500円のnoteで迷うのに、コンビニでは800円使う。行動経済学から「売れるnote」を考えてみた。
500円のnoteを見て、
「気になる。でも、まあ今じゃなくていいか」
と閉じる。
その日の帰り道。
コンビニに寄って、コーヒー、お菓子、なんとなく気になった新商品。
気づけば800円。
……人間って、不思議です。
僕はnoteを始めた頃、
「内容のいい記事を書けば、いつか売れる」
と割と本気で思っていました。
でも、有料noteを出してみると、そんなに単純じゃない。
読まれても、買われない。
気になっても、購入ボタンまでは押されない。
そこで最近、少し考え方が変わりました。
もしかすると、
「売れるnote」を考える前に、「人間」を考えたほうがいいんじゃないか。
今日は、行動経済学をヒントに、
まだ売れるnoteの正解を知らない僕が、
「人はなぜnoteを買うのか。そして、なぜ買わないのか」
を考えてみます。
読み終わった頃には、
「もっと文章力を上げなきゃ」
とは少し違う角度から、自分の記事を見られるようになるかもしれません。
経済学の記事を読んでいたら、なぜか「売れるnote」につながった
今回のきっかけになったのは、PRESIDENT Onlineで読んだ、
「激変する時代を自身の力で切り開く『経済学』がその支えになる理由」
という記事でした。
2027年4月に日本女子大学で誕生する経済学部について、行動経済学・労働経済学を専門とする大竹文雄氏と、伊ヶ崎大理氏が語った対談です。
大学紹介のタイアップ記事ではあるのですが、僕が面白いと思ったのは、その中で語られていた、
「そもそも経済学を学ぶ意味って何だろう?」
という部分でした。
経済学と聞くと、
景気、株価、金利、GDP。
そんな「お金の難しい話」を想像してしまいます。
でも記事では、もっと広い意味で経済学が語られていました。
社会や人生を分析する。
いくつかの選択肢から判断する。
そして、自分自身のキャリアや人生を主体的に選んでいく。
そのための思考の土台として経済学が役立つ、という考えです。
さらに記事では、生成AIで知識を得やすくなった今だからこそ、
何を問うのか。
そして、
出てきた答えをどう解釈するのか。
そこが重要になる、という話が出てきます。
同じ生成AIを使っても、
全体像が見えている人と、
何を問えばいいのか分かっていない人では、
得られる答えの質に差が出る。
これも、AIを毎日使っている僕にはかなり刺さりました。
そして記事を読みながら、ふと思ったんです。
売れるnoteを考えることは、人間を考えることなんじゃないか。

「いい記事なら売れる」は、本当に合理的な考えなのか
そもそも人間は、
いつも合理的に行動するわけではありません。
どれだけ綿密に計画を立てても、
その通りに実行できないことがある。
「明日から早起きする」
「今日こそ運動する」
「あとでちゃんと読む」
……僕も何度言ったことか。笑
行動経済学では、
そんな人間の「非合理さ」も含めて考えます。
これをnoteに置き換えてみます。
仮に、
A:めちゃくちゃ役立つ500円の記事
B:なんとなく気になる無料記事
があったとします。
合理的に考えれば、
Aの記事を読むことで500円以上の時間や失敗を減らせるなら、買ったほうが得かもしれません。
でも、人間はそう簡単には動きません。
「あとで読もう」
「500円か……」
「本当に自分に必要かな?」
「似た情報が無料であるかも」
「この人から買って大丈夫かな?」
そんなことを考えているうちに、
そっと画面を閉じる。
僕もやります。笑
だから、
「価値がある=売れる」
ではないんですよね。
価値があることと、
読者がその価値を感じて実際に行動すること。
その間には、思った以上に大きな壁がある。
有料noteを作ってみて、僕はそこを甘く見ていました。
① 3時間かけた記事ほど捨てられない。「サンクコスト」の怖さ
参考記事で具体例として紹介されていたのが、
サンクコスト(埋没費用)
です。
すでに使ってしまって、もう取り戻せない時間やお金。
人間は、
「ここまでお金をかけたんだから」
「こんなに時間を使ったんだから」
と、過去に払ったコストに引っ張られて、その後の判断まで変えてしまうことがあります。
これ。
