防災グッズ、まだ何も買っていない人へ。4人家族+犬1頭で、どこから始めるか
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Amazonのアソシエイトとして、当noteは適格販売により収入を得ています。
はじめに、立場をはっきりさせておきます。
私は防災の専門家ではありません。 資格も持っていません。
公的機関の資料を調べて、自分の家のためにまとめただけの一生活者です。
そして正直に言うと、この記事を書いている時点で、私はまだ防災グッズを何も買っていません。
だからこの記事は「揃えた人の自慢」ではなく、「これから始める人の手順書」です。
公的資料から取った数字には出典を付けました。私の判断で置いた目安は、その旨を書いています。
間違いが見つかったら直します。
北海道に住んでいる前提で書いています。冬の話が出てきます。
なお、記事の終わりのほうに、印刷して買い物に持って行けるチェックリスト(A4・4ページ)を無料で置いてあります。
登録もメールアドレスも要りません。読むのが面倒な方は、そこまで飛ばしてもらってかまいません。
1. まず、市販の防災リュックを見てみた
「防災リュック 32点セット」みたいな商品、見たことがあると思います。
必要なものが一式入っていて、届いたその日から備えが完成する。ありがたい商品です。
まず、これをやってみてください。
商品ページを開いて、価格を見る。そして、その数字を4倍する。
これだけです。1分もかかりません。
……どうでしたか。
たぶん「うっ」となったと思います。私もなりました。
今月はちょっと無理かな。
そう思ってブラウザを閉じる。
これが一番よくないパターンで、私も去年これをやりました。 そして1年、何も買っていません。
この記事は、その「うっ」を分解するところから始めます。
※価格は日々変わるので、この記事に金額は書きません。リンク先の表示価格をご確認ください。
また、北海道あては送料が別枠になる商品があります。 合計金額は必ずご自身で確認してください。
2. 4個買うと、同じものが4本ずつ増える
市販セットは「1人用」として設計されています。
だから4個買うと、同じものが4つずつ並ぶことになります。
実際に、あるAmazonの1人用32点セットの内容物を見てみます(2026年9月3日時点の商品ページ表示より)。
寝袋、エアピロー、非常袋、簡易トイレ、給水袋、保存水、ウォーターバッグ、ビスケット、軍手、マスク ほか
これを4個買うと、どうなるでしょうか。
4個いるもの
軍手 … 手は4人分あります
マスク … 同上
寝袋、エアピロー … 人数分いります
1個か2個で足りるもの
給水袋、ウォーターバッグ … 水を汲みに行くのは大人1〜2人です。4枚は使いません
4個あっても、まだ足りないもの
簡易トイレ … これは後で詳しく書きますが、4個どころか全然足りません
つまり4個買うと、
要らないものにお金を払いながら、一番足りないものは足りないまま、という状態になります。
ここで、買う前にやってほしいこと。
気になっているセットの商品ページを開いて、内容物の一覧を見てください。
そのうえで、1行ずつこう自問してください。
これは、本当に4個いるか?
