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【D&D5e】歓楽祭の危機/A Perilous Joy Festival!

この記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC.


この記事は、D&D Beyondの無料記事“Free Valentine's Day D&D Adventure: Deliver Candy Grams in 'A Perilous Joy Festival!'”に掲載されたシナリオを非公式に日本語訳したものです。

まとめ(ネタバレなし)

PCレベル:3レベル
PC人数:3〜4人
所要時間:3~4時間
使用ルール
『モンスター・マニュアル』
※以下の無料ルールで代用可能
フィフスエディションRPG モンスター・データファイル
フィフスエディションRPG NPC・データファイル


本記事のセッション、配信などへの使用はご自由にどうぞ(※WotC社のコンテンツ・ポリシーについては各自で確認してください)。報告、クレジットをする必要はありませんが、教えてもらえると私のやる気が出るかもしれません。


以下、アドベンチャーのネタバレを含みます。
プレイヤーとして参加予定の方はご遠慮ください。

















「歓楽祭の危機」では、プレイヤー・キャラクターたちが、沼地のはずれにある町のためにキャンディグラム*を配達するという任務を課される。キャラクターたちは仕事を成し遂げるために、危険な沼地を旅し、恐ろしいクリーチャーと対峙する必要がある。このバレンタインデー用の無料D&Dアドベンチャーは、3~4人の3レベル・キャラクターのグループを対象としている。基本ルールにあるモンスターを使用し、3~4時間で完了することができる。

*訳註:キャンディグラム(candy gram)とは、キャンディやその他のお菓子にメッセージを添えて相手に送る、というバレンタインデーの風習だそうです。

アドベンチャー概要

この単発アドベンチャーは、友情を祝う祝日“歓楽祭”ジョイ・フェスティバルが舞台になる。キャンディグラム配達担当の郵便配達員が行方不明になったことから、キャラクターたちはクリーピングヴェイル町の依頼を受け、行方不明の配達員を探し出して代わりにキャンディグラムを配達することになる。この冒険で、キャラクターたちはタルブルームと呼ばれる沼地の奥深くに赴き、危険な環境やモンスター、怪しげなキャラクターたちと戦わなければならない。

プレイヤーの目的

  • 行方不明の郵便配達員と、未配達のキャンディグラムが入った肩掛け鞄を探し出す

  • 以下のタルブルームの住人たちにキャンディグラムを届ける:グラン・アーバーヴェル、バイレン・ブルー、荒涼のレンジャー、“黒翼の死神”トルベレクサー

キャラクター作成

このアドベンチャーでは、キャラクターは3レベルである。属性は善または中立で、クリーピングヴェイルの町を助ける動機を持っていなければならない。この町には友好的なゴブリン類が住んでおり、タルブルーム以北の集落に郵便を配達する役割を担っている。
一行は沼地を旅するため、足跡を追って野生を安全に移動できるキャラクターがこのアドベンチャーで活躍できるだろう。同様に、社交的な場面で活躍するキャラクターにも輝く機会があるだろう。

アドベンチャーの開始

真っ赤な森

クリーピングヴェイルは2つの山に挟まれた小さな町で、タルブルームと呼ばれる沼地の南端に位置する。クリーピングヴェイルじゅうに立ち並ぶ紅楓の合間から差し込む日差しは少ないが、この町はあらゆるクリーチャーや民衆に友好的なゴブリンたちの活気に満ちた拠点である。町に入ると、建物は青、紫、緑といった色調で生き生きと塗られているのが見てとれる。頭上の木々からは赤い提灯が吊るされ、大通り沿いの2つの建物の間には横断幕が掲げられ、“年に一度の歓楽祭”と書いてある。

クリーピングヴェイルは、近郊の谷間にあるさまざまな町から危険なタルブルーム沼の北部にある集落への郵便配達で有名だ。キャラクターたちがクリーピングヴェイルに到着したのは真昼で、ゴブリンたちが食事や飲み物を分け合ってにぎやかに過ごしている。受動〈知覚〉が11以上あれば、何人かの住民が心配そうにしているのが見てとれるが、聞き耳を立ててもその理由はわからない。
一行が町をぶらついていると、ラナリアという元気な年配の女性のホブゴブリンに声をかけられる:

白い髪を編み込み、絞り染めのローブを着たホブゴブリンが踊りながら近づいてくる。「冒険者さんたち、楽しい歓楽祭だよ!」とホブゴブリンが声を上げる。「ここらで新顔に会えるなんて嬉しいね!しかもこの祭りの時期に!私の名前はラナリア!次の旅に備えて商品を見ていかないかい?それとも噂話がお好き?」

ラナリアは冒険者用の道具店を営んでおり、一行から簡単に金を稼げると思っている。許可するなら、ラナリアはキャラクターたちを自分の店まで案内する。ラナリアは「ベーシック・ルール」に記載されている冒険用装備を販売している。このアドベンチャーには戦闘遭遇が数回あるため、ラナリアにポーション・オヴ・ヒーリングを1個25gpで売らせてもよいだろう。
ラナリアと話すにせよ、クリーピングヴェイルの他の住人と話すにせよ、キャラクターたちは歓楽祭の概要と今年起こっている問題について知ることになる。

街で何が起きている?

