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「またお願いします」を、本気にしていませんか|女性起業家のマインドセット


言葉ではなく、行動を見るための判断軸


今日は、
仕事でよく聞く「またお願いします」「また連絡します」「検討します」という言葉について書きます。

その言葉を「次の仕事」として数えていいのか。
相手の言葉ではなく、何を見て判断すればいいのか。

起業を続けるうえで、
持っておきたい、ひとつの判断軸です。

導入


「またお願いします」

仕事が終わったあと、
こんな言葉をいただくことがあります。

うれしいですよね。


「気に入ってもらえたんだ」
「次も頼んでもらえそう」
「これから長いお付き合いになるかもしれない」


そんなふうに受け取ることもあります。

ほかにも、


「今度ぜひお願いします」
「落ち着いたら連絡します」
「また相談させてください」
「検討しておきます」


仕事をしていれば、一度は、
聞いたことがある言葉ではないでしょうか。

でも私は、長く仕事をしてきて、
ここはかなり冷静に見るようになりました。

「またお願いします」と言われたことと、
次の仕事が決まったことは別です。

当たり前のようですが、ここを、
一緒にしてしまうと、仕事の見通しを間違えます。



1|「またお願いします」は、契約ではない


起業して間もない頃ほど、
相手の言葉をそのまま受け取りやすいものです。

「またお願いします」

と言われたら、

「次もある」

と思ってしまう。

「知り合いを紹介します」

と言われたら、

「紹介が来る」

と思ってしまう。

「来月くらいにお願いしたいです」

と言われたら、

来月の売上に少し入れたくなる。

でも、
仕事として見るなら、
まだ何も決まっていません。


日程も決まっていない。
内容も決まっていない。
金額も決まっていない。
契約もしていない。


つまり、

仕事としては、まだゼロです。

これは相手が、
嘘をついているという話ではありません。

その場では、本当に、
「またお願いしたい」
と感じていることもあります。

ところが人の予定は変わります。


予算も変わります。
会社の事情も変わる。
家族の事情も変わる。
優先順位も変わります。


翌月になったら、別のことに、
お金を使っていることだってあります。

だから私は、

好意的な言葉と、
仕事として確定した事実を分けて見る。

ここを大切にしています。


■ 「いい反応」と「売上」は分けて考える


これはSNSでも同じです。


「欲しいです」
「受けてみたいです」
「興味あります」
「絶対申し込みたい」


そんなコメントがたくさんついた。

だから商品を出したら売れる。

そう考えたくなります。

でも実際に販売してみると、

「あれ?」

となることがあります。

コメントをくれた人が申し込まない。

「楽しみにしています」と言っていた人も来ない。

逆に、何も、
言っていなかった人が申し込んでくれる。

仕事では、こういうことが普通に起こります。


反応と購入は違います。
興味と申込みも違う。
好意と契約も違う。


ここを、
分けられるようになると、
売上を見る目がかなり変わります。

私自身も、
これまで何度も「またお願いします」
「今度ぜひ」と言っていただいてきました。


でも、その言葉が、
実際の仕事につながらなかったことも、
もちろんあります。

反対に、
その場では、
何も言わなかった方から、

しばらく経って、
突然ご依頼をいただくこともありました。


長く仕事をする中で、
言葉の温度と、実際に起きることは、
別だと、分かるようになりました。


それ以来、私は「言ってくれたこと」より、
その後の「行動」を見るようにしています。


2|仕事ができる人ほど、「行動」を見る


仕事の判断で見るものは、意外とシンプルです。

「またお願いします」

ではなく、

次の日程が決まったか。

「紹介します」

ではなく、

実際に紹介されたか。

「申し込みたいです」

ではなく、

申し込みが入ったか。

「検討します」

ではなく、

その後、相手から連絡が来たか。

言葉を疑う必要はありません。

ただ、言葉を実績として数えない。

ここです。

私はこれが、
起業家にはかなり大切だと考えています。

なぜなら、