念のため書いておくと、これは市販セットが悪いという話ではありません。
1人用として売っているのだから、1人用として正しい構成です。
4人で買うときに、こちらが組み替える余地があるという話です。
3. 「置き場所」で3つに分けると、一気にラクになる
ここが今回いちばん伝えたいところです。
防災グッズが難しく感じるのは、全部を1つのリュックに詰めようとするからです。
水を7日分リュックに入れたら、背負えません。
分け方はシンプルで、置き場所で3つに分けます。
① リュックに入れる用 … 家から出るとき背負って行くもの
② 家に常備する用 … 家にいられるとき使うもの(在宅避難)
③ 車に入れておく用 … 出先で被災したとき、車の中にあるもの
この3つは目的が違うので、中身も違います。
同じものを3か所に置く必要はありません。
以下、順番に見ていきます。
4. ① リュックに入れる用(持ち出し)
目的:とにかく安全な場所まで移動すること。
生活する道具ではなく、移動するための道具を入れます。
1人1個いるもの
離れ離れになる可能性を考えると、1人ずつ持っていた方がいいものです。
ライト(1人1個。夜の停電時、家族で1個だと動けない人が出ます)
ホイッスル(がれきの下で声を出し続けるのは体力が持ちません)
軍手
アルミブランケット
レインコート、またはポンチョ
マスク
常備薬・処方薬(該当する人)… お薬手帳のコピーか写真も一緒に。持ち出し用の予備が必要かは、かかりつけ医・薬剤師にご相談ください
現金(小銭を多めに。停電するとレジも自販機も使えません)
連絡先を書いた紙(スマホが使えない前提で。1枚でいいです)
家族で1個でいいもの
ラジオ
モバイルバッテリーと充電ケーブル(大人が分けて持つと安心です)
救急セット
ハサミ、カッター
筆記用具
ガムテープ
ゴミ袋、ポリ袋(多めに。用途が異常に広いです)
給水袋
携帯トイレ(初動の数回分。まとまった量は家に置きます)
家にあるもので足りるもの
わざわざ買わなくていいものです。
タオル(新品でなくていい)
着替え、下着(古いものでいい)
新聞紙(保温・敷物・簡易トイレの吸収材と、用途が広い)
ラップ、アルミホイル(食器に敷けば洗い物が減ります)
ビニール袋(レジ袋で足ります)
ペットボトルの水(買い置きを回せば済みます)
リュック本体も、まずは家にある登山用や旅行用のもので十分です。
専用リュックを買うのは、中身が揃ってからで遅くありません。
5. ② 家に常備する用(在宅避難)
目的:家が無事なら、家で暮らし続けること。
実は、家の安全が確認できているなら、避難所に行くより家にいられる方が圧倒的にラクです。
ただし、家に留まっていいかどうかを自己判断しないでください。
自治体が出す避難情報に従い、被災後は応急危険度判定(自治体が行います)の結果を確認してください。
「まだ立っているから大丈夫」は判断材料になりません。
そのうえで、家に置くものは覚えるべき数字が3つしかありません。
数字その1:水
内閣府は、1人1日3リットル、最低3日分、できれば1週間分としています。
3日分:3L × 4人 × 3日 = 36L(2Lボトル18本)
7日分:3L × 4人 × 7日 = 84L(2Lボトル42本)
7日分は結構な量です。いきなり全部は無理なので、まず3日分からでいいと思います。
数字その2:食料
農林水産省は、最低3日分〜1週間分×人数分としています。
高い非常食を買う必要はありません。
普段食べているレトルト・缶詰・カップ麺・パスタを少し多めに買って、
古いものから食べて買い足す。これで足ります(ローリングストックという呼び方をします)。
数字その3:トイレ
ここが一番見落とされます。
神奈川県と兵庫県高砂市が、それぞれ公式サイトで同じ考え方を示しています。
1日の排泄の平均回数は1人5回と言われています
5回 × 家族の人数 × 最低3日分
(もとになっているのは内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」と
経済産業省「トイレ備蓄 忘れていませんか」です)
これを4人家族に当てはめると、こうなります。
3日分:5回 × 4人 × 3日 = 60回分(高砂市が示している計算例そのままです)
7日分:5回 × 4人 × 7日 = 140回分
7日分のほうも、私が勝手に延ばした数字ではありません。
経済産業省は**1人あたり35回分(7日分)**の備蓄を呼びかけています。4人なら140回分です。
60回分。この数を、気になっているセットの商品ページに書かれた携帯トイレの個数と見比べてみてください。
