出そうとしていた。出てこないのは、当たり前でした。
だから自分は、ネタ切れを「才能や意志の問題」だと思うのをやめました。
思いつく力が足りないんじゃなくて、思いついたものを取りこぼす構造になっていただけ。
ここを「仕組み」の問題として捉え直すと、やることが変わってきます。
ネタは、その場で頑張って「出す」ものではなく、貯まっていくもの・展開していくものに、置き換えられる。

自分がやっているのは、たった3つ
じゃあ具体的に何をしているか、というと、大きく3つです。
1つめは、思いついたその瞬間に放り込む「箱」を持つこと。
2つめは、貯まった1つのネタを、切り口を変えて何本かに展開すること。
3つめは、書いたものを入れる「器」をあらかじめ用意しておくこと。
貯める:気づき・つまずきを、その場で箱に放り込む
展開する:1つのネタを、切り口を変えて数本に増やす
器に入れる:受け皿になる枠を先に用意しておく
この3つが回りはじめると、「今日は何を書こう」の前で固まる時間が、ずいぶん減りました。順番に話していきます。

まず、思いついた瞬間に放り込む箱を1つ
いちばん効いたのは、1つめの「箱」でした。
やっていることは単純で、何か気づいたり、つまずいたり、「今こう思った」が浮かんだら、その瞬間にどこか1ヶ所へ放り込む。
それだけです。
箱の中身はメモアプリでも、スマホの音声メモでも、何でもいい。
大事なのは、置き場所を1つに決めて、思いついた瞬間に入れること。
あとで探し回らなくて済むように、入り口を1つにしておく。
ここでのコツは、きれいに書こうとしないことです。
「通知が多すぎて、逆に見なくなる」みたいな、単語に近い断片でいい。
自分はこれを、わたがしみたいにふわっとした状態、と思っています。
まだ文章にもなっていない、形にもなっていない、でも確かに何か引っかかった、という手前の状態。
ここで整えようとすると、書くのが面倒になって、結局メモそのものをやめてしまう。
だから、雑なまま貯める。
整えるのは、後で書くときにやればいい、と割り切っています。
前に、業務を4つの工程に割る、という話を書いたことがあるんですが、あの分解の考え方は、ネタ出しにもそのまま効きます。
1つのつまずきを「どこで・何に・なぜ詰まったか」と割ってみると、ひとかたまりだった「なんか大変だった」が、いくつかの小さなネタに分かれる。
箱に放り込むときも、後で展開するときも、この「割る」が下地になっています。
1つのネタから、何本も引く
箱にネタが貯まってきたら、次は展開です。
ここが、自分の中でいちばん「ネタ切れ」の感覚を変えたところでした。
以前は、1つのネタ=1つの投稿、だと思っていました。
だからネタが3つしかなければ、3回分しか書けない。
すぐ尽きる。
でも実際は、1つのネタから、切り口を変えて何本も引けます。
自分がよく使うのは、次の3つの変え方です。
構文を変える:同じ出来事を、手順の記録として書くか、そのときの感情として書くか
メッセージを変える:同じ話から、何を伝えたいかのほうを変える
読者を変える:これから始める人に向けるか、一度つまずいて止まっている人に向けるか
たとえば、「n8nのエラーが解決できなくて放置していたのを、AIに貼ったらあっさり動いた」という、自分のネタが1つあります。
これを構文で変えると、淡々とした解決手順の話にもなるし、「動かなくて焦った→拍子抜けした」という感情の話にもなる。
メッセージで変えると、「エラーは怖くない」という話にも、「最初の壁は技術じゃなくて聞き方だった」という話にもなる。
読者で変えると、これから触る人向けにも、一度挫折して放置している人向けにもなる。
同じ1つの出来事なのに、切り口を変えるだけで、まったく違う何本かになる。
こう考えられるようになってから、「ネタが少ない」という焦りが、ずいぶん減りました。
足りないのはネタの数じゃなくて、1つを何本にも展開する切り口のほうだったんです。
なのでこの記事を読んでいるあなたも私のXやThreadsの内容を見てみてください。
きっとこれは構文を変えただけだな、とかメッセージ・読者を変えただけだなって言うのがきっとわかるはずです。

「今日、何を書こう」を消す、器の話
3つめは、書いたものを入れる「器」です。
ここは、地味だけど効きます。
器というのは、連載やマガジンみたいな、受け皿になる枠のことです。
たとえば自分の場合、「つまずいたこと辞典」みたいな枠と、「今週やった自動化」みたいな枠を、先に用意しています。
枠が先にあると、何が変わるか。
「今日は何を書こう」が、「あの枠の、次の1本を書こう」に変わるんです。
「今週やった自動化」は週の振り返りにもなるのでおすすめです。
これ、けっこう大きい違いでした。
ゼロから「何を」書くか決めるのは、毎回しんどい。
選択肢が無限にあるから、かえって手が止まる。
でも「あの枠の続き」なら、テーマは枠が決めてくれているので、あとは箱から合うネタを1つ選んで入れるだけ。
選ぶ手間が、ぐっと減ります。
しかも、器があると、貯める側も楽になります。
箱にネタを放り込むとき、「あ、これはあの枠のやつだ」と、うっすら行き先が見える。
貯める・展開する・入れる、が1本の線でつながってくる。
器は、いちばん最後の話に見えて、実は最初の「貯める」ところまで軽くしてくれる存在でした。
ネタが切れないのは、貯め方と展開の仕方
ネタ切れって、「自分には書くことがない」「発想の才能がない」の問題に見えて、実は貯め方と展開の仕方、という仕組みの問題のことが多い、というのが自分の実感です。
机の前でゼロからひねり出そうとするから枯れるだけで、思いついた瞬間に箱へ放り込んで、1つを切り口で何本かに展開して、器に入れていく。
この3つが回っていれば、少なくとも「真っ白な画面の前で固まる」時間は、かなり減ります。
もちろん、これで無限にネタが湧く、みたいなうまい話ではありません。
貯めた箱をのぞいてもピンとこない日はあるし、展開してみても薄いな、というときもある。
ただ、「今日ゼロから思いつけるかどうか」に発信を賭けなくてよくなった、というだけで、続けるのはずいぶん楽になりました。
もし発信が続かなくて困っているなら、いい発想法を探す前に、まず思いついたものを放り込む箱を1つ決めてみる。
自分の場合は、そこがいちばんの入り口でした。
雑にAIに投げて文章を整えればいいので、まずはAIに自分の考えを投げてみてください。
最後まで読んでくれて、ありがとうございます。
実際に作った仕組みの実装メモと、つまずきの記録を書いています。
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