クリーピングヴェイルでは現在、年に一度の歓楽祭が週末を通して開催されている。この祝日は、旧交を温め、交友関係を強める時期である。この祝日の一環としてキャンディグラムが贈られるが、どちらかがもう一方にキャンディグラムを贈らなければその友人間の絆は壊れてしまうと信じられている。
毎年、町を守ってくれたこと(あるいは町を破壊しなかったこと)への感謝として、町はタルブルームの4人の住民にキャンディグラムを贈っている。しかしこの年、クリーピングヴェイルは苦境に立たされている。タルブルームを自由に行き来できる唯一の郵便配達人が、タルブルームの住民に送るはずだったキャンディグラムと共に行方不明になってしまったのだ。

友人への贈り物:それぞれのキャンディグラムには、蜂蜜でできた固い飴を紅楓の葉で包んだものが入っている。紅楓の葉の内側には、心を込めた75文字以内のメッセージを書くことができる。キャラクターたちは、クリーピングヴェイルにある商店ならどこでも、1cpでキャンディグラムを作ることができる。

配達員とキャンディグラムの捜索

ラナリアと話したにしろ、クリーピングヴェイルの他の住人と話したにしろ、タルブルームの住人たちにキャンディグラムを配達している男性のバグベア、ムクロー・ゴーヴィンが行方不明になっていることを知る。さらに詳しい情報が欲しい場合は、町外れの洞窟にある町の郵便局を訪ねなければならない。
洞窟から通じた白いキノコに照らされた地底湖があり、その周囲に郵便物を積んだ荷車や作業台が置かれている。
クリーピングヴェイル郵便局を運営しているのは、湖に住むユークタキーリーという名のアボレスだ。ユークタキーリーには部下として3人の郵便局員がいるが、現在は3人とも不在にしている。アボレスは親切だがひどくお節介で、一日じゅう郵便局を通す郵便物を読んでいる。

アボレス

キャラクターたちがユークタキーリーに出会ったら、次の文章を読み上げること:

湖の中から淡緑色のアボレスが姿を表し、3つの目で君たちを興味深そうに見下ろしている。アボレスが話す「新しい冒険者たちがこの町に来たという噂は聞いていたぞ──田舎ではすぐに広まるのさ、わかるだろ?私の名はユークタキーリー。この立派な建物が郵便局だ。タルブルームの先にある集落にあらゆる荷物や手紙を送ることができる。あらゆる秘密を知ることができる素晴らしい場所でもあるぞ──開封した手紙の封を閉じる器用さがあればな!」
「すまない、話が逸れたな。リーダーは誰だ?」

ユークタキーリーは質問されるよりも質問することを好む。アボレスにとって秘密とは、どんなに無害なものであろうと美味であり、キャラクターたちの秘密を探ろうとしている。とはいえ、アボレスは町の人々と同じように、行方不明の郵便配達員やキャンディグラムのことを心配している。アボレスは、一行がムクローを探し出し、ムクローの肩掛け鞄に入ったキャンディグラムを届けるよう依頼するだろう。

「キャンディグラムと我が友ムクローに起こっている問題については既に聞いているだろう。ムクローの左の尻にほくろがあることは聞いたか?なぜ知っているかは聞かないでくれ。ムクローは厄介事に巻き込まれたようだな。これまで愛するタルブルームの友人たちへの郵便配達に遅れたことはないのだ──フェイワイルドで道に迷った時は別だが。今の話は忘れてくれ。ムクローが消えたのには山賊が関わっていると私は思っている。奴らはクリーピングヴェイルが気に食わないんだ。歓楽祭が終わる前にムクローを見つけ出し、キャンディグラムが届けてもらえたら、とても嬉しい」

この任務を成功した暁には、ユークタキーリーはキャラクター1人につき50gpの報酬と、郵便局からランダムに1通の手紙を選んで読むことを提示する。任務を引き受けた場合、ユークタキーリーはムクローを見つけるのに役立つ情報を提供する:

「クリーピングヴェイルから大通りを進んでくれ。整備はされていないから、すぐに泥道になる。だが、北に進み続け、タルブルームを通って少し西に行けば、ムクローの行き先が──少なくとも遺体が──見つかるはずだ。死んでいたらとても悲しいな、まだ貸している金があるっていうのに…。そういえば、制服に興味はあるか?」

クリーピングヴェイルの郵便局員たちは、赤い平帽とカーキ色に金ボタンの上着を着ている。ユークタキーリーはキャラクターたちに1着10gpで制服を提供する。キャラクターが断っても受け入れても、ユークタキーリーはその後一行を送り出す。

タルブルーム:ムクローの追跡

暗い森

キャラクターたちがクリーピングヴェイルを去ったら、次の文章を読み上げること:

色鮮やかなクリーピングヴェイルの町を離れると、紅楓が彩る風景はすぐに殺風景な柳の木々に変わり、陽気におしゃべりしているような砂は暗い音を立てる泥に変わる。タルブルームを北西に抜ける石畳の道は、最初の1.5km(1マイル)は簡単に辿ることができるが、その後は泥と野バラに埋もれてどこが道だかわからなくなる。

ムクローを見つけるには、一行はタルブルームを北西に進み続ける必要がある。そのためには、難易度10の【判断力】〈生存〉判定に成功しなければならない。失敗すると、キャラクターは1時間迷子になり、その後もう一度判定することができる。成功すれば、キャラクターたちはムクローの失踪の証拠を発見する。

旅路は険しく、膝まで水につかり、木々の朽ちた塚を登って降りて、絡まった蔓の間をくぐり抜けていく。ようやく平らな地面に出ると、燃え尽きた焚き火やひっくり返った鍋、壊れた椅子が散らかっているのを見つける。

ムクローは数日前にここで休んでいたが、近くに住む山賊に襲われた。難易度13の【知力】〈捜査〉判定に成功すると、争った形跡があるものの血痕はないことがわかる。さらに、東側から野営地に出入りした3人分の足跡を見つける。この足跡は山賊たちのものである。山賊たちはムクローを気絶させ、キャンディグラムの入った肩掛け鞄とともに野営地へ持ち帰った。
難易度13の【判断力】〈知覚〉判定に成功したキャラクターは、盗賊の野営地へと続く足跡を見つける。さもなくば、難易度10の【判断力】〈生存〉判定に成功したキャラクターは一行をまっすぐ東へ先導することができ、山賊の野営地を発見する。

山賊の野営地を探す

ムクローのキャンプから東へ進むと、一行は山賊たちの小さな野営地に辿りつく。野営地には、縛られて気絶しているムクローと、ムクローを捕らえた3人の山賊がいる。

焚き火を囲んで陽気に水袋を煽っているのは3人のヒューマンで、脱いだブーツを近くに干して裸足になっている。後ろにはいくつかテントが立っている。赤い制服を着たバグベアがロープで木に縛られて、座ったまま気絶している。

クリーピングヴェイルとタルブルームの4人の住民のつながりによって、山賊は町から金を奪えずにいた。山賊たちは、クリーピングヴェイルとその擁護者たちの関係を断ち切るため、ムクローを誘拐し、キャンディグラムの入った肩掛け鞄を盗んだ。歓楽祭が終われば、タルブルームを通る郵便物に税を課すという手紙を添えてムクローを解放するつもりなのだ。
山賊たちは酒を飲んで勝利を祝っている。リーダーのヤンダ(山賊の頭目のデータを使用)という女性のヒューマンは、キャンディグラムの入った肩掛け鞄をムクローに一番近いテントに置いている。

キャンディグラムの回収:キャラクターは難易度15の【敏捷力】〈隠密〉判定に成功すれば、気づかれることなく山賊の野営地に忍び込むことができる。失敗すると、ヤンダと2人の山賊に見つかって襲われる。ヤンダは死ぬまで戦うが、ヤンダが倒れると手下は逃げ出す。

ムクローの解放:捕まっているバグベアがムクローである。1アクションで起こすことができるが、戦闘でキャラクターたちを援助することはできない。ムクローを縛っているロープは1アクションを使って刃物で切るか、難易度11の【敏捷力】〈手先の早業〉判定で解くことができる。

援助依頼

目を覚まして解放されると、ムクローはキャラクターたちの援助に感謝し、自分の代わりにキャンディグラムを届けてくれるよう頼む:

「ありがとう。3日間も縛られていたよ。あの山賊たちは、クリーピングヴェイルがタルブルームの友人たちと築いてきた関係を壊そうとしていたんだ。歓楽祭中に町が用意したキャンディグラムを届けなければ…しかし、今の私に旅を続ける力は残っていないようだ。君たち、この仕事を任されてくれないだろうか?」

