白馬に乗った王子様
これは、私が小学生くらいの頃に、本気で思っていたこと。
昔の少女漫画には、現実の人間ではなかなかあり得ないようなスタイルの良い男性と、選ばれるべき可愛らしい女の子が出てきて、そんな夢のある物語がたくさんありました。
私は、そんな世界に憧れていたんです。
いつか私のところにも、白馬に乗った王子様が迎えに来てくれる。
そして、その頃の私は少し病気がちで、か弱くて、それでもそんな私を優しく労わってくれる男性が、どこかで待っていてくれる。
そんなふうに、本気で思っていた時期がありました。
漫画の世界では、苦労している女の子には、最後に素敵な王子様が現れる。
だから私も、いつか…
そんな夢を膨らませていました。
自分の家の山の上に、大きなお城のような家を建てて、毎日、送迎付きの車に乗って出かける。
今思えば、妄想はどんどん膨らんでいました。
「これだけ苦しい思いをしたんだから、いつか私を幸せにしてくれる人が現れるはず」
そんな、ちょっと的外れな期待までしていたんですよね。
今思えば…病んでたんですね(笑)。
でも、子どもの私は、それくらい「いつか幸せになれる」という夢にすがっていたのかもしれません。
苦しい現実の中にいるからこそ、いつかやってくる幸せを想像する。
それは、子どもなりの心の逃げ場所だったのかもしれません。
そして、実際の私の人生はというと…
白馬に乗った王子様どころか、
ハイエースで煽ってくるモラハラおじいがいたわけなんですけどね。
人生、漫画のようにはいきません。
白馬、どこ行った?
いや、そもそも王子様はどこへ?(笑)
でも、今の私は思います。
誰かが迎えに来てくれて幸せにしてくれるのを待つのではなく、
自分で自分の人生を少しずつ楽しくしていく。
それも、悪くないな、と。
小学生の頃の私が想像していた「幸せ」と、今の私が感じている「幸せ」は、ずいぶん違います。
お城もなければ、白馬もいない。
送迎付きの車もない。
でも、今の私は、仕事へ行くことも、歩くことも、食べることも、眠ることも、書くことも、読むことも楽しい。
案外、こういう毎日のほうが、本当の幸せなのかもしれません。
白馬に乗った王子様は来なかったけれど、
私は私の人生を、少しずつ取り戻している。