内容物はセットによって違うので、何回分入っているかは必ずご自身で確認してください。
ただ、60回分に届くセットはそう多くないはずです。
水と食料は買い置きで何とかなりますが、トイレだけは意識して買わないとゼロのままです。
もし今日1つだけ買うなら、私は携帯トイレを勧めます。
そのほか、家に置くもの
カセットコンロとカセットボンベ
トイレットペーパー、ティッシュ、ウェットティッシュ
ゴミ袋(45Lを多めに)
乾電池(ライトとラジオのサイズを確認してから)
生理用品、紙おむつ、ミルク(該当する家庭は人数×日数で計算してください)
ブルーシート
給水用のポリタンク
6. ③ 車に入れておく用
北海道では、ここが本気で効いてきます。
車で移動中に地震や吹雪に遭ったとき、車の中にあるものが持ち物のすべてになります。
水(1〜2L。夏場は劣化するので入れ替えを)
携帯トイレ(数回分。渋滞で動けなくなったとき使います)
アルミブランケット、毛布
ライト
軍手
スコップ(冬は必須。マフラーが雪で埋まると一酸化炭素が車内に入ります)
ブースターケーブル
長靴、防寒着
冬の車で、絶対に外せない話
雪の中で車のエンジンをかけ続けると、一酸化炭素中毒の危険があります。
マフラーが雪で塞がると、排気ガスが車内に流れ込むためです。
JAFが実際に測っています。マフラーが雪に埋まった状態でエンジンをかけると、
1分24秒で警報値の50ppmに達し、その後は測定器の上限(300ppm)を振り切りました。
一方で、この実験にはもうひとつ大事な結果があります。
マフラーの周りだけ除雪しておけば、ボンネットの上まで雪に埋まっていても車内の濃度はほとんど上がりませんでした。
つまり、マフラー周りの雪をかき出すことに意味があるということです。
一酸化炭素は無色無臭で、眠気として出ます。自分では気づけません。
「気分が悪くなったら換気しよう」では間に合わない、という前提で考えてください。
ただし、吹雪の中で車の外に出ること自体が危険です。
視界がない状況では、車から数歩離れただけで戻れなくなることがあります。
車から離れない、命綱を使うなど、そのときの状況で判断してください。
一方で、エンジンを切れば暖房も止まります。氷点下の車内は急速に冷え、低体温症の危険があります。
車の中にいるから安全、ということにはなりません。
つまり北海道の冬の車中泊は、どちらにもリスクがあるという前提で装備を積むしかありません。
「エンジンを切れば安全」でも「車にいれば安全」でもない、というのが正確なところです。
これは私が判断できる範囲を超えるので、実際の行動は、
そのときの気象条件と自治体・警察の情報に従ってください。
7. 北海道の冬だけの、3つの落とし穴
本州向けの防災リストには載っていない話です。
落とし穴1:FF式暖房は、停電すると止まる
北海道の家に多いFF式ストーブは、外の空気を取り込んで外に排気する仕組みで、
そのファンと制御基板を動かすために電気を使います。
灯油が満タンでも、停電したら動きません。
日本ガス石油機器工業会も、はっきりこう書いています。
100Vを使用している石油燃焼機器につきましては、停電時に使用できません。
(ただし機種ごとに違いがあります。ご自宅のストーブの取扱説明書もご確認ください)
つまり、真冬に停電すると、暖房がゼロになる家が出てきます。
カセットガスストーブや石油ストーブ(電気を使わないタイプ)を1台持っておくと、状況が変わります。
ただし、この2つは必ず「換気」とセットです
ここは飛ばさずに読んでください。
電気を使わない石油ストーブも、カセットガスストーブも、
燃焼した排気を室内にそのまま出す「開放型」の器具です。
締め切った部屋で使い続けると、一酸化炭素中毒の危険があります。
日本ガス石油機器工業会は、石油ストーブについてこう示しています。
北海道の家は気密性が高く、しかも「真冬に停電した」=いちばん窓を開けたくない状況です。
危ない条件がそろっている、ということです。
1時間に1〜2回の換気(必ず、お使いの製品の取扱説明書に従ってください)
寝るときは消す
一酸化炭素は無色無臭。一酸化炭素警報器の設置も検討してください
カセットコンロを暖房代わりに使うのは、メーカーが想定していない使い方です
器具ごとに条件が違います。ここは私が判断できる範囲を超えるので、
購入したら必ず取扱説明書の換気の指示を読んでください。
落とし穴2:カセットボンベは、寒いと火がつかない
カセットボンベの中身は液体で、気化してはじめて燃えます。
