詩の感想「黒い空気」左川ちか
まず詩のタイトルである「黒い空気」とは、夜の訪れを暗示しているのかと思いました。夜そのものではなく黒い空気に包まれていくにつれ、夜が訪れると言った風に。
「夕暮れが遠くで太陽の舌を切る」の一行から強力。無化に近しい異化するイメージで読み手を惹きつけて、同時に挑みかかるようです。全体の詩に描かれる、夜の訪れの光景は、心象の街で起こったことのようにも思えてきます(箱庭のように)
乗合自動車(バス)では焔をのせていますが、外部の魂というより詩を書いているまさにその時の左川ちかの情熱ではないでしょうか。そのあと悲しみを追い出すまで、感情を躍らせ続けることにも熱情が夜になってもなお、いや夜だから、一層と息づいています。
夜の訪れを「黒い空気」というタイトルで暗示しているのも秀逸ですし、ことばの選択により、映像的に浮かびます、かつ、切れ味の良異(エッジの効いた)一文、一文、は音読してみると音楽的でもあります。
私がわからなかったフレーズは二行目「水の中では空の街々が笑うことをやめる」です。空の街々です。推測するに街街の賑やかさが夜になるにつて消えることを表しているのでしょうか。なぜ空なのか?
象徴的な詩でとても暗い詩に一見思えます、けれどこの詩には左川の秘めた情熱が迸っています。
