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あることが気になりすぎたので、全車指定席の「しなの」に乗ってきた

東海旅客鉄道(JR東海)は、東海道・山陽新幹線の「のぞみ(NOZOMI)」に続いて、自社が主幹の在来線特急「ひだ(HIDA)」「しなの(SHINANO)」「南紀(NANKI)」も利用が集中する時期に全車指定席で運行するようになりました。

超個人的に気になることといえば、自動放送や車内案内装置は全車指定席対応しているのかという点。気になって仕方ないので、一番手っ取り早く行ける所で「しなの」のやつを聞きに(見に)行ってきました。


「しなの」のあらまし

「特急しなの」の通るルート

その名の通り、しなのは長野県(信濃国)に行く特急です。具体的には名古屋市中区の「名古屋駅」から長野県長野市の「長野駅」までを結びますが、臨時列車には長野県松本市の「松本駅」止まりの便もあります(※1)。

毎日運転のしなのは、1日13往復あるのですが、停車駅は列車によって異なります。全列車共通の停車駅は以下の通りです。なお、ここに記載のない駅でも列車の行き違い(交換)のために停車することがありますが、通過扱いとなるためドアの開閉は行われません。

  • 名古屋駅
    →中央本線(※2)の終着駅

  • 千種駅(名古屋市千種区)

  • 多治見駅(岐阜県多治見市)

  • 中津川駅(岐阜県中津川市)

  • 木曽福島駅(長野県木曽町)

  • 塩尻駅(長野県塩尻市)
    →JR東海と東日本旅客鉄道(JR東日本)の境界駅
    →ここから先はJR東日本の篠ノ井線を走行

  • 松本駅(長野県松本市)

  • 篠ノ井駅(長野県長野市)
    →篠ノ井線の終点
    →ここから先はJR東日本の信越線(※3)を走行

  • 長野駅(長野市)


(※1) 以前は松本駅から分岐する大糸線に乗り入れて、長野県白馬村の白馬駅を発着する便もあったのだが、諸事情で2025年のダイヤ改正をもって松本止まりに改められた(大糸線への乗り入れを廃止)。

(※2) JR東海は中央本線と呼ぶが、JR東日本はこの路線を中央線と呼称する。中央(本)線は東京駅(東京都千代田区)が起点だったのだが、現在は「神田~代々木間」「新宿~名古屋間」の2区間に分割されている(東京~神田間は東北線、代々木~新宿間は山手線の一部)。ただし、中央(本)線の距離標(キロポスト)は東京駅を0km(起点)として設定されている。

(※3)高崎線のnoteでも触れた通り、信越線は北陸新幹線が開業したことに伴い「高崎~横川間」「篠ノ井~長野間」「直江津~新潟間」の3区間に分断されている。ただし、篠ノ井~長野間の距離標は高崎駅(群馬県高崎市)起点で表され(廃止になった横川~軽井沢間の距離を含む)、直江津~新潟間の距離標は直江津駅(新潟県上越市)起点で表される(これは直江津~新潟間が元々、高崎~直江津間とは“別の”路線だったことに由来する)。


車両は置き換え決定済みの383系電車

車両はJR東海の383系電車です(置き換え決定済み)

しなのは、JR東海の383系特急型電車を使って運行されます。383系は同社初の在来線向けVVVFインバーター制御(交流モーター駆動)電車かつ左手ワンハンドルマスコン採用車両にして、コンピューター制御を入れた自然振り子構造を取り入れたことが特徴で、1994年に量産先行車(6両編成のトップナンバー)を投入し、1996年に量産車が2両・4両・6両の3種類で登場しました。

恐らく察しが付くと思いますが、383系はニーズに応じて編成を増減しやすいなことが特徴で、しなのは6両編成を基本に、最大10両編成で運転されます。

6両編成の長野寄りのグリーン車はパノラマ設計です
パノラマグリーン車は運転台を見るためにあります(写真はATS-PTとデジタル無線機搭載後)

