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杣江市綺録【第037篇】白手袋の案内員|特記観察対象照会簿:File 08

白手袋の案内員

— 総合病院で失踪案件を起こす身元不明の人物


地方都市の総合病院の長い連絡通路を離れた位置から撮影した写真。通路の中ほどで、黒っぽい制服風の服を着て白手袋をした人物が、来院者らしい一人に向かって通路の先を示している。壁の案内表示や床の反射が見え、病院の記録写真のような静かな雰囲気がある。
総合病院で来院者を案内している場面を記録した写真


基本情報

氏名:不詳(通称:白手袋の案内員)

分類:危険性あり

確認日:2022年6月3日

生年・年齢:不詳

居住:不詳

立場・所属:不詳


観察概要


杣江市立総合病院で確認される案内係風人物。

来院者や見舞客に自ら近づき、行き先を聞いた
うえで「こちらです」と丁寧に案内を始める。

黒または濃色系の制服風衣服、白手袋、細い名札を伴う証言が多い。

印象は「優しそう」「感じがよい」と概ね一致する
一方、笑顔が不自然に固定していた証言が反復する。

声の調子も穏やかで、接触時点では通常の院内案内と区別がつきにくい。


照合事項

令和七年以降、杣江市立総合病院内で、白手袋を
着用した案内員に誘導された来院者または見舞客が、目的地に到達しないまま数日間の所在不明期間を生じる事例が確認されている。

対象に案内された者は、通路を進み、角を一つ二つ曲がったあたりから記憶が曖昧になる例が多い。

その後、数日間の所在不明期間を経て発見されるが、発見時点で外傷、著しい衰弱、精神錯乱など
明白な心身異常を示さない場合が多い。

本人の自覚としても
「少し待たされていた」
「案内されていただけ」という感覚に留まる例が
あり、失踪期間の長さとのあいだに強い齟齬が
ある。

一方で、対象に案内された者はいずれも本来向かうはずだった診療科、検査室、病棟、会計窓口などの目的地には到達していない。

病院側の勤務記録、案内係配置、外注警備・受付
補助要員の照合では、該当時間帯に対象と一致する所属者は確認できていない。

また、顔立ち、年齢、性別印象、名札の表記は証言ごとに揺れ、白手袋、丁寧な口調、笑顔といった
外見的特徴や、「こちらです」という案内文句は
高頻度で一致する。


所見

本対象は、善意の院内案内に見える接触手順を
通じて失踪案件を発生させる身元不明人物として
扱うべきである。

重要なのは暴力性ではなく、相手に警戒を起こさせないまま接触し、通常の案内行為の延長として数日単位の空白を生じさせる点にある。

発見後の被接触者に目立った心身異常が少ないため、事案の異常性が初動対応上、見落とされやすいが、目的地未到達と失踪期間の存在を踏まえれば、通常の迷行や記憶違いとして処理するのは困難で
ある。

現時点では、案内行為を起点として数日単位の失踪案件を発生させる身元不明人物として保持し、接触地点、失踪期間、再発見地点、目的地未到達事例の蓄積を優先監視対象とするのが妥当である。




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