気温が下がると気化しにくくなり、火力が落ちたり、そもそも着かなかったりします。
低温向けにガスの配合を変えた製品(イソブタンを多く含むタイプ)もあります。
買うときは、パッケージに書かれた使用目安温度を必ず見てください。
普通のボンベを冬の北海道の想定で買うと、いざというとき使えない可能性があります。
※具体的な対応温度はメーカーと製品で違います。私はメーカー公式ページで各製品の
数値を確認しきれなかったので、ここに数字は書きません。店頭で現物のパッケージをご確認ください。
落とし穴3:備蓄を玄関や物置に「外置き」すると、機能を失う
北海道でやりがちなのがこれです。かさばるから、玄関の外や物置に置く。
冬にどうなるか。
水は凍って、ペットボトルが破裂することがあります
携帯トイレの凝固剤は、低温だと反応が鈍る可能性があります(製品によって差があります。低温での使用条件はパッケージやメーカーの表示をご確認ください)
電池は低温で出力が落ちます
備蓄は、暖房の効く室内に置いてください。 押し入れでもクローゼットでも構いません。
外に出した瞬間、備蓄ではなくなります。
8. 100均でいいもの、やめた方がいいもの
100円ショップ(税込110円が基本。2026年9月時点。税率や店舗、商品によって異なります)は、防災グッズの味方です。
ただし、全部を100均で揃えるのは違います。
100均で十分なもの
消耗品と、壊れても命に関わらないものです。
軍手
ホイッスル
アルミブランケット
ゴミ袋、ポリ袋
タオル、圧縮タオル
収納袋、ジッパー袋
食器、割り箸、紙皿
ラップ、アルミホイル
養生テープ
歯ブラシ
雨具(一時しのぎとして)
100均でもいいが、注意が必要なもの
簡易トイレ … 使えますが、凝固剤の量と処理袋の厚みを店頭で確認してください。安いぶん、まとめ買いで数を確保する使い方が向いています
ライト … 予備としては優秀。ただしメインには弱いです
乾電池 … 使えますが、長期保管の使用推奨期限を見てください
100均をおすすめしないもの
壊れたときに困るもの、命に直結するものです。
メインのライト(明るさと連続点灯時間が足りないことがあります。パッケージのルーメン表示と連続点灯時間を、他店の製品と見比べてから決めてください)
ラジオ
モバイルバッテリー(容量表示と実容量が合わないことがあります)
長期保存を前提とした水・食料
犬のリード、首輪、ハーネス(後述します)
判断の軸は「安いか」ではなく、**「壊れたとき困るか」**です。
9. 犬がいる家は、ここを追加する
我が家には犬がいます。犬の話を1章分入れます。
まず、いちばん大事な事実
「同行避難」は、「避難所で一緒に過ごせること」ではありません。
北海道北斗市の公式ページには、こう書かれています。
ペット同行避難とは、ペットと一緒に避難所まで安全に避難することであり、
避難所でペットと人間が同室または同じ空間で避難生活を送ることではありません。
避難所での扱いは施設によって違い、屋内にペット用スペースがある場合もあれば、屋外になる場合もあります。
つまり、連れて行けば必ず一緒にいられる、とは限りません。
これは自治体・避難所ごとにルールが違うので、お住まいの市町村の公式情報を必ず確認してください。
「たぶん大丈夫だろう」で当日を迎えるのが、一番つらいことになります。
受け入れ条件も、先に見ておいてください
多くの自治体が、受け入れの条件を決めています。よくあるのはこのあたりです。
狂犬病予防注射を接種済みであること(多くの自治体が条件にしています。「2年以内の接種」など期限を切っている自治体もあります)
鑑札と注射済票を装着していること(これは狂犬病予防法で決まっている、飼い主の義務です)
混合ワクチンの接種(条件にしている自治体と、推奨にとどめている自治体があります)
ケージやクレートに入って、落ち着いていられること
未接種だと、受け入れを断られることがあります。
これは当日どうにかできるものではありません。今のうちに接種状況を確認しておいてください。
条件は自治体によって違うので、必ずお住まいの市町村のページで確認をお願いします。
犬の備蓄は何日分か
環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」は、こう書いています。
指定避難所等にペット用の救援物資が届くまでには時間がかかることがあるため、
少なくとも5日分(できれば 7 日分以上)は用意しておくとよい。
特に、療法食等の特別食を必要としているペットの場合は、さらに長期間分の用意が必要である。