ムクローは、4人の受取人がいる場所への道順を教える、“荒涼のレンジャー”を見つけるのはかなり難しいと明かす。ムクローの援助〔情報〕により、キャラクターたちがタルブルーム内で行なう【判断力】〈生存〉判定には有利がつく(トルベレクサーの住処を除く)。ムクローに頼めば、受取人の外見的な特徴も教えてもらえる。説明には下記の「キャンディグラムのメッセージ」表を使用する。
キャラクターたちがクエストを続ける準備ができたなら、ムクローは改めて礼を言い、クリーピングヴェイルに戻るため南へ向かう。

手紙の中身:キャンディグラムはタルブルームの住人4人それぞれに宛てたものである。難易度13の【敏捷力】〈手先の早業〉判定に成功すると、キャラクターはキャンディグラムを開け、痕跡を残さずに再度封をすることができる。キャンディグラムを開けたなら、下記の表を参照して中に書かれているメッセージを確認すること。

キャンディグラムのメッセージ

  • 受取人:グラン・アーボーヴェル
    ムクローの説明:グランは白髪に枝が絡まった優しい顔のヒューマンの老婆。
    メッセージ:このキャンディグラムを親愛なるグランへ贈ります。“緑の三妖婆”の歪んだ指を私たちに向けずにいてくださって感謝します。

  • 受取人:バイレン・ブルー
    ムクローの説明:見ればわかる。青い髪に眩いほど白い笑顔のスプライトだ。
    メッセージ:クリーピングヴェイルより、バイレン・ブルーと陽気な仲間たちの幸運と健康を祈って。

  • 受取人:荒涼のレンジャー
    ムクローの説明:“荒涼のレンジャー”は仏頂面の武装したトートルだ。好きな武器はクロスボウ。
    メッセージ:クリーピングヴェイルより、瞬足にして眼光鋭い荒涼のレンジャー殿へ、弛まぬ感謝を送ります。

  • 受取人:“黒翼の死神”トルベレクサー
    ムクローの説明:私も会ったことはないが、声を聞けばわかるだろう。恐怖で心臓が震えるような声だ!
    メッセージ:私たちが畏怖するお方へ。“黒翼の死神”様、今年もクリーピングヴェイルを滅ぼさないでいただき感謝します。

キャンディグラムの配達

キャンディグラムを届けるためには、一行はタルブルームの奥深くまで旅しなければならない。キャンディグラムはどのような順番でも届けることができるが、タルブルームの住人たちを見つけるには、それぞれ難易度13の【判断力】〈生存〉判定が必要である。この判定には、ムクローが一行に道順を教えているなら有利がつく。一行がこの判定に失敗するたびに1d4をロールし、以下の表を見て遭遇する危険要因を決定すること。

タルブルームの危険要因(1d4)

  1. 手をつないで徘徊している2体のグールがキャラクターたちを見つけ、襲いかかる。

  2. 一行は深さ3m(10フィート)の陥没を引き起こす。各キャラクターは難易度11の【敏捷力】セーヴィング・スローを行なわねばならず、失敗すると陥没した穴の底に落ちる。這い上がるには、難易度13の【筋力】〈運動〉判定に成功するか、10分間かけて登る必要がある。

  3. 毒ガスの雲が辺りに充満する。各キャラクターは難易度11の【耐久力】セーヴィング・スローを行ない、失敗すると4(1d6)の[毒]ダメージを受ける(成功時は半分のダメージ)。呼吸不要のクリーチャーはこの影響を受けない。

  4. (1d4+1)体のスタージの群れが樹上の巣から舞い降り、襲いかかる。

グラン・アーボーヴェル

ハグの小屋

グラン・アーボーヴェルは年配の女性に変装したグリーン・ハグで、紫色の花の刺繍が施された緑色のローブを着ている。グランは一人で動く小屋に住んでいる。小屋には4本の脚がついており、長さ3m(10フィート)で木の根でできている。キャラクターたちがグランの小屋に到着すると、グランはゴブリン型のクッキーを焼き終えたところだった。グランの使い魔、小屋近くの沼を巡回しているスパイダーが、キャラクターたちの存在をグランに知らせる。

朽ちた枝やトゲだらけの根でできた1階建ての不格好な小屋がある。焼きたてのクッキーの香りが漂い、小屋の中で光がちらついている。小屋の中から老婆が声をかけてくる。「ぼうやたち、さっさとおいで!今ならクッキーが熱々だよ!」

