あなた自身のコアメッセージを見つける
メンバーシップ「離脱して生きる: 少数者のための幸福と自己表現のレシピ」の第3回です。参加してくださる方がちょっとずつ増えてきて小躍りしています、いつもありがとうございます✨
メンバーシップ概要の記事にまとめたとおり、当メンバーシップでは「生活の話題」と「創作の話題」を並行して扱っており、今回は第1回にお届けした創作論の続きになります。けっこう大ボリュームです。(6,800字くらい)
前回の内容としては、あなた自身の創作物に「一点物の個性」を確立するための「コアメッセージ」という考え方を示しました。
今回考えたいのは「どうすれば自分自身のコアメッセージを自覚し、言語化することができるのか」という点になります。
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まずは軽くおさらいから。前回の記事で、私は小説というジャンルを例に引いて、コアメッセージの性質を以下のように説明しました。
(……)ファンタジー的な世界設定には一定のパターンがあり、数々のお約束ごとがありますが、そこで読み手が感動することがあるとしたら、当の物語とその登場人物は読者の想像できる範囲にあってはならないでしょう。
これはただ事件の展開や結末が意外であればよいという話ではないんですね。そこで描かれた人物には、単なるステレオタイプな設定の集合体ではない、「ただごとではないもの」としての人間の姿が示されている必要があります。これも単にキャラクターが奇抜であればよいという意味ではありません。現実世界の中では、あなたという人間は周囲から全然深く理解されていないし、あなたもまた周囲の人間のことを全然深く理解できてはいないでしょう。私たちは平凡な人間のことを理解していないし、平凡な社会のことも何も理解してはいません。平凡なものはただごとでなく、それは既に私たちの理解の範囲を超えています。物語を通じて、作家はそこに言葉を与えなければならないんです。
つまり、コアメッセージは読者に対して、この世界に対する理解と発見を提供する必要があります。設定が異世界ファンタジーであったとしても、それは私たちが生きる現実世界について、新しくて肯定的な何かの存在に気づかせる内容になっている必要があるということです。
存在しない神様を「信じなさい」と言うことには意味がないので、それはあくまで「あなた自身が現実世界の中に見つけた価値」を伝えるものでなければなりません。
これは商売上のキャッチコピーとしての「○○というイメージを打ち出そう(書き手としてのキャラクターを立てよう)」といった話とは意味合いが異なります。キャッチコピーというのは、だいたいが既に大衆の内面に平均的に存在している「よいイメージ」を連想させるだけのものですから、そこに新しいメッセージは含まれません。キャッチコピーに使えるのは古いメッセージだけです。古いメッセージとは、普通に先入観や偏見と呼ばれるものを指します。
読み手が既に知っている内容を伝えたって意味がないんです。読み手が知らないものを伝えるのが創作の仕事であり、あなたの仕事であるということです。
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さて、あなた自身のコアメッセージの見つけ方について考えることにしましょう。
前回の最後にも述べたように、コアメッセージというのは突飛で目を引くものになっている必要はなく、むしろ大筋としては「ありふれたもの」で構いません。なぜかというと、人間同士がお互いにこれほどまでに違っているというのは明らかな事実ですが、それでも「人が価値を感じる物事」というのはそれほどバラバラな方角を向いているわけではないからです。
通常、愛し合うことよりも傷つけ合うことに価値を見出すという人はいませんし、建設よりも破壊のほうが大事で、秩序よりも混沌のほうがよいと考える人もいません。大筋では、私たちは共通の方向性の中にある価値を求めています。
しかし、「ケンカはいけません」ということは誰でも知っているにも関わらず、実際には私たちはケンカをするし、自分がなぜそうなってしまうのかを理解することはできていないし、世界がなぜそうなっているのかを理解することもできていないでしょう。仮にあなたが友愛について語りたいとしたら、あなたはこのような事実に対して、新しい気づきと新しい表現を与える必要があるわけです。
今、愛という言葉が出てきましたが、これは「ありふれたメッセージ」の一例であり、同時に「あなただけのコアメッセージ」になり得るものです。今述べた「新しい気づきと新しい表現」があなたに特有のものであれば、それはちゃんとあなた自身のメッセージになるからです。
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ここで一つ質問です。こうした「ありふれたメッセージ」として、何か他に思い浮かぶものはありますか?
たとえば「勇気」などがそうですね。仲間のために闘うなら、そこには愛と勇気のメッセージが同時に含まれているでしょう。急にアンパンマンの話になったようですが、実際、長く愛されている作品にはそれが込められているんです。
他にも何かあるでしょうか? あなたが最近感動した映画や小説の「ありふれたメッセージ」は何だったのでしょうか。あなた自身が最近書いた作品についてはどうですか?
この点に関係して、「あなた自身のコアメッセージ」を特定し、改めて言語化していくためのヒントになりそうな視点が存在しています。それはおよそ20年ほど前にまとめられたもので、心理学上の研究成果という形を取っています。
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