6両編成と4両編成は長野寄りの先頭車がグリーン車…なのですが、6両編成はパノラマ運転台なのに対して、4両編成は貫通路付き運転台です。よって、グリーン車なら必ず先頭眺望が楽しめるとは限らないことに注意が必要です。

6両編成で運転される列車の場合、組成が「6両(貫通)編成(A1~A9編成)」または「4両編成(A101~A103編成)+2両編成(A201~A205編成)」となります。

8両編成で運転される列車は、通常「6両編成+2両編成」という組成ですが、「4両編成+2両編成+2両編成」という組成もたまにあります。

最長の10両編成で運転される列車は、「6両編成+4両編成」または「6両編成+2両編成+2両編成」という組成で、どちらなのかはグリーン車の両数で判別可能です。

なお、しなのの臨時便では、たまに4両編成単独運転も見られます(定期便ではありません)。

385系電車に置き換えが決まっています(JR東海のニュースリリースより)

なお、383系は誕生から30年を超えました。JR東海の在来線車両には「更新工事」という概念がなく、「新製時の姿のまま使い倒す」のが基本スタイルなんですよね。そのせいか、383系は意外と老朽化が進んでいます

そこでJR東海は後継車として385系特急型電車の開発を行い、先日量産先行車が落成しました。383系の量産先行車とは異なり、8両編成で登場したことが特徴で、先頭車の連結器の様子から増結や解結を一切行わない“固定編成”である説が有力です。

今は混み具合によって増結することもある状況ですが、本格的に385系に置き換わると定期便も臨時便も無条件で8両編成になる可能性が高いです。

383系は「全車指定席」を想定していたのか?

今回は「しなの20号」に乗ってみました

…と、話が本題からズレすぎたので戻ります。

2025年末~2026年始から、しなのは利用が集中する時期に全車指定席で運行されるようになりました。冒頭で書いた通り、自動放送や車内案内装置は全車指定席対応しているのかが気になります。

というのも、自動放送や車内案内装置のデータは定期列車または予定臨時列車(ダイヤ上にあらかじめ盛り込まれた臨時列車)を“決め打ち”して作っていることが珍しくなく、通常時と比べて「座席の扱いが異なる」とか(今回はこれ)、「イベントの都合で想定外の駅に臨時停車する」といったイレギュラーに備えたデータが用意されていない(イレギュラーに対応できない)ことがあるのです。

記憶が確かなら、383系が誕生して以来、定期運転のしなので「全車指定席」はなかったはず。そのため、自動放送や車内案内装置で「あれ?」と思うシーンが出てきてもおかしくありません

ということで、全車指定席になった「しなの20号」(長野駅16時発→名古屋駅19時7分着)に乗って確かめてみました。

JR東日本管内だけならチケットレス乗車OK(しかも値引き大きめ)

JR東日本エリア完結なら指定席料金が35%引きなの(ちょっと罠あるけど)

今回、私はJR東日本の「えきねっと」でしなの20号の長野~松本間の特急券を買いました。というのも、JR東日本は同社管内(塩尻~長野間)限定で、通常料金の15~35%引きのチケットレス特急券「トク割」を設定しているからです。

トク割は単に安いだけでなく、乗車時期による特急料金の変動がない(通年均一料金)こともメリットです。

しかし「JR東海が絡む罠」はしっかり適用

ただし、トク割を適用した場合、原則として後続列車の利用ができない(乗り遅れると買い直しになる)というデメリットもあります。また、しなのはJR東海エリアに直通する列車なので座席を座席表から選べないという制約もあります。この辺の話は、以前「踊り子(ODORIKO)」の修善寺編成について書いたnoteでしているので、よかったら読んでみてください。

まず車内案内装置をチェックする

日本語は大丈夫だった

ということで、まずLED式の車内案内装置です。停車駅の案内後に座席の案内が入るのですが、ここはきちんと「全車指定席です。」と出てきました。「お、これは大丈夫そうだ」と思ったのですが…。

英語はおかしい

日本語に続いて英語の案内が行われるのですが、停車駅の案内までは問題ありませんでした。しかし、座席の案内に入ると何かがおかしいのです。文面を書くとこんな感じです。

Cars are for passengers without seat reservations. Cars No.1, No.2, No.3, No.4, No.5, No.6, No.7 and No.8 are passengers with seat reservations.