北海道北斗市は、フードと排泄物の処理用具を少なくとも1週間分としています。
長いほうに合わせて、1週間分で見ておけば安全です。
人間より長めです。 人間用の支援物資は届いても、ペット用は後回しになりやすいからです。
必要量の計算方法
ここは正直に書きます。
犬の体重・年齢・普段のフード量が分からないと、必要量は確定できません。
勝手に想定して数字を出すと、足りない家庭が出てしまいます。
なので、計算式だけ置いておきます。
フード:
普段の1日の給餌量(g) × 7日分
※袋やパッケージに書いてある給餌量ではなく、実際にあげている量で計算してください
ペットシーツ:
1日に使う枚数 × 7日分
※避難先では外で排泄させられない場面があるので、普段より多めに見ておくと安心です
排泄物処理袋:
1日の回数 × 7日分 + 予備
水:
体重によって変わります。ここは獣医師に確認するのが確実です。
数字を自分で決めないでください。
犬用に用意するもの
必須(これが無いと避難できません)
リード(普段使いのもの)
予備のリード … 切れたら詰みます。これだけは必ず2本目を。
これは私の思いつきではなく、環境省ガイドラインが持ち出しの優先順位1に
「予備の首輪、リード(伸びないもの)」を挙げています首輪 または ハーネス
迷子札、鑑札、マイクロチップの情報
キャリーバッグ または クレート(避難所では、これに入れて過ごすことが条件になる場合があります)
フード(1週間分)
水
ペットシーツ、排泄物処理袋
常用薬・療法食(該当する場合)… 何日分を予備として持てるかは、必ずかかりつけの獣医師にご確認ください。自己判断で量を減らしたり、市販品で代用したりしないでください
推奨
折りたたみ食器
消臭袋
タオル、ウェットタオル
ブラシ
普段使っている毛布や、匂いのついたタオル
お気に入りのおもちゃ
最後の2つは「そんな余裕ないでしょ」と思われるかもしれませんが、これは実用品です。
避難先は犬にとって、知らない場所・知らない音・知らない人だらけです。
自分の匂いがするものが1枚あるかどうかで、落ち着き方がまるで違います。
犬の情報は、紙とスマホの両方に
停電すればスマホは死にます。紙が濡れれば読めなくなります。両方持ってください。
まとめておく内容:
犬の名前、犬種、年齢、性別、体重
マイクロチップの番号
ワクチン接種の記録
既往歴、投薬内容
かかりつけ動物病院の名前と電話番号
預け先の候補
犬の写真(飼い主と一緒に写っているもの)
写真は、はぐれたときに「この犬は自分の犬だ」と示す証拠になります。
一緒に写っているものが有効です。
犬用品の100均について
100均でいい … 食器、収納袋、タオル、ゴミ袋、ウェットティッシュ、排泄物処理袋、ブラシ
100均はやめた方がいい … リード、首輪、ハーネス
理由は単純で、切れたら犬が走って行ってしまうからです。
パニックになった犬の力は普段の比ではありません。
ここは価格で選ばず、普段使っている信頼できるものを、もう1本用意してください。
「100均で売っているからおすすめ」ではなく、
壊れたときに何が起きるかで決める。 犬用品はこれに尽きます。
10. それでも面倒な人は、市販バッグを買っていい
ここまで「自作すれば節約できる」という話をしてきました。実際、安くなります。
でも、正直に書きます。
この記事を読んで「なるほど」と思っても、
リストを作って、100均に行って、Amazonで比較して、数量を計算して……
その全部をやりきれる人は、そんなに多くないと思います。私も自信がありません。
そして一番まずいのは、面倒になって何も買わないことです。
だから、こう考えてください。
時間はないけどお金は出せる人 → 市販セットを買ってください。1人用を家族分でなくても、まず1〜2個でいい。ゼロよりはるかにマシです
時間はあるけど節約したい人 → 自作してください。家にあるもので代用できる分だけ、確実に安くなります(いくら安くなるかは、何が家にあるかで大きく変わります。実際に積算した金額は、別の記事で出します。ここでは断定しません)
どちらも無理な人 → 携帯トイレだけ買ってください。それだけでも、状況はだいぶ変わります
自作が正解で市販セットが不正解、という話ではありません。
何も持っていない状態が、いちばんまずいというだけの話です。
11. 今日、この3つから
全部やろうとすると、たぶん止まります。順番を決めました。
今日やること(費用ゼロ)
□ 家にあるリュックを1つ空ける
□ 家にあるタオル・古着・ビニール袋・新聞紙を入れる
□ 連絡先を紙に書いて入れる