小屋に入るには難易度10の【筋力】〈運動〉判定が必要である。動く小屋はよじ登られるのを嫌うので、この判定には不利がつく。グランの小屋の扉は、キャラクターたちが1.5m(5フィート)以内に近づくとすぐに開く。

小屋の中は雑多な小物で飾られている。東側の壁にはシングルベッドがあり、侘しく汚れたシーツと枕が置かれている。北側の壁には薪ストーブがあり、赤く燃えている。その脇にはガラス容器があり、中には2匹カエルがいる。そして、黄色い歯に笑みを浮かべた老婆が目の前に立っている。老婆は髪を枝で束ね、ゴブリン型のクッキーを盛った皿を手にしている。

キャラクターたちがどんなに早くグランの小屋に入ったとしても、クッキーは冷えて固くなっており、グランは大喜びでがっかりした客にクッキーを差し出す。グランはさらに紅茶も勧めるが、慎重に少しだけ長く蒸らすので、苦くなっている。

グランの姉妹はカエル:グランはかつて、クリーピングヴェイルの住民を苦しめるグリーン・ハグの魔女団の一員だった。しかし、姉妹たちがユークタキーリーの郵便局に忍び込み、アボレスの意思を自分たちに都合よくねじ曲げようと画策した際、まさに成功しようという時にグランが姉妹たちを裏切った。グリーン・ハグらしく、グランは姉妹たちの希望を打ち砕くことに興奮した。ユークタキーリーは感謝し、グランがここ一帯で“緑の三妖婆”と呼ばれる魔女団から町を守っている、という噂を流した。現在、グランが姉妹を見張っている。カエルに変化させ、ペットとして飼いながら。

キャンディグラムの配達:グランは自分へのキャンディグラムをすぐには受け取らない。キャラクターたちに物語を、特に失敗する話や恥をかいた話を求める。こういった物語への欲求が満たされた時にのみ、グランはキャンディグラムを受け取る。一緒に過ごしてくれたお礼として、グランはキャラクターたちにボックス・オヴ・フェイ・チョコレート〔付録を参照〕を贈る。一方、キャラクターたちがグランにハグではないかと疑念を伝えた場合、グランは否定し、キャラクターたちが謝るまでキャンディグラムを拒絶する。もしキャラクターたちがこの話題を追及したり、脅したりした場合、グランは“秘密を漏らすわけにはいかないんだよ”とキャラクターたちに言い、襲いかかる。グランはヒット・ポイントが20以下になると逃げ出す。

バイレン・ブルー

バイレン・ブルーはスプライトで、タルブルームにやってきたのは最近のことだ。フェイワイルドの色彩豊かな森に飽きたバイレンは物質界に移り住み、この沼地の小さな一画を切り開いた。到着して以来、バイレンはクリーチャーたちを覚醒させて仲間とし、邪悪な余所者たちからこの地を守らせている。動物仲間には、バット3体、コンストリクター・スネーク2体、病気持ちのジャイアント・ラット1体がいる。各動物の【知力】は10である。
キャラクターたちが到着すると、沼の一画に整理されたバイレンの土地が見える。

通ってきた沼地はどこも地面は凸凹で、ぬかるんだ穴が開き、棘だらけの植物に覆われているが、この一帯は茂みがよく手入れされ、白と紫の花畑がある。音楽とお祭り騒ぎの音が辺りに鳴り響いている。

バイレンと覚醒した動物たちは歓楽祭を祝い、ダンスパーティーを開いている。キャラクターたちは花の咲き乱れる広場にその姿を見つける。

音のする方へ近づくと、沼地の中の輝く花の広場に出る。大きなネズミが高いところにある木の枝に座ってヴァイオルを弾き、青い髪のスプライトが円を描くように飛びながら小さなタンバリンを叩いている。

バイレンは目を閉じて踊っており、キャラクターたちから声をかけない限り一行に気づかない。もしキャラクターが来訪を告げなければ、バイレンのコンストリクター・スネイクがその到着を知らせる。スプライトは来客に舞い上がっているが、覚醒した動物たちに対する脅迫や侮辱は許さない。バイレンはキャラクターたちに食べ物や飲み物を与え、祭りに参加するよう誘う。この間、キャラクターたちは小休息を取ることができる。

キャンディグラムの配達:バイレンはキャンディグラムを受け取る前に、キャラクターたちにダンス対決を挑み、自分と動物たちに勝てば賞品があると約束する。対決に勝つには、キャラクターたちは難易度11の集団【魅力】〈芸能〉判定に3分の2以上成功しなければならない。ダンス対決に勝ったなら、パーティーの参加者たちから声援を受け、賞品としてフィルター・オヴ・ラヴが贈られる。失敗すると、バイレンは一行に礼儀正しく拍手を送り、楽しい対決に感謝する。いずれにしろ、バイレンはキャンディグラムを受け取り、歓楽祭を祝うために飛び立つ。

