杣江市綺録【第073篇】赤メーターの検針者|特記観察対象照会簿:File 26
赤メーターの検針者
— 正体不明の計量器を検針する老人

基本情報
通称:赤メーターの検針者
氏名:不詳
推定年齢:六十代後半から七十代
性別:男性
服装:背広、半透明の雨合羽、リュックサック
分類:住宅設備異常関連人物
確認日:2024年9月12日
確認地点:杣江市久戸町五丁目付近
所在:不明
所属:不明
観察概要
本対象は、住宅外壁付近に現れる赤色のメーターボックスを検針する高齢男性である。
発見時には、赤い箱体の前で身をかがめ、内部の計器または表示部を読み取るような動作をしている。
対象が出現した住宅には、通常の水道メーター、ガスメーター、電力量計は別に設置されており、検針しているメーターボックスは、それらとは別のものと見られる。
本対象は、背広の上に半透明の雨合羽を着用し、リュックサックを背負った姿で記録されている。
雨合羽は、確認時の天候にかかわらず着用されていたとみられる。
本対象からは、通常の検針員に見られる作業服、安全靴、社名入り腕章、身分証、検針端末、業務車両などは確認されていない。
照合事項
この写真は、久戸町五丁目の住宅前を通行していた住民により撮影されたものである。
撮影者は、向かいの住宅外壁にある赤い箱を、見慣れない高齢男性がのぞき込んでいたため、不審に思い撮影したと話している。
写真からは赤色のメーターボックス内の単位、メーカー名、管理番号、検定表示、所有者表示のいずれも判読できない。
後日、同住宅の外壁を確認したが、同位置に赤色のメーターボックスは確認できなかった。
住宅所有者、久戸水道営業所、杣江ガス管理センター、杣江電力営業所に照会したところ、当該位置に赤い箱体を設置した記録、または認識はないとの回答であった。
本件確認後、久戸町五丁目および隣接する久戸町四丁目で聞き取りを行ったところ、類似する目撃情報が複数確認された。
いずれも、背広の上に雨合羽を着た高齢男性が、住宅外壁付近で赤い箱を確認していたとする内容である。
ただし、現地確認で赤色メーターボックスを確認できた例はない。
また、類似目撃情報のある住宅では、検針後三日以内に小規模な事故または急病が記録されている。
確認された内容は、台所コンロ周辺のボヤ、浴室内での転倒、脚立からの落下、延長コードの発煙、児童の高熱、高齢者の一時的な意識消失などである。
消防、救急、各事業者の確認においても、共通する設備不良や外部からの侵入は確認されていない。
そのため、赤色メーターボックスおよび本対象の検針行為との因果関係は確認できない。
所見
本対象は、住宅設備を点検する人物ではなく、住宅設備の外側に一時的に現れる計量器を検針する人物として扱うべきである。
赤色メーターボックスは、通常の水道、ガス、電力設備とは別に確認される。
しかし、後日の現地確認では箱体そのものが確認できず、各事業者の設備台帳にも該当しない。
このため、同メーターボックスを恒常的な設備として扱うことはできない。
本対象の行動は、一般的な検針業務に似ている。
ただし、検針対象が何を測定しているのかは不明である。
検針後に生じた個別の家庭内事案はいずれも小規模であり、本対象の検針行為との因果関係は定かではない。
本対象が何を読み取り、その後に何が悪化または消耗しているのかは不明である。
本対象の異常性は、奇異な服装よりも、検針対象の側にある。
正規の設備管理に属さない人物が、通常時には存在しない計量器を、当然の業務のように読み取っている。
その後に発生する事象もまた、重大事件としてではなく、家庭内の小さな不幸として処理される。
以後は、本対象を住宅設備そのものの異常ではなく、用途不明の計量器を検針する人物記録として扱う。
照合にあたっては、市内住宅外周における赤色メーターボックスの出現、住民提供写真、背広・雨合羽・リュックサック姿の高齢男性に関する目撃情報、ならびに検針後三日以内の事故・急病記録を優先する。
なお、同様の赤色メーターボックスを確認した場合は、撤去や開扉を試みず、撮影日時、設置位置、周辺の通常計器、本対象の有無を記録すること。
後日の現地確認のみでは、当該箱体を確認できない可能性がある。
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