□ 犬の情報(名前・体重・病院の連絡先・写真)を紙に書いて入れる
□ お住まいの市町村のサイトで、ペットの避難ルールを確認する
今週やること(数千円)
□ 携帯トイレを買う(まず20〜30回分。60回分は次の給料日でいい)
□ ライトを人数分そろえる
□ 乾電池を買う(ライトとラジオのサイズを先に確認)
□ 犬の予備リードを買う
□ 水を2Lボトルで6本買う(買い置きを少し増やすだけ)
今月やること
□ 水を3日分(36L)まで増やす
□ 食料の買い置きを少し増やす
□ カセットコンロとボンベを買う(使用目安温度を確認して)
□ 車に、水・携帯トイレ・ブランケット・スコップを積む
□ 冬は、燃料計が半分を切ったら給油する習慣にする(費用ゼロで効きます)
□ 犬のフードを1週間分ストックする
□ 備蓄を、外ではなく室内に移す
12. チェックリストを置いておきます(無料・登録不要)
この記事に書ききれなかったぶんも全部入れて、印刷して持ち歩けるチェックリストを作りました。
下からダウンロードできます。
A4・4ページ。こういう中身です。
1ページ目 … リュックに入れる用(1人1個いるもの/家族で1個でいいもの/家にあるもので足りるもの)
2ページ目 … 家に常備する用(水・食料・トイレの計算式つき)
3ページ目 … 車に積む用と、犬のための備え
4ページ目 … 書き込む欄。家族の連絡先、避難場所、災害用伝言ダイヤル、そして犬の体重と1日のフード量
4ページ目がいちばん大事です。
記事の中で「犬の体重が分からないと必要量は決められない」と書きました。
ここに体重とフード量を書き込めば、あなたの犬の必要量がその場で計算できます。
品目ごとに「100均/スーパー/ネット/家にある」の欄を付けたので、
印刷して、そのまま買い物に持って行けます。 鉛筆でチェックを入れてください。
念のため書いておきます。
このリストは完全に無料です。会員登録もメールアドレスも要りません。
何も買わずに、これだけダウンロードして帰っていただいてかまいません。
そのために作りました。
13. 買うときの「選び方」だけ置いておきます
ここから下はAmazonへのリンクです。商品名ではなく、選び方(スペック)で書きます。
別の商品を選んでも失敗しないようにするためです。
先に、リンクのことを正直に書いておきます
この章のリンクはAmazonアソシエイトのリンクです。
ここから購入されると、私に数%の紹介料が入ります。
ただし、あなたの支払額は1円も変わりません。 価格が上乗せされることはありません。
Amazonで普通に買うのと、まったく同じ金額です。
入った紹介料は、次の記事の資料代(実際に買って試す費用)に使います。
私もこれから買う側なので、使ってみて分かったことは、この記事に追記していきます。
そのうえで、はっきり書いておきます。
近所の店で買っていただいてかまいません。 ホームセンターの方が安いこともあります。
100均で足りるものは、この記事にちゃんと「100均でいい」と書いてあります。
もしリンクを使ってくださる方がいたら、素直にありがたいです。それだけです。
先に書いておくと、この章の前に出てきたものは、ほとんど買わなくていいものです。
タオル、古着、新聞紙、ラップ、ビニール袋、リュック本体、軍手、ホイッスル、
アルミブランケット、ゴミ袋、食器、養生テープ——このあたりは、家にあるものか100均で足ります。
そこにお金をかける必要はありません。
お金をかける価値があるのは、次の8つだけだと思っています。
① 携帯トイレ(最優先)
選び方
回数で買う。 4人家族なら3日分で60回分が目標。まず20〜30回分から
凝固剤つきで、処理袋が別で付いているもの
防臭袋が付いているかどうかで、置いておける場所が変わります
使用期限を見る(凝固剤にも期限があります)
② ライト(1人1個)
選び方
明るさ(ルーメン)と連続点灯時間の両方が書いてあるものを選ぶ
電池式が基本。充電式だけだと、停電が長引いたとき詰みます
単三か単四に統一する(家中の電池を共通化できます)
手元に置くなら、置いて使えるランタン型が1つあると生活が変わります
→ LED懐中電灯を探す(Amazon)
→ LEDランタンを探す(Amazon)
③ ラジオ(家族で1台)
選び方
手回し+電池+ソーラーの3way以上
AM/FM両対応のもの(放送局によって使う波が違うため)
スマホ充電機能は「おまけ」と考える(手回しでスマホを満充電にするのは現実的ではありません)
④ モバイルバッテリー(大人が分けて持つ)
選び方