荒涼のレンジャー

“荒涼のレンジャー”は放浪する女性のトートルで、盗賊たちを罠に掛け、クリーピングヴェイルの郵便配達員を脅かすモンスターを狩る。その呼び名は、灰黒色の甲羅に大量の武器をしまっていることと、本人が無愛想なことに由来する。
荒涼のレンジャーを見つけるのは難しく、キャラクターたちはその足跡をたどって隠れ家まで辿りつく必要がある。一行が捜索を始めたら、次の文章を読み上げること:

君たちは塚の上にある放棄された野営地にやって来た。体重のあるクリーチャーの靴跡が塚を下り、タルブルームの荒野へと続いている。

キャラクターはこの靴跡を、トートル用に作られた特殊なブーツのものだと特定することができる。これには難易度11の【知力】〈自然〉または難易度13の【知力】〈捜査〉判定が必要である。靴跡が続く湖の中央に島がある。島は湖岸から12m(40フィート)離れている。

その足跡をたどっていくと、水晶のように澄んだ水をたたえた湖にたどり着く。湖の中央には小さな島があり、山になった土にシャベルが突き刺さっているのが見える。

湖にはゼラチナス・キューブが棲んでおり、以下の特徴を持つ:

  • 水中透過:このゼラチナス・キューブは完全に水に浸かっている間は不可視状態である。

ゼラチナス・キューブは水中に隠れ、湖の水を飲むクリーチャーを捕食する。クリーチャーが湖に入ったり島に足を踏み入れたりすると、襲いかかる。

ゼラチナス・キューブ

予備装備:この島には物資の入った背負い袋が埋められているが、これは“荒涼のレンジャー”がタルブルームのこの辺りを通る際に備えたものだ。背負い袋には、探検家パック、ポーション・オヴ・ヒーリング2個、タルブルームの地図が入っており、この近くの場所を示す×印が付いている。
地図を頼りに進むと、壊れた荷車にたどり着く。

柳の木々に挟まれたぬかるんだ道に出る。その道から少し外れたところに、風雨にさらされ車輪の壊れた荷車がある。その脇にはいくつか木箱が転がっている。

この古い荷車は荒涼のレンジャーは最近購入したもので、盗賊用の罠として使われている。荷車をよく見ると、側面に張り紙がしてあり、こう書かれている:

「荷車が壊れました。盗まないでください。すぐに戻ります」

木箱には幻覚を引き起こすキノコの胞子が閉じ込められている。木箱を開けると、蓋の裏側に取り付けられた小さな鈴が鳴り、木箱から黄色いキノコの胞子が吹き出す。開いた木箱から3m(10フィート)以内にいるクリーチャーはみな、難易度15の【耐久力】セーヴィング・スローを行なわねばならず、失敗すると以後1時間、幻覚を見る。幻覚を見ている間、そのクリーチャーの移動速度は半分になり、【判断力】〈知覚〉判定に不利を被る。

現行犯:木箱の罠が発動すると、10分以内にクロスボウを携えた“荒涼のレンジャー”が到着する。難易度11の【魅力】〈説得〉または【魅力】〈ペテン〉判定に成功すれば、そのクリーチャーは荷車を盗むつもりはなかったとレンジャーを説得できる。失敗すると、レンジャーは威嚇射撃を行ない、タルブルームにどんな用事があるのか教えろ、と言う。もしキャラクターたちがキャンディグラムのことを口にしたら、レンジャーはそれを捨てて立ち去るよう命じる。その後、レンジャーはクリーピングヴェイルを訪れ、友人であるムクローについて尋ねる。

荷車のすぐ近くを調査し、難易度13の【判断力】〈知覚〉判定に成功したクリーチャーは、さらにトートルの靴跡を発見する。これらは荒涼のレンジャーの野営地へと続いている。
一行が野営地に到着したら、以下を読み上げること:

曲がり角を曲がり、棘だらけの茂みを抜けると、枯れ葉で日除けを作った奥まった空間がある。その中で、黒い甲羅のトートルが寝袋の上に座っている。トートルは君たちにクロスボウを向ける。

キャンディグラムの配達:荒涼のレンジャーはただでさえ他人を信用しないが、キャンディグラムのことを口にする者は尚更である。レンジャーにキャンディグラムを届けたことがあるのはムクローだけだ。レンジャーはムクローがいないことに気づいてそのことを尋ねるが、真実を聞けば満足し、それ以降はクロスボウを下ろす。キャンディグラムを渡されると、レンジャーはうなずいてそれを受け取り、一行を見送る。