noteを書いている人なら、結構心当たりがあるんじゃないでしょうか。
僕にはあります。
3時間かけた記事。
一生懸命調べた。
ChatGPTとも何度もやり取りした。
画像も作った。
よし。
投稿。
……
思ったより読まれない。
でも、
「いや、こんなに時間をかけた記事なんだから内容はいいはず」
と思いたくなる。
タイトルが悪いのかもしれない。
冒頭が弱いのかもしれない。
そもそも読者が求めているテーマではなかったのかもしれない。
それでも、
「3時間かけた」
という事実が邪魔をする。
でも読者からしたら、そんなことは関係ありません。
3時間かけようが、
30分で書こうが、
判断基準は、
「自分にとって読む価値があるか。」
結構、残酷です。
でも同時に、
ものすごく大事なことだと思います。
書き手がかけた時間と、読者が感じる価値は別物。
僕もAIを使って記事を書いていると、
「ここまで作ったんだから残したい」
と思うことがあります。
でも反応が悪ければ、
タイトルを変える。
冒頭を削る。
長すぎるなら短くする。
場合によっては、テーマそのものを疑う。
過去に使った時間ではなく、
「ここからどうしたら良くなるか」
で判断する。
これだけでも、行動経済学を知る意味が少し分かった気がしました。
② 500円を払う「痛み」は、思っている以上に大きい
次に考えたいのが、
損失回避
です。
人間の判断は、
「何かを得たい」
だけではなく、
「何かを失いたくない」
という感覚にも左右されます。
有料noteなら、
購入ボタンを押した瞬間に500円が減ります。
これは確実です。
一方で、
「この記事を読んだら仕事が楽になるかもしれない」
「noteの売上につながるかもしれない」
というメリットは未来の話。
しかも確実ではない。
だったら、
「今日はやめておこう」
となるのも不思議ではありません。
ここで、
「だったら読者の不安を煽ればいい」
とは僕は思いません。
「買わないと損します!」
「今買わないと手遅れです!」
これをやり始めると、
行動経済学ではなく、
ただの煽りです。笑
僕が必要だと思ったのは、
比較できる材料をちゃんと渡すこと。
たとえば、
「このnoteは500円です」
だけなら、
500円を払うか、払わないかの判断になります。
でも、
「自分で同じ内容を調べたら何時間かかる?」
「何回失敗すれば同じところにたどり着く?」
「その試行錯誤をまとめて読めるとしたら?」
と考えると、
比較対象が変わります。
価格を安く見せるのではなく、
何に対して500円を払うのかを明確にする。
ここは僕も、自分の有料noteを見直したいところです。
③ なぜ「スキが多い記事」は気になってしまうのか
noteを見ていると、
同じようなタイトルでも、
スキが3の記事と、
スキが300の記事。
どちらを先に開きたくなるでしょうか。
僕なら、やっぱり300のほうが気になります。
人は、
「多くの人が選んでいるなら、何か理由があるはず」
と判断することがあります。
Amazonのレビューも、
飲食店の行列も、
SNSのいいねも似ています。
いわゆる、
社会的証明
です。
でもここで、note初心者には厳しい問題があります。
最初、その数字がない。
実績ゼロ。
購入者の声もない。
大量のスキもない。
「じゃあ初心者は売れないじゃん」
となりそうですが、
僕は必ずしもそうではないと思っています。
なぜなら初心者には、
途中経過という一次情報があるから。
「月100万円売りました」
は書けなくても、
「30記事書いた結果、こうなった」
なら書ける。
「絶対売れる方法」
は分からなくても、
「これをやったら全然読まれなかった」
は書ける。
完成した成功談ではなく、
試行錯誤そのものを見せる。
成功している人からしか学べないこともある。
でも、
自分より半歩先で転んだ人からしか学べないこともある。
だから僕は、失敗もできるだけ残していきたいと思っています。
④ 「500円は高い」の基準は、どこから来た?
もうひとつ面白いのが、
アンカリング
です。
人間の判断は、先に提示された数字や情報に影響されることがあります。
500円のnoteを見て、
「高いな」
と思ったとします。
でも、
何と比較して高いのでしょうか。
無料記事?