何がおかしいのか分かりますよね。"Cars are for passengers without seat reservations"(車両は座席の予約のない乗客向けです)とした後に、"Cars No.1, No.2, No.3, No.4, No.5, No.6, No.7 and No.8 are passengers with seat reservations"(1号車、2号車、3号車、4号車、5号車、6号車、7号車と8号車は、予約のある乗客向けです)と流れました。これ、結果的に1文目と2文目で“矛盾”することを言ってしまっています

本来なら単に"All seats (on this train) are reserved."と言えば済むところ、恐らく車両の情報装置が自由席・指定席の情報から、文章の一部だけ自動生成する仕組みだからこんなことになってしまったのだと思われます。

「全部指定席(あるいは自由席)の場合、案内文を丸ごと差し替える」ということができたら、こういうおかしなことにはならなかったはず…というか、日本語は差し替えができたのに、英語は差し替えできてないのは“手落ち”じゃないですかね…。

自動放送はどうなのか?

では、自動放送はどうでしょうか。とりあえず、車内の案内が確実に入るということで、長野駅を出発した後の日本語文面を聞いてみましょう(文字起こしにGeminiを使って、追記やおかしな部分の修正は自分でしています)。

(通称「ワイドビューチャイム」が流れる)

今日も、特急しなの号をご利用いただきまして、ありがとうございます。この列車は、特急しなの20号 名古屋行きです。

停車駅は、篠ノ井、松本、塩尻、木曽福島、南木曽、中津川、多治見、千種、名古屋です。

車内のご案内をいたします。前から8号車、7号車、6号車の順で、一番後ろが1号車です。全車指定席で、グリーン車は1号車です。化粧室は1号車、3号車、5号車、7号車。くず物入れは、各デッキにあります。

携帯電話のご使用について、お願いいたします。携帯電話はマナーモードに切り替えるなど、周りのお客様のご迷惑にならないようお願いいたします。

次は、篠ノ井です。

特急しなの20号(全車指定席)日本語自動放送

きちんと全車指定席対応ですね。バッチリです。

続いて、英語の自動放送を聞いてみましょう。

This is the Limited Express SHINANO Number 20 bound for Nagoya, with stops at Shinonoi, Matsumoto, Shiojiri, Kiso-Fukushima, Nagiso, Nakatsugawa, Tajimi, Chikusa, and Nagoya.

Cars number 8, 7, 6, 5, 4, 3, 2, and 1 from the front in order.

All seats are reserved. The Green Car is number 1. There are lavatories in cars number 1, 3, 5, and 7.

While in the car, we ask that you switch your mobile phones to silent mode.

The next stop is Shinonoi. Thank you.

特急しなの20号(全車指定席)英語自動放送

なんと自動放送ではきちんと”All seats are reserved"と言っています。なぜLED案内表示器は対応できなかったのか、ますます不思議に…。

まとめ: 385系は想定してくれていると期待

385系の案内装置は、HC85系と同じスーパーワイド液晶なんですかね…?

ということで、特急しなのの全車指定席化は自動放送は対応できているけど、車内案内装置は対応できていないという状況でした。本当はひだ・南紀(要するにHC85系)の様子も見に行きたかったところですが、お金と時間が…orz

先述した通り、383系には385系という後継車両の登場が決まっています。車内案内装置がどんなものなのか、まだ分かりませんが、HC85系と同じスーパーワイド液晶になるんじゃないかと予想しています。

ともあれ、385系はきっと全車指定席を想定しているでしょうから、おかしな車内案内は出てこないはず…。まあ、答え合わせできるのは早くて約1年後なんですけどね(

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