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随筆/いまでも

先日の下記の短詩で、お気に入りの缶ペンケースに初恋のひとの名前を彫られて勘弁してちょ。缶ペンだけにッてやかましいわという昔話を書きました。

じつは忘れられない後日譚があるので、ここに書き残しておこうと思いまして。長い&ガラになく結構まじな恋バナなので、それ系が苦手だったり惚気に感じてしまう方はご遠慮なくスルー推奨です😉🆗
 
 
 
 
 
 
 
 
 


当時まだ中1だった自分はスッカリ片想いでいたのだけど、バレンタインの日もふつうに部活を終えて帰ろうとした2月のもう暗い空のなかを校門の前でなんと西山さんに呼びとめられた。心臓バクバクでええと不純だけどコレはもしや⋯と予感していたらシュウちゃんにこれを、と本当にちいさな箱を手渡された。まさか下の名を呼んでくれるなど思ってもいなかったのでドタマはパンクして、怯える小動物かよって程度の声でありがとうだけ言ったと思う。
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急いで帰宅して開けてみると、箱以上に小さく折り畳まれた手紙が入れてあり「ほんとうに好きだから手づくりにしました」と書いてあった。多分おれが人生で初めてひとに好かれたのはそのときだった。
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それからの毎日は、言っても田舎の中1なので特に大胆なことはなく廊下ですれ違えば笑顔を交わして程度のカワイイものだった。そんでホワイトデーの日はおれが部活で遅くなりプレゼントを渡し損ねてご実家に電話する、という今とたいして変わらないヤラカシをヤラカシて翌日に渡しながら告った汗。
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それから数日後のことである。同級生で西山さんとおなじクラスの富田ってやつがおれのところに来て
オマエ西山にホワイトデー返した?と訊いてきた。べつに隠すことでもないので、ウンまぁねとおれが曖昧に答えると「まじで?西山とチナミって二人で沢山の男子にチョコ配ってどっちのがお返し多いか競ってんだぜww」と嘲笑された。羞恥か憤怒かは判らないけどすごく身体が痺れたのを憶えている。
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いまなら絶対に西山さんを信じられる。でも中1のおれには同級生の男の言葉のほうがスムーズに耳に入ってしまった。それからは、廊下や教室で彼女と顔を合わせても自発的に逸らせて無視をし続けた。最初はキョトンとしていた彼女も、いつからか目を合わせなくなった。後述するが本当にあのとき彼女を信じるべきだったと後悔をしながら生きてきた。
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何年か過ぎて高2の頃だったと思う。最寄りからのバス待ちで中学の同級生と一緒になり大して昔でもない昔話に花が咲いた。そのなかで先の出来ごとを簡潔に懐かしむと彼が「それ富田の嘘だよアイツも西山のこと狙ってたからね笑」と言われた。だけどそれを聴いてもなぜか怒りや恨みは起きなかった。そんな感情以上に、そうだよな思春期のはじまりに立って富田も必死だったんだなと理解した。その後せめて西山さんに謝りたくて仲介を探したが叶わぬままこの歳に生きて、先日は自嘲的に詩も書いた。
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おそらくこの先も会えることは無いと思うし、また会えたとしても彼女からすればドウデモイイ過去のことになっていると思う。それでいいんだと思う。
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先日の投稿のなかでふれたとおり西山さんの名前が彫られた缶ペンケースは幾たびの引っ越しを経ても片付けることが出来ず、小さな手紙と離さずに未練がましく仕舞ってある。そのほかで残っているものといえば、おれの頭んなかに彼女の誕生日とあの夜まわしたご実家の電話番号だけがある。いまでも。
 
 
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こちらはいつも大変お世話になっています相互さま無名の情緒さんから『エッセイしりとり』なる企画

でバトンを託されまして、寝かせると腰が重くなる性格ですので生来の瞬発力(見切り発車とも⋯)でひと筆書きいたしました。推敲もしておりませんがエッセイはライブ感も大切じゃろという考えのもとバトンを次の方々に引き継ごうと思います!
 
どちらさまに渡すか少考しますので、そこだけ後日追記させていただきます。当日に披露宴のスピーチ頼まれる感、覚悟しとけよオマエラww😆👌✨
 
 
 
 

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