“黒翼の死神”トルベレクサー

酸を履くブラック・ドラゴン

タルブルームの最深部には、“黒翼の死神”トルベレクサーの住処がある。このブラック・ドラゴンはかつてタルブルームを徘徊し、クリーピングヴェイルの人々を苦しめていたが、強力な魔法使いによって永久にただのウサギに変えられてしまった。その魔法はトルベレクサーの精神能力を変えることはなく、深いしわがれ声を奪うこともなかった。それでも姿を変えられて以降、トルベレクサーの手下たちのほとんどが財宝を奪い、住処を捨てていった。残って住処を守っているトルベレクサーの手下たちは、ほんの一握りだ。残った手下たちは、トルベレクサーがいつか元の姿に戻り、自分たちの揺るがぬ献身に報いてくれることを期待している。
トルベレクサーの住処はいくつもの洞窟が連なっており、ある穴の底にあるアーチ型の扉から入ることができる:

野バラに覆われた大きな穴があり、蔦が6m(20フィート)下にある穴の底まで垂れ下がっている。底にはアーチ型の入り口が見え、真っ暗な洞窟へ続いている。

キャラクターは難易度13の【筋力】〈運動〉判定で洞窟の入り口まで降りることができる。失敗したキャラクターは泥だらけの床に落下し、7(2d6)[殴打]ダメージを受ける。

キャラクターたちが穴の底に到達すると、アーチ型の洞窟の入り口にねじれた樹皮がぶら下がっているのがわかる。樹皮にはメッセージが刻まれている。竜語のわかるクリーチャーはこのメッセージを読むことができる:

「“黒翼の死神”トルベレクサーの影の下、立ち入る者はみな命を失う」

トルベレクサーの住処は地下にあり、光源はない。キャラクターたちがトルベレクサーの住処の入り口に到着した時、トルベレクサーは玉座の間にいる。キャンディグラムを届けるため、一行はトルベレクサーの住処に張り巡らされた迷路のようなトンネルを通り、玉座の間まで辿りつく必要がある。

トルベレクサーの玉座の間への道
トルベレクサーは、その無害な姿とは裏腹に、今も住処に魔法的影響を与えている。洞窟内を安全に移動するには、難易度11の集団【判断力】〈生存〉判定に3回成功する必要がある。この判定に失敗するたびに1d6をロールし、以下の表を参照して遭遇する危険を決定すること。

トルベレクソールの住処の危険(1d6)

  1. 一行は天井の高い洞窟を発見する。中では6体のリザード・フォークが、25gp入りの小銭入れをめぐってケンカしている。キャラクターたちは難易度11の集団【敏捷力】〈隠密〉判定を行なわなければならない。失敗すると、リザード・フォークたちが気づいて襲いかかってくる。

  2. 雲のごとき虫の群れが辺りを埋め尽くす。各キャラクターは難易度13の【耐久力】セーヴィング・スローを行なわねばならず、失敗すると5(2d4)[刺突]ダメージを受ける(成功時は半分のダメージ)。

  3. (1d4+1)体のダークマントルが天井から落ちてきて襲いかかる。受動〈知覚〉が10以下のキャラクターはみな、不意を討たれて戦闘を開始する。

  4. 魔法の霧が洞窟を“軽度の隠蔽”で覆う。この霧を見通すことができないキャラクターは、次の集団【判断力】〈生存〉判定に不利を被る。

  5. 2体のアンケグが次の食事を待っている。一行の動きを感知すると、アンケグたちは隠れていた場所から飛び出して襲ってくる。受動〈知覚〉が10以下の各キャラクターはみな、不意を討たれて戦闘を開始する。

  6. 壁と天井から酸が染み出す。各キャラクターは難易度13の【敏捷力】セーヴィング・スローを行ない、失敗した場合は5(2d4)の[酸]ダメージを受ける(成功時は半分のダメージ)。

トルベレクサーとの邂逅
集団【判断力】〈生存〉判定に3回成功すると、キャラクターたちはトルベレクサーの玉座の間の入り口に到着する。

君たちは巨大な一対の黒い鉄扉の前に辿りつく。扉には精巧な絵が描かれており、ブラック・ドラゴンが燃え盛る村に酸を吐く様子を表している。その時突然、洞窟が揺れ始め、轟くような声が響く「ここは偉大なる最強のドラゴンの住処ぞ。虫ケラどもは立ち去るがよい。足を踏み入れれば命はないと思え」

