3300円で1000万円相当の業務システムをゲットした話
SNSに出てくるなんの節操もない広告かっ!
と自分でもツッコんでしまうタイトルですが、小さな会社に業務システムを導入することの有益さを多くの人に知ってもらいたい、という思いがあり、ちょっとばかり誇張したタイトルにしてみました。
たった 3,300 円で 1,000万円「相当」の業務システムをゲットした。
「相当」と書いてあるところに胡散臭さが感じられますね。
詐欺師が使うレトリックの香ばしさが漂っています。
もちろん詐欺でも釣りでもないお話です。僕と同じような、小さな会社の経営者や個人事業主の方で、「業務システム?何それ、美味しいの?」と思われる方に是非読んでいただきたいです。
興味が出たら、システムの話を肴にお酒を酌み交わす友の会を実施したいのでぜひコメントください。
それでは、少々長いですがどうぞ。
余談ですが、、、タイトルにちなんで「海老で鯛を釣る」絵をAIに描いてもらおうと思って試行錯誤したんですが、どうしても鯛にならない。。
no Koi , no Kingyo などのネガティブプロンプトを入れたりしたのですが、そうした時に出てくる鯛の画像が変なのばかり。
シンプルな料理としての鯛はおおよそちゃんとした絵が出てきたのですが、どうもうまくいかない。眠たいのでもう鯉っぽい魚でいいや、、と投げやりになったのでした。
Notionとの出会い
以前こちらの記事でNotionにどっぷりハマったことを書きました。
2025 年 1 月の終わり頃。
新年に立てた目標の中に、社内に溜まるナレッジをちゃんと活用する、というものがありました。
いわゆる社内wikiを作ろうと思い、適したツールを探すよう依頼していたスタッフから、候補として出てきたアプリケーションがNotionでした。
「ドキュメントもタスクもデータベースも 1 か所にまとめられる」と聞いて、“整理整頓大好き”アンテナがピピッと反応。
早速無料アカウントを作って触り始めたが最後、気づけば深夜 2 時半。
ページを作り直してはデータベースをつなげ、プロパティをあれこれ工夫したり……まるで新作のRPGゲームを手に入れた中学生のように没頭しました。
約250時間の趣味残業
そこから約 3 か月、平日は業務後に平均2.5時間、土日は合わせて4時間程度、システムづくりに明け暮れました。
日付が変わるまでキーボードを叩いていることも珍しくなく、目と肩は限界になっていましたが、近い将来の劇的な業務改善を確信していたので、そんなに苦にはなりませんでした。
時に本業の業務時間内にも作業していたので、それも加えると、システム全体像が完成するまでにかかった時間は、約250時間。
もしこれが本業の設計作業だったら、工事費3500~4000万円くらいのプロジェクトの設計監理ができる時間です。
実質3,300円── 費用のからくり
業務システムを作るにあたり、実際的にかかったコストは、
Notion Plus プラン(1,650 円/月)× 2 か月分。合計 3,300 円。
これだけです。
最初の1ヶ月は無料プランであれこれ試行錯誤したため、2ヶ月分だけお金がかかっています。
そして人件費については、自分で作ってるので当然0円。
250時間は結構な時間で、ちょっとした資格なら十分取れるだけの学習時間ではないでしょうか。
趣味として時間を費やし、その成果が会社の業務改善につながった、と考えたらマイナスが一切ないので、とてもいい趣味を見つけたと思っています。
1000万円相当? ── プロが付けた値札と時代背景
完成したものは誰かに見てほしい、評価してほしい。
作り手のエゴが沸々と湧いてきた時、頭に浮かんだのは企業の業務システムを作っていたことのある友人でした。
久しぶりにランチを共にし、その後捲し立てるようにプレゼンをした。
友人曰く「Notionが優秀なツールってことがすごくよくわかったわw」
とのこと。
・・・ワシわい!
