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私的映画録…「らせん」1998年 [映画感想文]

あちこちでいろいろな文章を書いたり、本を出したり、セミナーで話したり、Web関連を中心としたPRのディレクションをしたり、音楽作品を出したり、アーティスト紹介サイトの運営をしたり、うさぎの動画を作ったり…なんてことをしているけれど、そのどこでも書けていない、これまでに観た映画等の感想でも書いておこうかと書き始めた第424弾。

今回は、前作「リング」とは異なる奇妙な温かさを感じた作品「らせん」のお話。

先に書いておくと、原則としてネタバレとかまったく気にせず書いているので、まだ観てない方やネタバレが気になる方はお読みにならない方がいいかもと思います。

ちなみに先に言い訳しておくと、この感想もだいぶ前に書いているものをちょっとなおして載せているので、まさに今の情報とは違っていることもあるかもしれませんので、そういった点もお許しください(毎回冒頭から言い訳が多い)。


公開:1998年1月31日
監督:飯田譲治
脚本:飯田譲治
原作:鈴木光司
製作総指揮:原正人、河井真也、一瀬隆重、仙頭武則
出演者:中谷美紀、佐藤浩市、鶴見辰吾、小木茂光、佐伯日菜子、松重豊、松嶋菜々子、真田広之、等
配給:東宝

もちろん前作「リング」観てから観ないとおそらくほぼ意味不明になってしまうんだけれど、「リング」をちゃんと観てから観ても、だいぶいろいろと考えながら観ないと、ちょっとついていけなくなるかもしれないくらい話が複雑で面白い。

シンプルに言ってしまえば、前作「リング」がとにかく怖いホラー作品だったのに対し、こちらはかなり推理モノのような要素が入っていると思えて、怖いは怖いんだけれど提示される謎を解いていく楽しみがあるという感じ。

そして最後は「リング」の緊迫した世界が一気に救われた気持ちになった。
「リング」が持っている恐怖と、その背景にある切なさの理由。
それがこの作品によって、じわっとした温かさに変わって入ってくる感じ。
特にラストの海岸。
ここでジンと来た。

それにしてもその推理モノ的なネタも凝ってたなぁ。
解剖された高山(演・真田広之さん)の胃から出てくる数字の書かれた紙片。
浅川(演・松嶋菜々子さん)が息子と事故で死んだけれど息子は事故以前に死んでいた。
前作「リング」とは内容に違いがあるビデオ。
前作とは明らかにキャラが変わっている舞(演・中谷美紀さん)。
高山(演・真田広之さん)の身体から検出されるウィルス。
それと同じものが検出された浅川の上司(演・松重豊さん)の遺体。
しかしそのウィルスは本作の主役・安藤(演・佐藤浩市さん)からは検出されない。
浄化槽の中で亡くなる舞。
安藤が生き残るために必要なこと…。
いやぁ…一生懸命思い出してもちょっと思い出し切れないくらい要素が多いのなんの。
次から次へと新しい要素が出てくるのでそれを整理しながら追いかけるのが大変という感じだったことも思い出すなぁ…。

そしてやはりいい作品は役者さんがいい。
特に、前作とはやや性格が異なる上に本作でも冒頭からどんどん雰囲気が変わっていく舞を演じた中谷美紀さんがすさまじくいい。
この映画を観た当時まだ中谷美紀さんという俳優さんのことをあまり知らない状態だったこともあって、「この人なんだ!?…すげぇな!」と単純に驚いてしまった。
あんなに不器用そうな女の子と観せてたのに、だんだん妖艶さも感じさせた上に怖さも感じさせるようになって、最後はあんなに達観した感じになるんだもんなぁ…本当にすごい。

それと個人的に佐伯日菜子さんの貞子が好き。
いや、単に佐伯日菜子さんが好きなだけかw
あの目、やっぱいいよなぁ。

そうそう、真田広之さん演じる高山は作品冒頭で既に死んでるんだけれど、安藤に解剖される時の遺体の背面の描写がすごかったなぁ…遺体ってこんな風になるのかと…それが突然アレだもんなぁ…ここはマジ怖かったw

ということでこの連作は本当に傑作。
そしてこの作品についてはもうただのホラーではない。
推理や医学モノのようでもあり、そしてなんだかんだと愛を感じるんだよなぁ。
あと、人間の業のようなものも感じるなぁ。
こんな素材で、ここまできちんと作られた作品は珍しいと思う。
本当に素晴らしい。

そうそう、これらの原作者である鈴木光司さんが亡くなりましたねぇ…普段映画の原作ってあまり読んだりしないことが多いんだけど、この連作は完結編の「ループ」まで読んだっけなぁ。
正直原作はもっと複雑で分かりにくいとは思ってしまったんだけれど、亡くなったという報を聞いた時は、こんな素晴らしい作品を私たちに観せてくれて本当にありがとうございましたという気持ちになったっけ。

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