期待まで売上に入れてしまうと、
次の判断が遅れるからです。


「来月、この仕事が入りそう」
「この人が紹介してくれそう」
「この企画は反応がいいから売れそう」


そう思って待っている間に、
時間が過ぎていきます。

でも、まだ仕事になっていないなら、
自分は次の仕事をつくる必要があります。


■ 「見込み」と「確定」を分ける


頭の中でも、
この二つを、
分けておいた方がいい。

見込みの仕事
興味を示している。
相談が来ている。
見積もりを出している。

「お願いしたい」と言われている。

ここまでは、まだ見込みです。

そして、


確定した仕事。
内容が決まった。
日程が決まった。
金額が決まった。
必要な契約や申込みが済んだ。


ここまで来て、
初めて仕事として予定に入れる。

この線引きが曖昧だと、

「仕事はありそうなのに、なぜか売上がない」

という状態が起こります。


ありそうな仕事を数えているからです。
これは数字だけの話ではありません。
自分の気持ちにも影響します。


「また頼んでもらえる」


と思っていた人から連絡が来ないと、


「何か悪かったのかな」
「満足してもらえなかったのかな」


と考えてしまうことがあります。

でも、理由なんて分かりません。


予算がなくなったのかもしれない。
状況が変わったのかもしれない。
単純に忘れているのかもしれない。
別の方法で解決したのかもしれない。


分からないことを延々と考えるより、

事実だけを見る。

連絡が来ていない。
今は仕事が決まっていない。

なら、次へ進む。

その方が仕事は止まりません。


■ 社交辞令まで「将来の約束」にしない


「またお願いします」
「今度ご飯に行きましょう」
「何か一緒にやりましょう」
「ぜひコラボしましょう」


仕事でも日常でも、
こういう言葉はたくさんあります。

全部を予定として受け取っていたら、
カレンダーが未来の幻で満席になります。

大事なのは、そのあとです。

・本当に会いたい人なら、日程の話になる。
・本当に仕事を頼みたいなら、具体的な相談になる。
・本当に一緒に何かしたいなら、企画が動き始める。

言葉が行動に変わったところを見る。

これだけです。


そして、自分自身も同じです。


「また連絡します」
と言ったなら、本当に連絡する。

「紹介します」
と言ったなら、紹介する。

「やります」
と言ったなら、動く。

相手を見るための判断軸は、
そのまま自分の信用をつくる基準にもなります。


🍀心理学|人は「うれしい情報」を大きく受け取りやすい


人は、自分が、
期待していることに合う情報を、
受け取りやすい傾向があります。

心理学では、自分の考えや期待に合う情報を重視しやすい傾向を「確証バイアス」と呼びます。


たとえば、
「このお客様は、きっとまた来てくれる」
と思っているとします。

そこへ、

「今日はありがとうございました。
 またお願いします。」

と言われる。


すると、
「やっぱり次もある」
と受け取りやすくなります。


でも、

「またお願いします」
という言葉だけでは、


いつなのか。
何を頼むのか。
本当に依頼するのか。


そこまでは分かりません。

私たちは、事実そのものだけではなく、自分の期待を重ねて相手の言葉を受け取ることがあります。


だから仕事では、

「私はどう感じたか」と、
「実際に何が決まったか」を分けて見る。


この習慣が役に立ちます。


🧠脳科学|期待は「まだ起きていない未来」を先取りする


人の脳では、報酬そのものだけでなく、報酬を予測したときにもドーパミン系が関わることが知られています。


「次も仕事が来そう」
「この人が紹介してくれそう」
「この商品は売れそう」


まだ結果が出ていなくても、
期待するだけで気持ちは動きます。

ここが少々やっかいです。

まだ売上になっていないのに、
少し仕事が決まったような気分になる。


だから、
期待をなくす必要はありません。

期待と数字を混ぜないことです。


期待は期待。
見込みは見込み。
契約は契約。
入金は入金。


ここを分ける。

経営は、気分ではなく、
事実を見て次を決めていくものです。


■ 「またお願いします」と言われたら見る4つ


仕事が終わったあと、
「またお願いします」
と言われたら、私は次の4つを見ます。


❶次の話が具体的になっている?

