「“また裁判?”違った。もっと厄介な問題だった」
本当の原因は、あのとき終わっていなかった“会社”にあった
封筒の中身を確認するのが、正直怖かった。
でも、見ないわけにはいかない。
ここで逃げたら、また同じことの繰り返しになる。
そう思って、意を決して中身を開いた。
書面を一枚ずつ確認していく。
最初に感じたのは、違和感だった。
——あれ?
前回と内容が違う。
確かに形式は似ている。
弁護士名義の書面で、法的な主張が並んでいる。
でも、よく見ると決定的に違う点があった。
「請求の相手」
そこに書かれていたのは、自分の名前じゃなかった。
会社名だった。
一瞬、思考が止まる。
「……どういうことだ?」
自分に対する請求じゃない。
でも、完全に無関係とも言えない。
なぜなら、その会社は——
まだ“存在している”からだ。
そこでようやく、点と点が繋がり始めた。
裁判は終わった。
あくまで“自分個人”に対するものは。
でも、会社は終わっていない。
登記上、代表はまだ自分のまま。
つまり外から見れば、
この会社は今も「自分が動かしていることになっている」
——それがすべての原因だった。
背筋が一気に冷たくなった。
「終わってないじゃん…」
思わず口に出た。
あの時感じた違和感の正体。
それは“終わったと思い込んでいたこと”だった。
実際には、何も終わっていなかった。
むしろ、問題のステージが変わっただけ。
個人から法人へ。
そしてこっちの方が、正直ややこしい。
責任の所在が曖昧で、
でも無関係とも言い切れない。
一番厄介な状態だった。
「じゃあ、どうすればいいんだ?」
頭の中でその言葉が何度も回る。
辞めたはずの会社。
関わっていないはずの組織。
なのに、なぜか自分が責任の中心にいる。
この構造が理解できた瞬間、
一気に現実味を帯びてきた。
そして同時に、逃げ場がないことも理解した。
もうこれは“無視していい問題”じゃない。
ちゃんと処理しない限り、
何度でも同じことが起きる。
そう確信した。
ここで初めて、自分は決断する。
——この会社、ちゃんと終わらせないとダメだ。
裁判を終わらせることがゴールじゃなかった。
本当のゴールは、
“この問題ごと完全に切り離すこと”
そのためには、避けて通れない現実があった。
それが次に向き合うことになる——
「まだ自分が代表だった」という事実だった。
「ここまで読んで“自分も危ないかも”と思った人、
スキで教えてもらえると嬉しいです。」