と返したかはさておき、作り手の僕に対する評価は「狂ってる」でした。
よくもまぁ、本業と並行して短期間でこんなもん作ったな。やばいわ。
とのこと。
この言葉は非常に嬉しかった。やった甲斐があった。
「狂ってる」なんて言われて喜ぶのはクリエイターかアーティストくらいかもしれない。
実際のところ、これくらいの規模の成果物は、そのツール制作を本業にしている会社だといくらで売れそう?との質問への回答は、
「7〜8 年前なら 1,000 万円くらい請求できる開発規模感かな〜」
とのこと。
うーむ。知らぬ間に偉業をなし遂げてしまった。
・・・・うん?「7〜8年前!?」
そう、一昔前ならそれくらいの金額だった、という意味でした。
数年前と今でなぜ金額が違うのかというと、現在はいわゆる「ノーコード」と言われる、プログラミングができなくてもシステムなどが作れるアプリケーションが発展したので ──もちろんNotionもこれに含まれるのだが ── 業務システム構築に対する対価の考え方が変わってきているから、ということだった。
つまり、人の手でプログラムを書いて作った場合だと1000万円だが、今の時代、同様のシステムが、既製のノーコードアプリケーションで作れると判断されたらグッと安くなる、という話です。
ノーコードが今ほど浸透していなかった頃、似たような基幹システムをスクラッチで作れば確かに 1,000 万円コースなのと、今でもその作り方も生きてるやろ?ということで、より"盛れる"数字をタイトルにしたという訳です。
"飽き"と"限界" ── 仕組み化が必要だった理由
そもそも、なんで急に業務システムなんて作ろうと思ったのか?
それは、年齢を重ねていくにつれ、“目をつぶっててもできる作業” へのモチベーションが急降下したからです。
創業20年が目前となり、40代後半に差し掛かっても、まだプレイヤーとして仕事をしている。
比率は減ったけれども、まだ「担当」プロジェクトがある。
そんな中にあって、「考える」仕事はいくらやっても大丈夫だけど、「手を動かして成果物を完成させる」作業が非常に億劫になった。
25分作業して5分休憩して最大限の仕事効果をもたらす仕事術「ポモドーロ・タイマー」の真反対をいくように、5分作業しては25分休憩する、くらいの効率の悪さになっている。
この効率の悪さは、おそらく「飽き」からきている。
新人スタッフには新鮮だが、おじさんには何度も何度も繰り返しやってきた作業で新鮮味がない。
どんな仕事でも、どこかに楽しさを見つけようと努力してきたけれども、流石に限界があることを知ったこの頃でした。
このままでは 「社長がプロジェクトのボトルネック」 になり、クライアントにもスタッフにも迷惑をかける未来しか見えない。
だから、僕ができなくなってきた作業をどのスタッフでもできるように、業務全てを見える化し、それを誰もが遂行できるシステムをつくらなければならない、そう考えたのです。
Before / After ── ツールの一本化で何が起きたか
システム設計の話をし始めると終わらないので、(本当はしたいけど)完成した業務システムを運用して、使わなくなったツールの一部を記します。
Google Document|議事録
Asana|プロジェクト&タスク管理
Asana|完成案件のアフターフォローシステム
Chatwork|プロジェクトに関する社内やりとり
Keynote(Mac版パワポ)|調査報告書・プレゼンシート(ここは厳密にはNotionのみではない。「MIRO」を利用、埋め込み)
Excel|工事概算見積り
Excel|プロジェクトにおける物品購入管理
Excel|スタッフの月次経費精算
Excel|その他様々な書類の95%くらい
Gmail|顧客よりのお問い合わせ
その他もろもろ
これらツールはすべてNotion内で作業できるようになったので、使用するアプリケーションが減りました。
同時に開くアプリケーションが減ると、当然ローカル(もしくはクラウドに)に置くファイルも減るわけで、情報の格納ルールが非常にシンプルになります。
ファイルストレージも空きが増えますし、突き詰めていくとPCに保存するデータはなくなります。
実際のところ、現在自分のPCにはローカルで保存している仕事のファイルはありません。(一時保存としては使っている)
そうすると、PCの動きも軽くなるだろうし、ハードディスク容量も小さいもので事足りるので、備品整備コストも下げられるのではないでしょうか。
3つの大きなインパクト
ツールの一本化を目指してどんな効果があったかを前項で書きました。
業務システム構築をほぼ完成させてみて、自分が感じた大きなインパクトを3つ挙げたいと思います。