缶コーヒー?
本?
自分の時給?
自力で調べる時間?
ここを考えると、
値段って不思議です。
昼休みにコンビニで800円使っても、
そこまで悩まない。
でもデジタルの記事に500円となると、
急に慎重になる。
もちろん、
だから「500円なんて安いんだから買え」という話ではありません。
むしろ売る側が考えるべきなのは、
読者が何と比較しているのか。
だと思います。
そして、ここで参考記事のもう一つの問いが効いてきます。
僕たちがよく使う、
「タイパ」
「コスパ」
という言葉。
それは本当に、
自分自身で考えて選んだ合理的な判断なのか。
それとも、
知らないうちに何かに誘導されているのか。
一度立ち止まって考えてみる。
これ、noteを売る側にも刺さります。
「今だけ!」
「残り○名!」
「通常5,000円が500円!」
こういう言葉を使えば、人は動くかもしれない。
でも、
その人は本当に必要だから買ったのでしょうか。
僕は、行動経済学を
「人をうまく買わせる心理テクニック」
として使うのは、少し違う気がしています。
読者が判断を間違えやすいことを知っているなら、
その心理を利用するだけではなく、
読者が自分で納得して選べる材料を渡す。
そこまで含めて考えたい。
そして一番刺さったのが、「AI時代は答えより問い」という話だった
参考記事で僕が一番面白かったのは、
実はここでした。
単なる知識の獲得なら、
生成AIやインターネットでかなり代替できるようになった。
だからこそ重要になるのが、
「問いを立てる力」と「結果を適切に解釈する力」
だという話です。
同じ生成AIを使っても、
全体像が見えている人と、
何を問えばいいのか分かっていない人では、
出てくる結果の品質に差が生まれる。
同じ道具なのに、です。
これ。
AIを使っている僕には、めちゃくちゃ刺さりました。
ChatGPTに、
「売れるnoteを書いて」
と入れてみる。
すると数秒で、
それっぽい文章が出てきます。
タイトルも出る。
構成も出る。
CTAまで出る。
便利です。
でも、
その前に僕が考えなきゃいけないことがある。
なぜ、この読者は500円を払わないんだろう?
購入ボタンの直前で、何を不安に感じているんだろう?
その人は価格に迷っているのか、それとも僕を信用できていないのか?
そもそも、このテーマを欲しい人は本当にいるのか?
こういう問いです。

この問いがズレていたら、
ChatGPTがどれだけ上手な文章を書いても、
たぶんズレたままです。
ここで僕の中で、
参考記事とnoteが完全につながりました。
AI時代だからこそ、
文章を書く能力だけでは差がつきにくくなっていく。
その中で重要になるのは、
「AIに何を答えさせるか」より、「自分は何を問うのか」。
なのかもしれません。
「売れない」を答えにせず、問いに変えてみる
ここでもうひとつ、
参考記事に出てきた考えがあります。
アントレプレナーシップ。
普通に聞くと、
「起業家精神」
というイメージがあります。
でも記事で語られているのは、
起業だけではありません。
課題を自分自身の問題として受け止め、
自ら課題を見つけ、
分析し、
挑戦していく姿勢。
そういう広い意味で捉えられています。
これもnoteに置き換えられる気がしました。
有料noteが売れない。
そこで、
「やっぱりフォロワーが少ないから無理だ」
で終わるのか。
それとも、
問いに変えるのか。
なぜクリックされない?
タイトル?
テーマ?
なぜ無料部分で離脱した?
何が足りない?
価格なのか?
信頼なのか?
そもそも誰向けなのか?
読者は買ったあと、どう変わる?
一つずつ仮説を作る。
変えてみる。
数字を見る。
また考える。
これって、
かなり小さいけれど、
立派なアントレプレナーシップなんじゃないか。
と思ったんです。
大げさかもしれません。
でも個人が自分の発信を育てるって、
結局この繰り返しなのかもしれません。
僕は「売れるnote」を考えていたはずだった
最初は、
もっと単純でした。
売れるタイトル。
売れる構成。
売れるジャンル。
売れる価格。
そういう答えが欲しかった。
だからAIにもたくさん聞きました。
「どんなタイトルがクリックされる?」
「有料部分はどこからにすればいい?」
「500円と980円ならどっち?」
でも行動経済学を少し知ると、
その一個前が気になってくる。
なぜ人はクリックする?