10,000mAh以上。 ただし、昇圧のロスがあるため実際に使えるのは表示容量の6〜7割です。最近のスマホは電池が4,500〜5,000mAhあるので、10,000mAhでも満充電1〜1.5回分と考えてください(「2〜3回分」という説明を見かけますが、あれは電池の小さい旧機種の話です)
PSEマークがあるもの。 モバイルバッテリーは2019年2月1日から電気用品安全法の規制対象で、PSEマークのないものは販売できません。表示がない製品は避けてください
使わなくても自然に減るので、3か月に1回は充電する前提で
⑤ 保存水
選び方
普段の買い置き(ローリングストック)で足りるなら、わざわざ買わなくていいです
買うなら5年保存以上。入れ替えの手間が減ります
2Lは調理用、500mLは持ち出し用。用途が違うので両方あると使いやすい
⑥ カセットボンベ(北海道は必ず確認)
選び方
パッケージの使用目安温度を必ず見る。 ここだけは妥協しないでください
低温向けはイソブタンの配合が多いタイプです
ボンベにも期限があります。岩谷産業は「製造から約7年以内の使い切りが目安」としています
ついでに、カセットこんろ本体も「製造から10年を目安に買い替え」とされています。押し入れの古いこんろ、一度見てください
⑦ 一酸化炭素警報器
7章で書いたとおり、停電時に開放型のストーブを使うなら、これは装備ではなく安全対策です。
選び方
電池式(停電時に使うものなので、コンセント式では意味がありません)
警報音が鳴るタイプ(表示だけのものは寝ている間に気づけません)
⑧ 犬の予備リードとクレート
選び方
リードは普段使っているものと同等以上のもの。100均は避けてください
金具(ナスカン)の作りを見る。ここが壊れます
クレートは、普段から中で寝られるサイズ。避難所で初めて入れるのでは間に合いません
→ 犬用リードを探す(Amazon)
→ 犬用クレートを探す(Amazon)
→ ペットシーツを探す(Amazon)
それでも「選ぶのが面倒」な人へ
冒頭で見た1人用セットです。中身を組み替える前提なら、これを1〜2個買って、
足りない携帯トイレとライトを足す、という始め方でも十分です。
逆に、買わなくていいもの
専用の防災リュック … まずは家にある登山用・旅行用で十分です
高い非常食セット … 普段のレトルト・缶詰を多めに買う方が、安くて口に合います
軍手、ホイッスル、アルミブランケット、ゴミ袋、食器、養生テープ … 100均で足ります
タオル、着替え、新聞紙、ラップ、ビニール袋 … 家にあります
14. おわりに
最後に、ひとつだけお願いです。
この記事を閉じる前に、家にあるリュックを1つ、空にしてください。
買い物は明日でもいいです。でも「入れる場所を作る」だけなら、今できます。
空のリュックが玄関にあるだけで、次の休みに何か入れたくなります。
私も同じところから始めます。
出典
すべて2026年9月3日に、リンク先を実際に開いて記述を確認しました。商品の価格・内容は変動します。
水・食料
内閣府 防災情報のページ「自然災害への備えは万全ですか?チェックしてみよう!」
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/hokenkyousai/check.html
(飲料水は1人1日3リットル、最低3日間、できれば1週間)農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(1)」
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/chapter01.html
(「最低3日分〜1週間分×人数分の食品の家庭備蓄が望ましいといわれています」)農林水産省 家庭備蓄ポータル
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/
トイレ
神奈川県「携帯トイレを備蓄しましょう」
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/j8g/bousai/keitaitoirebitiku.html
(1日の排泄の平均回数は1人5回/5回×人数×最低3日分/可能であれば7日分)高砂市「携帯トイレを備蓄しましょう」
https://www.city.takasago.lg.jp/soshikikarasagasu/kikikanrishitsu/anzen_anshin/3/2/10287.html
