「自己顕示欲の溢れた推し活」は本当に悪いことなのだろうか~とあるインパクトのあるSNS投稿でメジャー作品のマイナーキャラの存在やあの有名キャラの細かいプロフィールを知ることが出来たので、個人的には有り難かったという話。あと良い機会なので日本国憲法が保障している「幸福追求権」の小噺~
今日も今日とてnoteを巡回していると「今日のあなたに」というnoteが勝手にこちらにオススメしてくる機能で偶然とある記事を見かけた。内容としては「『お金をこれだけ使いました』的な自己承認欲求の満たし方ははたしてよろしいことなのか」みたいなものだった。言わんとしていることは分からないではない。雑にまとめると「品がない」ということなのだろう。そのnote記事ではとある『ONE PIECE』Youtuberのツイッター(現X)のポストであった。当該ポストを引用して紹介する。
【ジャンプ900冊買いました🏴☠️】
— とーや🍮 (@touyach0724) June 11, 2026
ONE PIECE人気投票 WT100のために!
ナミュールのために人生でいちばん本気出しました💪
9000票!
そして、Web投票!
全部ナミュール🦈🦈
「誰だよ」って言われるキャラを、
みんなが知ってるキャラにしたい。
ナミュール、絶対に世界に見つかれ!!🦈… pic.twitter.com/brFj7YgTRX
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「誰だよ」って言われるキャラを、 みんなが知ってるキャラにしたい。 ナミュール、絶対に世界に見つかれ!!
note記事を書かれた方はこの「とーや」さんの「推し活」に苦言を呈したいようだった。「自分の推しキャラを布教する分には構わないが、わざわざ自分のことも含めてアピールする必要があったのだろうか」ということのようだった。自分の好きなキャラクターをアピールしたいなら、黙って自分の好きなキャラクターのことだけ紹介すればいいのに、わざわざ人気投票のために「これだけ週刊少年ジャンプを購入しました!」とアピールする必要があるのかと言いたかったようである。推し活を通り越して「これだけの物を買える自分は凄いだろう」という「買い物自慢」しかできない人は何か哀れだなぁという旨の記事だったように思う。私自身もブランド物のバッグや時計を身に付けたり、高級車所持やタワマン住みを自慢するのに何の意味があるのだろうとは思っている人種なので、そう苦言を言いたくなる気持ちも分からないでもない。
ただ、別の見方をすれば、「自分の身やプライベートをさらけ出してまでこの世にその存在を知って欲しい魅力的な存在がいる・ある」ことを証明したいことの表れではないかとも思うのである。実際、この「とーや」さんやとーやさんのポストを引用したnoterさんの存在がなければ私は今後の人生で『ONE PIECE』に「ナミュール」という名前のキャラクターがいることを知ることはなかっただろう。私は一応『ONE PIECE』は実家にある分も含めれば単行本はほぼ全巻集めている(最新巻はまだ購入していない)程度には『ONE PIECE』のことは知っているつもりなのだが、それでもパッと「ナミュール」というキャラクターのビジュアルが思い浮かばなかった。名前に「ナミ」が入っていることから、てっきり「麦わらの一味」の「航海士」こと「ナミ」さんの偽物とかパチモンとか、とにかく女性キャラなのかと思っていたくらいである。その真偽を確かめるべく私は『ONE PIECE』の公式HPをチェックして「ナミュール」の正体を突き止めることにした。すると、「ナミュール」とはこのようなキャラクターであった。
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ナミュール | キャラクター検索 | ONE PIECE.com(ワンピース ドットコム)
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全然知らないキャラクターだった!女性どころか人間ですらなかった(魚人だった)。ぶっちゃけアニオリキャラと言われても気付かない。私の記憶が正しければ、少なくとも原作漫画の本編中で堂々と「白ひげ海賊団8番隊隊長 ナミュール」と紹介された記憶は無い。単行本のオマケコーナー(読者との交流コーナーである「SBS」)でその名前が明示されたか、あるいは公式キャラブックである「ビブルカード」シリーズでやっとその名前が判明したくらいのマニアックなキャラクターであろう。別に「ナミュール」の名前を知らなくても『ONE PIECE』本編のストーリーを理解するのに何の差支えもない。マジレスすると「頂上戦争編」で一度登場したきりで二度と再登場しない可能性の方が高い。何故上記の「とーや」さんがここまで「ナミュール」にお熱を上げているのかさっぱり理解できなかった(「とーや」さんはYoutubeでも『ONE PIECE』の魅力を発信しており、そのチャンネルでも「ナミュール」愛について語っていたが、その動画を視聴してみてもやっぱり理解できなかった)。だが、「ナミュール」が「白ひげ海賊団8番隊隊長」という情報を知ることに関連して、同じく元・白ひげ海賊団2番隊隊長にして主人公「モンキー・D・ルフィ」の義兄であり『ONE PIECE』の中では比較的知名度の高い方である「ポートガス・D・エース」の懸賞金が「5億5000万ベリー」であることや、「ワノ国編」で再登場した「白ひげ海賊団16番隊隊長」である「イゾウ」の懸賞金が「5億1000万ベリー」であるという豆知識を獲得することが出来た。『ONE PIECE』のささやかなファンとしては、こうした情報についてよく知らなかったことにショックを受けつつもこのタイミングで知ることが出来て嬉しいとも思ったのである。エースもイゾウもなかなか懸賞金が高いと思ったものである。
話は些か変わるかもしれないが、日本国憲法13条は個人の幸福追求権=愚行権を保障している。これはすなわち、他人から見るとどれだけ馬鹿馬鹿しいと思われることであっても、他人を害しない限りはその自由が尊重され保障されるということである。「自分は○○が好きなので、○○の魅力について布教したい」ということ自体は誰かに対する加害行為に当たらなければ基本的には好きにして貰えればいいのではないかと思うのである。よく勘違いされがちなのだが、「私を不快にしたから○○は規制されるべき」という理由では現実にその表現を規制するのは無理だということは知って欲しいと思うのである。日本国憲法の学修を進めて信教の自由に関する最高裁判例を学んでいくと「宗教上の静謐を害されない自由」でさえも最高裁はそれを害されたことを理由とした損害賠償請求は認める方向には立っていない(詳細は「自衛官合祀訴訟・最判昭和63年6月1日民集42巻5号277頁、判時1277号34頁」を各自調べてみて欲しい)。もっとも、よくよく現実の法律の運用を見てみると「破廉恥な表現は規制されるべき」という個人的には「お気持ち刑罰」とでも呼ぶべき刑法175条の「わいせつ物頒布罪」が未だに廃止されずに残っていたり、こうした「お気持ち」を具現化したかのような「青少年保護健全育成条例」を雑に運用している地方自治体が少なからずあったりとツッコミ所は満載なのだが。
閑話休題。今回の投稿をしようと思ったのは「自分の好きだと思ったものを布教する自由」くらい大目に見てあげたらどうかしらという問題提起をしたかったからである。ただでさえ最近は別にこちらが見たいと思っていなくてもSNS運営が勝手にやれ芸能人の「セクハラ」だの「パワハラ」だのといった一般人にはどうしようもない(語られる情報が断片的すぎて部外者が下手なことを言うとかえって大火傷するリスクしかない)案件の情報ばかりを押し付けてきてウンザリしているからである。どうせ自分から興味がない情報が一方的に押し付けられるなら、せめて何か楽しそうにしている様子でも送られた方が「幸せのお裾分け」をされているようでハッピーになれる可能性が少しでも上昇する気がするからである。そういうわけで誰もが「穏やかな一日」「楽しい一日」「幸せな一日」を送れることを願っている。
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