難易度13の【判断力】〈看破〉判定で、トルベレクサーが神経質になっていることがわかるが、理由まではわからない。実のところ、この(元)ドラゴンは、冒険者に殺されることを常に恐れながら生きているのだ。キャラクターたちがキャンディグラムのことを口にすると、トルベレクサーは「中に入ってこうべを垂れよ」とキャラクターたちに求める。玉座の間に入ったなら、次の文章を読み上げること:

軋む扉を開けると、中には誰もおらず、埃っぽい玉座の間が広がっている。立ち並ぶ柱の間にぼろぼろの赤い絨毯が敷かれ、階段を昇って暗闇の中へと続いている。小さく毒々しい緑の目が一対、君たちを見下ろしている。

暗視能力を持つクリーチャーや、トルベレクサーから3m(10フィート)以内に近づいたクリーチャーは、ドラゴンが実際には巨大な玉座に座る黒ウサギであることを見ることができる。真の姿が明らかになっても、トルベレクサーはキャラクターを脅し続け、自分の住処に入る勇気のある者に恐れられ、敬われることを望む。

キャンディグラムの配達:キャンディグラムをトルベレクサーに贈ると、トルベレクサーは喜び、クリーピングヴェイルに破滅をもたらすことはいつでもできるが、そんなことはしないとを約束する。

クリーピングヴェイルへの帰還

クリーピングヴェイルに戻ると、町の人々はクエストがうまくいったかどうか聞きたがる。キャラクターたちの出発後、一行が行方不明の郵便配達員を探し出してキャンディグラムを届ける任務を請け負ったというニュースが広まっているのだ。クエストの結果がどうであれ、町の人々は一行に身支度と手当てを申し出て、それからユークタキーリーに報告した方がよいと言う。

配達完了:成功したならば、町の人々は一行に声援を送り、キャンディグラムを浴びせる。通りには紙吹雪が舞い、夜通し音楽が流れる。ユークタキーリーは一行に約束した報酬を与え、郵便局での仕事を斡旋する。

郵便返送:一行がクエストに失敗したなら、歓楽祭はあまり楽しいものではなくなってしまう。一行の失敗と共に、クリーピングヴェイルはおしまいだという噂も広まっていく。一行は親切に扱われるが、キャンディグラムはもらえない。

付録:魔法のアイテム

ボックス・オヴ・フェイ・チョコレート

その他の魔法のアイテム、レア

ボックス・オヴ・フェイ・チョコレート

ハート型の箱に、珍しい形のチョコレートが8個入っている。それぞれのチョコレートは、フェイワイルドをイメージさせる独創的で繊細なデザインで、美しく作られている。重さは箱が250g(1/2ポンド)と、入っているチョコレート1個につき62.5g(1/8ポンド)である〔つまり、チョコレートがすべて残っていれば合計750g(1.5ポンド)である〕。
君は1回のアクションとして箱からチョコレートを取り出し、食べることができる。チョコレートはハート型の容器から取り出されるとすぐに魔法で溶け始め、ターン終了時までに食べなければ魔法が失われてしまう。1d8をロールして以下の表を参照し、食べたチョコレートの種類と対応する効果を決定する。
チョコレートを箱から取り出すアクションの一環として、君は食べる前に難易度17の【知力】〈捜査〉判定を行なってチョコレートの種類を識別しようと試みることもできる。成功した場合、君はこの表を2回ロールし、どちらの出目を使うかを選ぶことができる。失敗した場合、この表を2回ロールし、DMがどちらの出目を使うかを選ぶ。

チョコレート(1d8)

  1. キャラメル:歯ごたえのあるキャラメルで歯が固まり、以後1分間、君は話すことができない。

  2. チェリー・コーディアル:予想外の味と食感の組み合わせに、あなたは吐き気をもよおす。次の君のターン終了時まで、君は無力状態になる。

  3. ココナッツ:ココナッツの削りカスを無限に噛んでいるようで、噛む音が耳に響く。以後1分間、君は聴覚喪失状態になる。

  4. エスプレッソ・ダーク・チョコレート:エネルギーの衝動が君の体を満たす。以後1分間、君の移動速度が3m(10フィート)増加する。

  5. ミント・チョコレート:氷のように冷たいミントに冷やされ、以後1分間、[火]ダメージに対する抵抗を得る。

  6. トリュフ:トリュフ・チョコレートの魅惑的な食感により、(1d4+1)の一時的ヒット・ポイントを得る。

  7. ウイスキー:腹の中で燃える酒がくすぶり、以後1分間、君は恐怖状態に対する完全耐性を得る。

  8. ホワイト・チョコレート:チョコレートの風味がほとんど失われた不快な味で、虚しさだけが後を引く。以後1分間、君はすべての能力値判定に不利を被る。

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