時期、内容、日程など、次の話が動いているか。


❷相手から行動があった?

連絡、問い合わせ、申込みなど、
言葉のあとに行動が続いているか。


❸こちらは「待つ状態」になっていない?

相手からの連絡を期待して、
自分の営業や発信を止めていないか。


❹その仕事を売上として数えていない?

確定していない仕事を、
頭の中ですでに来月の売上にしていないか。

この4つを見るだけでも、
仕事の見通しはかなり現実的になります。


💐今日のマインドセット


「またお願いします」
と言ってもらえたら、
私はその言葉をうれしく受け取ります。

でも、
次の仕事としては数えません。

「紹介します」
と言ってもらえたら、ありがたく受け取る。

でも、
紹介が起きるまでは、紹介件数には入れない。

「申し込みたいです」
と言われても、
申込みが入るまでは売上ではない。

冷たい話ではありません。

むしろ、その方が、
人間関係も仕事もシンプルになります。

相手の言葉に期待しすぎない。
相手の行動を勝手に決めない。

そして、自分の仕事を止めない。


言葉は、受け取る。
判断は、行動を見る。


起業を長く続けるほど、
この線引きは大切になっていきます。


📚参考文献


ピーター・C・ウェイソン
(Peter C. Wason)(1960)

“On the Failure to Eliminate Hypotheses in a Conceptual Task.”
Quarterly Journal of Experimental Psychology, 12(3), 129–140.

自分の仮説に合う情報を探しやすい人間の認知傾向について考える基礎となった研究です。今回の記事では、相手の言葉を自分の期待に沿って解釈してしまう場面を考える参考にしました。


レイモンド・S・ニッカーソン
(Raymond S. Nickerson)(1998)


“Confirmation Bias: A Ubiquitous Phenomenon in Many Guises.”
Review of General Psychology, 2(2), 175–220.

確証バイアスについて幅広く整理した論文です。期待している結論に合う情報を重く受け取りやすい認知の特徴を理解する参考にしました。


ウォルフラム・シュルツ
(Wolfram Schultz)(2016)


“Dopamine Reward Prediction-Error Signalling: A Two-Component Response.”
Nature Reviews Neuroscience, 17, 183–195.

報酬予測とドーパミン系の働きを扱った研究です。「仕事が来そう」という期待と、実際に仕事が成立した事実を分けて考える際の脳科学的背景として参考にしました。


まとめ


「またお願いします」

いい言葉です。

でも、仕事をしていれば、
この言葉が本当に次の依頼になることもあれば、その場だけで終わることもあります。


「紹介します」も同じ。
「検討します」も同じ。
「申し込みたいです」も同じです。


仕事で見るのは、その次。

何が実際に動いたのか。

ここです。


相手の言葉を疑う必要はありません。


でも、
まだ起きていない未来まで、
自分の中で確定させない。


見込みを、
見込みのまま扱える人は、
次の仕事をつくることができます。


待っている間にも、発信する。
商品を育てる。
新しいお客様に届ける。
今の仕事を磨く。


そして本当に「またお願いします」
と連絡が来たら、そのとき喜んで次の仕事をする。


「またお願いします」を、本気にして待たない。

仕事は、約束になったものから数えていく。

そして自分自身は、

言ったことを行動に変える人でいる。

それが、
長く仕事を続ける人の
信用にもつながっていきます。


強くならなくていい。
速く進まなくていい。

大切な人を、
大切にしながらでも、
人生は進められます。

整えば、それでいい。

人生もビジネスも、
整ったところから、
静かに、でも確実に動き出します。


最後まで、
お読みくださり、
ありがとうございました。

日々のマインドセットや、
女性起業家としてのリアルな気づきは、
XとSubstackでも綴っています。

ご縁があれば、
そちらでも、
お会いできたら嬉しいです。

白石孝子(たーちゃん)
人生とビジネスを
静かに整える言葉を書いています。


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