探し物時間ゼロを目指せる
求めているデータを探しあて、ファイルを開いて確認するまでの時間がすこぶる早くなりました。
なんせ、アプリケーションを開く必要もないし、ブラウザでたくさん開いたタブやブックマークから情報を探す必要もないので、当然と言えば当然です。
肌感ですが、1日あたり10分ほど縮められた感覚があります。
僕は元々ファイルの整理整頓が好きなので、元から探しやすかった環境があったにも関わらず、というのは補足です。
なので、ズボラな人だったりすると、もしかしたら1日で30分くらい短縮できるかもしれませんね。
1日だと30分ですが、年間の勤務日数で計算すると、122時間にもなります。これだけ縮められたら、別の仕事を十分にする時間が取れますね。異次元の情報共有
プロジェクトの全体像がリアルタイムで可視化されます。
プロジェクトダッシュボード内でスケジュールについてのコメントをやりとりし、同じ議事録にアクセスし、タスクの中に書かれたマニュアルに対して質問もできる。
設計部のスタッフが記入した経費の情報は、同時に経理担当が確認できるなど、即時・同時に情報が共有されるのはすごいことです。
また、システムの基本構造として、一つのDB(データベース)を複数の利用場所に展開できるので、情報の重複が起こらないようにできます。
設計担当が購入した家具金額と、経理担当が処理する請求金額が、それぞれが記入した別のものではなく、どちらかが記入した一つの情報を利用するように構築できます。
そうすれば、金額の相違があって経理担当が困って設計担当に問い合わせをする(そして往々にして誰が担当か分からない)、みたいな事態は起こり得ません。
これも非常に効率的で間違いがないシステムだと思いました。AIとの親和性
これからの時代、AIの技術と仕事は切っても切り離せません。
NotionにもAIが入っていて、あれこれやってくれるようですが、まだそこまで使いこなせてはいません。
しかし、ChatGPTで慣れてきた口語的な指示で、Notion内のあらゆるデータを参照しながら、例えばタスクを追加したり資料を作成してくれるようなのでいずれ大活躍することは目に見えています。
今のところ便利だなと感じたのは、Notionの中で録音をして、AIによって文字起こしと要約ができる機能です。
zoomでもGoogle meetでも、いろんなツールで実装されている機能ですが、相手によって使い勝手が違い、出力も気を遣わなければならないので面倒です。
しかし、Notion AIの録音機能だと、PC自体への音源入力を認識するので、zoomでもどのツールを使っても、Notion内で録音〜文字起こし〜要約ができます。
プロジェクト内の議事録ページに録音ブロックを置いておけば、外のツールに移動することなく、議事録内に録音データを置いておくことができるので非常に重宝しています。
まとめ|長く続く会社の“根っこ”のひとつは仕組み化
良い商材、誠実な対応、マーケティングの巧さ──長く続く会社には、太く丈夫な"根っこ"がいくつかあります。
今挙げた根っこはもちろん重要です。
しかし 「社長が急に倒れても会社が動き続けられるか?」 という問いに Yes と答えられる企業は、実はそれほど多くないんだろうな、と業務システムを作る過程で思い知らさせました。
今回、営業以外の領域をほぼ手放し運転できる仕組みを作ったことで、仮に僕が明日入院しても、案件は止まらずに回せるようになったと思います。
もちろんシステムはできたばかりなので、運用しながら修正していくことは前提としても、会社が属人的にならず、働く皆の共有の場所として存続させるためには、やはり仕組み化は必須だと思いました。
もしタイムマシンがあったら、「デザインこそ正義」とばかりに鼻息を荒くしていた創業時の自分に会いに行き、首根っこを掴んで説得すると思います。
「まず仕組みを作れ。一人でいる時からコツコツやれば苦を感じずに仕組み化できるから。そしてそれは未来の自分を死ぬほど楽にさせてくれるぞ!」と。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事があなたの業務改善の最初の一歩になれば幸いです。
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建築・インテリアなど空間デザインに関わる人へ有用な記事を提供できるように努めます。特に小さな組織やそういった組織に飛び込む新社会人の役に立ちたいと思っております。
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