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AI時代に「英語力」は武器にならない──ショーン川上さんの復帰作を読んで。

ショーン川上さんの新刊 『英語力の核心』(3月24日発売)の 音声コンテンツ制作を担当しました。
ショーン川上さんとAIアシスタントの 対話形式です。

ラジオディレクターとして 25年ほど仕事をしてきた私ですが、 正直に言います。

これほど優秀なアシスタントには、 まだ会ったことがありません。

日本語も英語もアクセントは完璧。 ユーモアもあり、 常に機嫌が良く、 主役を自然に引き立てる。

もちろん、 それはAIの話です。

ただ、今回改めて 確信したことがあります。

ショーン川上さん本人の英語は、 やはり超一級品でした。

発音。 間の取り方。 ユーモアの乗せ方。

25年間、FM放送の現場で 数えきれないほどのネイティブや帰国子女の英語を 隣で聞いてきました。

その私が言うのだから、 これはお世辞ではありません。

むしろ正直に言えば、 自分の中の「基準」そのものを 問い直されるような感覚がありました。

一連の騒動の中で さまざまなことが問われました。

でも、この人の英語能力だけは 疑いようがない。

それだけは 書き残しておきたいと思います。

ただ、この本で重要なのは AIの便利さでも 英語の上手さでもありません。

むしろ逆です。

AIと並走することで ひとつの問いが ゆっくりと浮かび上がってくる。

発売前に、この本の初稿を読ませていただきました。

人は、何を語るのか。

本書の第7章は 生成AIを使った英語学習の実践ガイドとして 書かれています。

けれど初稿を読み終えたとき、 私が感じたのは 単なる学習法ではありませんでした。

AIとの対話を通じて 自分の思考を掘り下げ、 語るべきものを育てていく。

その構造が 章全体の底に 静かに流れている。

気づいたとき、 少し鳥肌が立ちました。

英語を学ぶことは 単に言葉を覚えることではない。

何を語る人間なのかを 探していくこと。

AIは その思考を引き出し、 増幅する装置に過ぎない。

だからこれからの時代、 「アシスタント」という役割は 人間である必要がなくなっていくでしょう。

文脈を持たない補助作業や 単なる情報整理は、 ほとんどAIが担うようになる。

そのとき人間に残るのは 知識でも ノウハウでもありません。

何を考え、 どんな物語を語る人間なのか。

それだけです。

実はショーン川上さんとは 一連の騒動になるずっと前に ある本をすすめてもらったことがあります。

小林秀雄の 『学生との対話』でした。

知識を語るのではなく 問いを語る。

いま思うと ショーン川上という人の思考の根っこは、 もともとそこにあったのかもしれません。

そしてAIという存在によって その問いは さらに鮮明になっている。

22年ぶりの英語学習書。

待望の復帰作が 静かに示しているのは 英語の話し方ではありません。

AI時代に問われるのは、 何を語る人間なのか。

英語ができるかどうかよりも 語るべきものを持っているかどうか。

おそらく本当の問題は ずっとそこにあったのだと思います。

そしてAIという存在が そのことを 私たちに見えやすくしてしまった。

この意味は いまはまだ はっきりとは言えません。

けれど 数年もすれば 多くの人が 同じことを感じるようになる気がします。

私には そんな気がしてならないのです。

『英語力の核心』 ショーン川上 著 3月24日発売(アルク)

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英語力の核心。それは、相手を動かす言葉。/ MAKE IT NEXT Sean Kawakami


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