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スープストックトーキョーが「美味しい」だけで終わらない理由──伝説の人物像「秋野つゆ」で学ぶ、迷わない決断のつくり方

こんにちは。
株式会社スプリングボード代表の足立晋平です。

駅ナカやオフィス街で「Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)」のロゴを見かけると、ふっと吸い寄せられることってありませんか?

実はうち、妻がスープストックトーキョーの大ファンでして。
休日だろうが平日夜だろうが、看板を見つけると、ほぼ反射的にこう言われます。

「寄ってく?」

僕も嫌いじゃない、むしろ好きなので「いいよ」と答えるんですが、毎回思うんですよね。

派手なのぼりがあるわけでも、強い値引きシールが貼られているわけでもない。
なのに、なぜか“安心して入ってしまう”。

あの引力は、ただ「スープが美味しいから」「お洒落だから」だけでは説明しきれない気がするのです。

今日は、マーケティングの世界では有名な話を借りながら、私たちの仕事の「決断」をちょっとラクにするヒントについて書いてみます。



👤 伝説の顧客「秋野つゆ」さん

スープストックトーキョーの成功要因として、必ずと言っていいほど語られるのが「秋野つゆ」さんという女性の存在です。

いわゆる「ペルソナ」。つまり、商品やサービスを利用する架空の顧客像のこと。

ただ、ここの設定が半端じゃありません。
「20代〜30代の働く女性」みたいな、ふんわりしたターゲット層ではない。
たった一人の人物にまで、恐ろしいほど解像度を上げているんです。

【秋野つゆ】

  • 37歳、女性

  • 都心で働くバリバリのキャリアウーマン

  • 都内在住、独身か共働き

  • 社交的だが、自分の時間を大切にする

  • フォアグラよりレバーが好き

  • プールに行ったら、まずはクロールから泳ぐ

「プールでクロールから」って、妙にリアルですよね。

ウォーキングコースでお喋りするのではなく、自分のペースを守って、時間を無駄にせずスッと泳ぎ出す。
そんな彼女の背中まで見えてきそうです。

ここまで絞り込むと、普通は怖くなるものです。
「そんな一人の好みに寄せたら、他のお客さんが離れるんじゃないか?」って。

でも結果は逆でした。
たった一人に向けてメッセージを研ぎ澄ませたことで、「こういう店、待ってた」という人があちこちから集まってきた。


🧠 ペルソナは“当てる”ためじゃなく、“迷いを減らす”ためにある

ここが、僕がいちばん伝えたいところです。

「よし、うちも秋野つゆみたいな詳細なペルソナを作ろう」
研修やコンサルの現場でも、そう意気込む方は多いのですが……

作っただけでは、多分何も変わりません。

本当に効くのは、人物像そのものよりも、「迷ったとき、戻れる軸が一つできる」という点なんです。

つまりペルソナは、マーケティングのテクニックというより、仕事の「決断装置」

仕事をしていると、こんな場面に遭遇しませんか?

  • 良かれと思って施策を盛り込みすぎ、現場が疲弊する

  • 会議で「あれも大事、これも大事」と意見が割れて決まらない

  • 結局、誰に向けた商品なのかボヤけてしまう

このとき、最強の切り札になるのがこの問いです。

「秋野つゆなら、これを選ぶか?」

この問いが一つあるだけで、何が起きるか。
「やる」ことが決まるのはもちろん、「やらない」ことが決まるんです。


🍲 「揃っている」ことの強さ

スープストックが徹底していたのは、たぶんこの「やらない決断」の連続でした。

もし、
「学生向けに大盛り定食もやろう」
「回転率を上げるために立ち食いにしよう」
みたいな、バラバラな“良さそうなこと”を積み増していたら……

たぶん僕も妻も、あそこまで安心してお店に入っていなかったはずです。

能力が高いことよりも、一貫性があること
そして一貫性を生むのは、ぶれない「決断の軸」

ここで一つだけ、僕の好きな理論を紹介させてください。

💡ちょこっと理論紹介💡
🧩 ジョブ理論(Jobs To Be Done)

人は商品そのものを買っているのではなく、「片づけたい用事(ジョブ)」を片づけるために、その商品を“雇用”しているという考え方。
たとえば、「ドリルが欲しい」のではなく「壁に穴を開けたい」からドリルを買う、という有名な話があります。

冬の夕方、仕事終わりでヘトヘトな時。
コンビニ飯は味気ない。
でも居酒屋に座って長居する元気もない。

このとき私たちが抱えているジョブは、たぶんこうです。

「短時間で、温まりたい」
「ちゃんと食べた感がほしい」
「気持ちも少し整えたい」

スープストックトーキョーは、秋野つゆさんのこのジョブに対して、脇目もふらず真っ直ぐだった。
だから、「選ばれ続ける」場所になったのだと思います。


🧩 私たちの仕事に置き換えると

これ、飲食だけの話じゃありません。

僕の本業である研修の設計でも同じことが起きます。

「管理職にはあれも教えてあげたい、これも伝えたい」
そうやって親切心で詰め込みすぎると、結局受講者は消化不良でお腹を壊す

だから僕は、迷ったときは自分にこう聞くようにしています。

「この研修で、いちばん喜んでほしい『たった一人』は誰だろう?」

そして、もう一歩だけ。

「その人は今日、どんなジョブを片づけたくてここに来る?」

ここまで落とし込めると、決断が驚くほどラクになります。
八方美人をやめるというより、一点に集中して“揃える”勇気が湧いてくる感覚です。


✅ 最後に

あなたの仕事における「秋野つゆ」さんは、どんな顔をした人ですか?

そして、もしそのたった一人を基準にするとしたら、
明日から「やらない」と捨てられそうな仕事は何でしょう。

よければコメントで教えてください。
「自分の仕事のペルソナはこんな人です」でも、「これをやめることにしました」でも。
スキもコメントも、めちゃくちゃ励みになります。


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