なぜ無料なら読む?
なぜ500円で迷う?
なぜ「あとで買おう」と思って忘れる?
なぜ知らない人より知っている人から買う?
なぜ他人の評価が気になる?
なぜ必要ないものまで「今だけ」と言われると欲しくなる?
結局、
商品ではなく、人間の話になってくる。
そこで、
参考記事で語られていた、
「経済を知ることは、人間を知ること」
という考えが、自分の中でもつながりました。
そして僕なりに言い換えるなら、
売れるnoteを考えることは、人間を考えること。
なのだと思います。
行動経済学は、「買わせる技術」ではない
行動経済学を調べると、
マーケティングで使える心理テクニックがたくさん出てきます。
損失回避。
アンカリング。
社会的証明。
現状維持バイアス。
確かに知れば、売り方にも使える。
でも、
そこだけ切り取ると少し怖い。
「人間はこう動く」
↓
「じゃあ、こう誘導すれば買わせられる」
ではなく、
僕はこう考えたい。
人間はこう迷いやすい。
↓
だったら、判断しやすいように伝えよう。
誰のための記事なのか。
何が入っているのか。
何が入っていないのか。
読むと何が変わるのか。
どんな人には必要ないのか。
500円を払う価値はどこにあるのか。
そこを正直に見せる。
その結果、
「これは自分には必要ない」
と思われるなら、それでもいい。
逆に、
「今の自分には必要だ」
と納得して買ってくれた人のほうが、
きっと記事もちゃんと読んでくれる。
僕はそんなnoteを作りたいです。
まだ、僕にも正解は分からない
ここまで書いておいてなんですが、
僕はまだ、
「売れるnoteの作り方」を教えられるほどの結果を出していません。
有料noteだって試行錯誤中です。
だからこの記事も、
成功者が教える答えではありません。
「なぜ売れないんだろう?」
と悩んでいる本人が、
経済学の記事を読み、
行動経済学を知り、
自分自身を実験台にして考えてみた記録です。
でも最近、
これはこれで価値がある気がしています。
完成した答えを見せる人がいてもいい。
まだ答えが出ていない途中を見せる人がいてもいい。
僕は後者でいきます。
タイトルを変える。
冒頭を変える。
Threadsで交流してみる。
Xでも発信してみる。
数字を見る。
また考える。
失敗したら、
また記事にします。笑
最後に、自分の有料noteを1分だけ見てほしい
もし有料noteを書いているなら、
自分の記事を一度、
書いた人ではなく、買う人のつもりで開いてみてください。
そして一つだけ問いを置いてみる。
「なぜ、この人は“今”これを買う必要があるんだろう?」
すぐ答えられるでしょうか。
もし答えられなかったら、
文章力の問題ではないかもしれません。
読者が、
何に困っているのか。
何を怖がっているのか。
何と比較しているのか。
買う直前に何を迷っているのか。
買ったあと、何が変わるのか。
そこがまだ十分に言葉になっていないだけかもしれない。
僕も、この記事を書き終えたら、
自分の有料noteをもう一度開いてみます。
AIに、
「もっと売れる文章に直して」
と頼む前に、
まず僕自身が、
「読者は、なぜ買わないんだろう?」
と考えるところから。
AIがどれだけ進化しても、
この問いを立てるのは、
まだ僕たち人間の仕事です。
売れるnoteを考えていたら、
いつの間にか、
「人間はどうやって選ぶのか」
を考えていました。
行動経済学。
思っていたより、
noteと相性がいいかもしれません。
この記事が、
「自分の記事も、ちょっと見直してみようかな」
と思うきっかけになったら、スキをもらえると嬉しいです。
僕自身もまだ実験中なので、
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参考記事
PRESIDENT Online
「激変する時代を自身の力で切り開く『経済学』がその支えになる理由
2027年4月、『女性の一生に寄り添う経済学部』が誕生」
大竹文雄氏・伊ヶ崎大理氏 対談
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