(4人家族3日分=60回分の計算例)内閣府(防災担当)「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」(平成28年4月、令和6年12月改定)
https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/pdf/2412hinanjo_toilet_guideline.pdf
(「排泄の回数は5回が平均的であると言われています」「まずは、3日分を目標にしましょう」)
※これは自治体が避難所の必要数を算定するための式です。1人1日5回・まずは3日分という数字は
家庭備蓄でも共通に使われています経済産業省「トイレ備蓄 忘れていませんか」
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/jyutaku/toirebichiku.html
(1人あたり35回分=7日分の備蓄を推奨)
ペット
北斗市(北海道)「災害時のペット同行避難について」
https://www.city.hokuto.hokkaido.jp/docs/9965.html
(同行避難の定義、フード・処理用具は少なくとも1週間分)環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3002.html
(フードと水は少なくとも5日分・できれば7日分以上/優先順位1に「予備の首輪、リード(伸びないもの)」)環境省「ペットの災害対策」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/disaster.html
暖房・一酸化炭素
一般社団法人 日本ガス石油機器工業会「石油ストーブの安全な使い方」
https://www.jgka.or.jp/gasusekiyu_riyou/anzen/sekiyu_stove/index.html
(1時間に1〜2回・1〜2分の換気、開口部2ヶ所以上、就寝時・外出時は消火)一般社団法人 日本ガス石油機器工業会「計画停電に伴う石油燃焼機器の使用について」
https://www.jgka.or.jp/information/2011/2011_03_29_keikakuteiden_sekiyunennsyoukiki.html
(「100Vを使用している石油燃焼機器につきましては、停電時に使用できません」)
冬の車・一酸化炭素
JAF ユーザーテスト「雪に埋まった車で暖を取るのは危険」
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/snow/co-poisoning
(マフラーが雪に埋まった状態で1分24秒で50ppm到達/マフラー周りを除雪すれば車内濃度はほとんど上がらず)
カセットボンベ・こんろ
岩谷産業「カセットこんろの使用期限・カセットボンベの使用期限と処理方法」
https://www.iwatani.co.jp/jpn/consumer/products/cg/useful/bombe/
(カセットボンベは製造から約7年以内の使い切りが目安/こんろは製造から10年を目安に買い替え)
モバイルバッテリー
経済産業省「モバイルバッテリーに関するFAQ(電気用品安全法)」
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/mlb_faq.html
(2019年2月1日から規制対象。PSEマークのない製品は販売禁止)
商品情報
Amazon「防災リュック 32点セット」(ASIN: B0DFT7M532)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DFT7M532
(2026年9月3日時点で、商品ページに表示されていた内容物:寝袋、エアピロー、非常袋、簡易トイレ、
給水袋、保存水、ウォーターバッグ、ビスケット、軍手、マスク ほか)
※価格・レビュー数は取得できなかったため、記事に記載していません
※この商品の表示名には販売者による「防災士推奨」の表記が含まれますが、
これは販売者側の商品表示であり、筆者は防災士ではありません
※商品ページの内容・価格・在庫は変更される場合があります
私は防災の専門家ではありません。この記事は公的資料と、商品ページで確認できた情報をまとめたものです。
誤りを見つけた方は教えてください。修正して、修正した記録を残します。
個別の判断(住宅の耐震、避難経路、犬の健康や投薬)については、
お住まいの自治体、有資格者、かかりつけの獣医師にご相談ください。
