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favorite musicians|guitarists


favorite musicians|guitarists

〈column〉

ギターを弾き始めたのは10歳の頃。元々テレビでギターを弾きながら歌う人を見ていて「格好いいな」と思っていた。といっても、布施明や野口五郎、アリス、そんな感じの人たち。しかしギタリストに対する印象が変わったのは、NHKで不定期放送していた「Young Music Show」という番組。そこで観たKISS。ギタリストの概念が根底から覆された。
それまではギターというと「コードを押さえてジャカジャカ弾くもの」という印象(当時はコードやストロークの意味すら知らなかったが)だったが、そのテレビの中にいる派手なメイクをした外国人は、重厚に歪んだ音を出し、魔法のような早さで指を動かしメロディを奏でる。「ギターって格好いい」そう思った。そして出会った。一発でノックアウトされるような格好いいリフ、ゾクゾク・ワクワクするようなギターソロ、それがリッチー・ブラックモアが弾く「BURN」だった。
以来、リッチーをはじめ、数多くのギタリストをコピーしてきたが、ギタリスト視点とリスナー視点、両方でリスペクトするギタリストはそんなに多くない。例えば、ジェフ・ベックやジミー・ペイジ、エリック・クラプトンなどは「リスナー」としては大ファンだが、自分で弾いてみて楽しいギタリストとは思えなかった(もちろん人それぞれだが)。
以下に挙げたギタリストは、聴いても弾いても楽しく、そして自分のギタリストとしての技術・才能のなさを痛感させてくれたギタリストたちだ。


〈favorite musicians〉

リッチー・ブラックモア/Ritchie Blackmore

Ritchie Blackmore

history|DEEP PURPLE→RAINBOW→Blackmore's Night
equipment|Fender Stratocaster, Gibson ES-335
my favorite play|BURN
        (DEEP PURPLE / BURN)
        Kill the King
        (RAINBOW / Long Live Rock 'n' Roll)
        Sixteenth Century Greensleeves
        (RAINBOW / Ritchie Blackmore's Rainbow)

いつの時代に「あなたにとって神ミュージシャンは?」と聞かれても、必ず答える名前、それがリッチー・ブラックモアだ。
DEEP PURPLEの「BURN」で出会ったリッチー・ブラックモア。その後、ギタリストの教科書とも言うべき「Smoke on the Water」、「Highway Star」、「Black Night」などをコピーした。もちろんDEEP PURPLEの中でも好きな曲、嫌いな曲もあるが、そのどれもがギター・ソロだけは絶品だった。

そしてRAINBOW。ジョン・ロード主導の楽曲から解き放たれたせいか、リッチーのギターはより鮮やかに奥行きを増し、クラシックやバロック音楽をベースにしたフレージングは心をわしづかみされた。「Man On the Silver Mountain」、「Catch the Rainbow」、「Tarot Woman」、「Stargazer」、「Gates of Babylon」など、お気に入りのギター楽曲は数え切れない。その中でも印象に残っているのが「Sixteenth Century Greensleeves」と「Kill the King」。リフ、ソロ、バッキング、すべてがリッチーのすべてが詰め込まれた曲だと思う。

「Down To Earth」以降は求めるスタイルではなくなってしまい、再結成DEEP PURPLEはリッチー在籍時もそれほど聴き込んではいない。当時子供だった自分は「リッチーは変わってしまった……」と思ったものだが、いまならそのリッチーの音楽的変遷も理解できる。そして「Blackmore's Night」に帰結したリッチーの気持ちもわかる。
だからこそいまも言える、リッチー・ブラックモアこそ「神」だと。


ランディ・ローズ/Randy Rhoads

Randy Rhoads

history|Quiet Riot→Ozzy Osbourne
equipment|Gibson Les Paul Custom(white)、Original Flying V(black body / white dot)、Jackson RRV(Randy Rhoads V)
my favorite play|S.A.T.O(Diary of a Madman)
        Mr. Crowley(Blizzard of Ozz)
        Dee(Blizzard of Ozz)

オジー・オズボーンがブラック・サバスを脱退しソロになった頃は、そこそこ音楽を聴き込んでいた自負もあり、有名どころのバンド、ミュージシャンはある程度知っているつもりでいた。それなのに、オジーがメンバーとして選んだギタリスト、こんなに素晴らしいギタリストがいたことを知らなかった。

ランディ・ローズのプレイを聴いたのは、比較的遅く「DIARY OF A MADMAN」からだった。理由は単純にオジーの声が苦手でブラック・サバスをあまり聴いておらず、オジーのソロにも興味がなかったから。それなのになぜ聴こうかと思ったのかは覚えていない。
楽曲はブラック・サバス時代とはまったく異なる、比較的ストレートなハード・ロックで曲はいい。だけど、ヴォーカルはやっぱり苦手だし、ドラムはスカスカ。そのすべてを凌駕したのがランディ・ローズのギターだ。オリジナリティあふれるリフ、それだけで1曲が成立しそうなほどのメロディアスなソロ。比較的ポップな曲が多い中、後半(当時のB面)は重厚な楽曲が並び、名曲「S.A.T.O」からの「Diary of a Madman」への流れは、ランディ・ローズのギター・プレイを堪能できる。
時間をおかずにファースト・アルバム「Blizzard of Ozz」を聴く。アルバムとしての完成度はこちらの方が高いような気がする。同様に、ランディ・ローズのプレイも気負いなく伸び伸びと弾いている印象。スピード感のある曲からミドル・テンポ、バラード、そしてアコースティック・ソロの小曲「Dee」。メジャー展開、マイナー展開、どちらも「らしさ」を失わず、素晴らしいギターを聴かせてくれる。
2枚に共通して言えるのは、音作りが荒く、歪みすぎ高音効き過ぎな印象もあり、プレイ自体もかなり荒っぽい。ただそれらもライブ感があって、個人的には良いと思っている。こんな素晴らしいギタリストが出てくるなんて、次のアルバムも楽しみだ、2枚を聴いた後そう思った。

