見出し画像

「動かない」のほとんどは、"どこで止まったか分からない"だけだった

n8nを4ヶ月放置していた頃、自分の口癖は「動かない」でした。

インストールして、最初のフローを組もうとして、エラーが出て、動かない。
何度か触り直して、動かない。
そのうち開かなくなりました。
「やっぱりプログラミングの知識がないと無理なんだ」という結論つきで。

いまなら分かるんですが、あのときの「動かない」は、正確な言葉ではありませんでした。
動いていた部分は、実はけっこうあった。
正確に言うなら「どこかで止まっているが、どこで止まったか分からない」。
この2つは、似ているようでまったく別の状態です。

地味な言葉の話に聞こえるかもしれません。
でも、自分がツールで詰まらなくなった理由を1つだけ挙げろと言われたら、たぶんこれです。


「動かない」は、状態の名前じゃない

車が走らないとき、「車が動かない」とだけ言う人は、修理工場でも困らせます。
エンジンがかからないのか、かかるけど進まないのか、異音がするのか。
どこまでは正常で、どこからおかしいのか。
それが言えて初めて、直す作業が始まる。

仕組みも同じでした。
「動かない」は状態の名前ではなくて、「どこで止まったか分からない」の言い換えなんです。
そして分からないのは、たいてい能力の問題ではなく、見る場所を決めていないだけ。

自分が4ヶ月放置していたときも、フローの前半は実は毎回ちゃんと動いていました。
止まっていたのは特定の1ヶ所。
でも当時は全体をひとかたまりで見ていたので、1ヶ所の停止が「全部ダメ」に見えた。
ひとかたまりで見ると、成功と失敗も、ひとかたまりになります。

エラーをAIに貼ったら5分で解決した、の種明かし

放置から戻ってこられたきっかけは、前に書いた通り、エラー画面を丸ごとAIに貼ったことでした。
4ヶ月詰まっていたものが、5分で解決した。

当時は「AIすごい」で片付けていたんですが、いま思うと、あれには種があります。
エラー画面って、「どこで止まったか」をシステムが特定してくれた状態なんですよね。
何行目で、どの処理が、何を理由に止まったか。特定が済んでいる問題は、AIにとっても人にとっても、答えやすい問題です。

つまりあのとき効いたのは、AIの賢さが半分、エラー画面が持っていた「場所の情報」が半分。
逆に言うと、場所の情報がない質問は、AIに投げても弱いです。
「なんか動かないんですけど」と貼るものが何もない状態では、AIも「なんかですか」としか返せない。

質問の質は、実は文章力ではなく、特定の精度で決まっています。

直す前に、特定する

なので自分は、仕組みが動かないとき、直そうとするのをいったんやめました。
最初にやるのは特定だけです。

やり方は単純で、流れを上から順に見ていく。
n8nなら、各ブロックの実行結果を左から確認して、「ここまでは来ている」「ここから先に進んでいない」の境目を探します。
設定の細かい話ではなくて、地図の上で指を滑らせる感覚です。

  • ここまでは動いた(正常)

  • ここで止まった(特定)

  • なぜ止まったかは、まだ考えない

3つ目がコツです。
特定と修理を同時にやろうとすると、頭が混乱して、また「全部動かない」の視界に戻ります。
境目さえ見つかれば、あとはその1ヶ所のエラーを丸ごとAIに貼ればいい。
修理は、特定が終わった人にとっては、作業です。

業務が「回らない」も、同じだった

この見方は、ツールの外でも使えます。

「チームの業務が回らない」「この案件がうまく進まない」。
仕事のこういう悩みも、よく見ると「動かない」と同じ構造をしています。
全体がひとかたまりに見えていて、どの工程で止まっているかを誰も特定していない。

業務を、きっかけ・判断・作業・記録の4つに割る話を前に書きましたが、割ることの効能の半分は、実はこの特定にあります。
工程が割れていれば、「回らない」ではなく「判断のところで毎回詰まる」と言える。
そこまで言えれば、打ち手は半分決まっています。

言い換えるだけで、半分終わる

まとめる代わりに、ひとつだけ提案して終わります。

今度「動かない」「うまくいかない」と言いたくなったら、口に出す前に「どこで止まった?」に言い換えてみてください。
答えられれば、その問題はもう半分解けています。答えられなければ、やることは悩むことではなく、上から順に境目を探すことです。

4ヶ月止まっていた人間の実感として、詰みの正体は、能力不足より視界不良のほうがずっと多いです。


最後まで読んでくれて、ありがとうございます。
実際に作った仕組みの実装メモと、つまずきの記録を書いています。
今後の投稿が気になる人はフォローしておいてください。

いいなと思ったら応援しよう!