そしてある日、たまたま聴いていた深夜ラジオの洋楽番組で、川村ひさしさんがオープニングに悲しげな声で言った。
「悲しいニュースが入ってきました。ランディ・ローズが亡くなりました。」
ランディ・ローズが飛行機事故で亡くなったという。25歳という若さで。後にランディはすでにハード・ロックやツアー生活に疲れ、クラシック・ギタリストへの道を歩もうとしていたと言われているが、定かではない。
だけど、少なくともあと数枚、数曲は彼のギターを聴きたかった。あの荒々しく美しい旋律を聴きたかった。


アンディ・サマーズ/Andy Summers

Andy Summers

history|Soft Machine→The Animals→The POLICE
equipment|Fender Telecaster、Fender Stratocaster、Gibson ES-335
my favorite play|Message in a Bottle(Reggatta de Blanc)
        Roxanne(Outlandos d'Amour)
        Every Breath You Take(Synchronicity)

アンディ・サマーズとの出会いは、ラジオでかかった「Roxanne」のキレの良いカッティングだった。当時はハード・ロック一辺倒だったので、ゴリゴリに歪んだギターが正義だと思っていた私には、目からうろこが落ちた思いだった。クリーントーン(実際には多数のエフェクトがかけられているが)でここまで格好いいギターを弾く人がいるとは。
デビューしたてのThe POLICEはラジオでもよくかかっていた。複雑な展開の短音リフから始まる「Message In A Bottle」、裏打ちと表が交互に展開する「Can't Stand Losing You」、ストレートでパンキッシュな「Next to You」など、多彩な音楽性に心惹かれた。

The POLICEについてはこちらに詳しく記載

彼が使うギターも興味深かった。ブラウン・サンバーストのFender Telecasterなのだが、自分の知っているTelecasterではない。フロント・ピックアップは本来シングルコイルのはずだが、彼のTelecasterはカバー付きのハムバッキングが搭載され、さらにボディのエッジは白いバインディングが施されている。このギターが欲しくなったが、60年代のCustomで市販されていたようだが手に入るわけもなく、しょうがないので自作した。といってもFender Japanの安いTelecasterを買って、彫刻刀でボディを掘り、ピックガードもカッターで切ってハムバッキングを取り付けただけのものだが。(本物はさらにプリアンプやブースターが内蔵されスイッチ類が追加され、ブリッジも違う)

The POLICE解散後も様々な活動を続けているが、私が好きなアンディ・サマーズは、やっぱり「The POLICE」のアンディ・サマーズなのだと思う。


花田裕之/Hiroyuki Hanada

Hitoyuki Hanada

history|The ROOSTERS(Z)→Solo→band HANADA→ROCK'N'ROLL GYPSIES
equipment|
〈The ROOSTERS〉
GRETSCH G5622(or G5422)
Gibson Les Paul Custom
Fender Stratocaster
〈The ROOSTERZ〉
Bill Lawrence Strato-type
Gibson Les Paul Special
Gibson Les Paul Jr.
〈SOLO〉
Gibson Flying V
GRETSCH White Falcon
ZEMAITIS The PORTRAIT
Gibson ES-335
my favorite play|再現できないジグソウ・パズル
        (The ROOSTERZ / FOUR PIECES)
        Heavenly(SOLO / Riff Rough)
        MY LIFE(SOLO / MY LIFE)

上記の3ギタリストとはかなり趣が異なるが、日本で最も好きなギタリストである。The ROOSTERS(Z)のギタリストであり、大江慎也脱退後はヴォーカルも務め、結成から解散まで在籍した唯一のオリジナル・メンバーでもある。
The ROOSTERS(Z)というと、イコール大江慎也のイメージが強い人が多いと思うが、私は大江在籍時から花田裕之のファンだったので、大江脱退後のThe ROOSTERZも大好きだ。
ただ、下山淳加入後のThe ROOSTERZにおいては、ギタリストとしての花田裕之は一歩引いた感じであり、「NEON BOY」以降は完全にヴォーカルに重点を置いた立ち位置になっているので、The ROOSTERS(Z)時代は「The ROOSTERS」から「The ROOSTERS a GO-GO」、「INSANE」あたりまでとなる。
ギタリスト・花田裕之の本領発揮は、The ROOSTERZ解散後のソロ。ファースト・アルバム「Riff Rough」は、布袋寅泰が余計なギターの絡みやコーラスで邪魔しているのでアルバムとしてはあまり好きではないが、楽曲と花田のギターは素晴らしい。次作「MY LIFE」では、クマ原田(b)をはじめ、スノーウィ・ホワイト(g)など、イギリスのロック、ブルース系のミュージシャンと製作され、前作でのポップさを一切排除した花田裕之ワールドが展開される。
そしてソロ4作目(ミニアルバム除く)となる「Rock'n'Roll Gypsies」では、下山淳、池畑潤二、井上富雄という新旧The ROOSTERS(Z)メンバーが集結し、完成度の高いアルバムを発表。そこからソロ活動と並行して、バンドとしての「Rock'n'Roll Gypsies」としても活動を始める。
現在はアコースティックでの「流れ」、トリオ・バンド「Band HANADA」で活動するかたわら、The ROOSTERS名義でも散発的にライブを行っている。

全キャリアを通して、やはり花田裕之のギターはThe ROOSTERS初期と、Rock'n'Roll Gypsiesがいちばん好きだが、バンドとしての魅力、ヴォーカリストとしての魅力となるとまた時期が違ってくるので、その話はまたいずれ。

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